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小山お腹パンパンズ
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「天童荒太 / 悼む人(下巻)」

終わった。もう辛くて早く終わらせたかった。胸がザラついてしょうがない。
こうゆう時、文章力があって読ませる作家さんで良かった。
それでも何度となく本から目をそらし、ため息をついて、また読み出す。
その繰り返しをしながら読み進めるしかない小説だった。

結果的に、僕はこの本を二度と読まないだろう。
だけど、僕の人生において強烈に存在する小説になった。
だから読んで良かった。
こんなに感情移入して苦しかった小説も珍しい。

僕が思うに。死ぬ瞬間、自分が幸せだったと思う為には。
「自分が生きていた事を覚えていてくれる人が居る」という事に尽きる。
だからまだ生きている僕らは、死んでしまった人の事を「忘れない」という事が必要なんだ。

そして、特別じゃない死なんて無い。
みなが特別な生き物なんだから、すべての死が特別なんだ。
どこか遠くの国で死んだ何万人という事が、ただの何万人という数字ではなく
その人が確かにそこに存在していた、という特別な事として記憶しておくこと。
やっぱりそれには想像力も必要だし、精神的にもきつい事だと思う。
でもそうならなければいけない事なんだ。極論だけど。

最後の書評で重松清先生が言っている。
遠くから聞こえるその声は
あなたには自分のことを悼んでくれる人が居ますか?
あなたが悼みたい相手はいますか?
と、繰り返し問いかけてくるのである。

さすがである。

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The End_284 浅野 / Nikon F3

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