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修学旅行の前の日の朝
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「岡嶋二人 / クラインの壺」

小説を2人で書くってどうゆう感覚なんだろう?ってゆうコンビ作家。もう解散しちゃってるみたいだけど。
デザインもそうですが、言葉にできない雰囲気とかを共有しながら物事を構築していくのって至難の業。
そんなこんななこの小説ですが、たぶんここ何年かで一番の「読ませる小説」かも。だからすごい。もうグングン。
続きが気になっちゃって、もう止まらなかった。そうゆう快感ってやっぱり良い。

ゲームのシナリオコンペに応募した主人公だが、落選。しかし別方面からオファーがあり、そのシナリオを「イプシロン・プロジェクト」という会社に200万円で売る契約を交わす。それから1年半、モニターという立場でそのゲームを体験することになる。そのゲームとは「K2」という球形の機械に体ごと入り、バーチャルの世界に自分自身の身を投じるという体感型ゲームだった。やがて現実とバーチャルが境界がなくなっていく模様が、緻密な文章で構成されてた。

まったく古さを感じさせない文章だったので最初わからなかったけど、この作品は1989年に初版された作品。
1989年って平成元年。ついこないだだと思ってたけど、もう24年も前なんだよな。こうゆうのオッサン意見ですか?
だから作中に携帯電話がない、それで成り立つ物語かも。所々で「電話すればいいのに」と思ってしまう。

携帯電話の出現はドラマ業界にも影響を及ぼしたそうだ。ドラマではよく何かの誤解が生まれ恋人との別れの危機になる。
それに気付いたどっちかは誤解をとこうと恋人のもとへ走る。しかし今では「電話すればいいのに」になってしまう。
なのでとりあえず電話する、圏外、なので走る。と段階をふんでるけど、そのまえにメール入れるよな。となってしまう。
でもそうなるとすごく冷めたものになってしまう。携帯電話の出現は脚本界ではすごく迷惑なものだったみたい。

あとさ、これすごく狭い人にしかわからないだろうけど。というか2人だけか。
作中に主人公とある女の子が渋谷で待ち合わせをする。お互い面識がないのでお互いの特徴を伝え合う。
主人公は「僕はコカコーラのTシャツにスニーカーをはいているよ」という、その時点でおかしいと思ったんだ。
そして二人はスペイン坂のお店で語り合う。しかもその時は雨が降っているのだ。
なんてこった!あの日のままだ!ノーコメント野郎、元気かな。

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The End_459 大磯 / Nikon F3

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