FC2ブログ
足の裏が黒いんだ
R0027207.jpg

「天童荒太 / 悼む人(上)」

内容が濃いので上巻でとりあえず書きます。

この人の小説は読んだこと無かったんだけど、前に出してた「永遠の仔」
って、タイトルから重くてさ、手に取ったことは無かった。
でも今回、直木賞受賞作品だし、文庫化されたし、ランキング上位だし
坂本龍一との対談を見たことがあったからで、読んでみた。

いやあ重い。

日本各地の死んだ人、事故も事件も、天災も自殺も殺人も。
その人が死んだ場所に行って、冥福を祈るでもない「悼む」という旅をしてる主人公。

ああもう重い。

考えなければ楽な事を、バシバシ投げかけてくる。考えさせられる。
普段気付いているんだけど、考えないようにしようとしてる「その時」
自分のももちろん、自分にとって身近で大切な人の「その時」
それを現実的に置き換えてすごく想像してしまい、はっきり言って辛くなる。涙も出る。

この小説の重さは、目を背けるな!というメッセージ性が強すぎるから
こんなに辛いんだ。それは決して悪い小説ではなく、むしろ良い小説なのだ。
人は死んだらどうなるか、どのようにして死んで行くのが本当の幸せなのか。
答えなんか無いんだろうけど、たぶん「あるひとつの答え」が下巻で分かるんだろうと思う。
辛いけど、もちろん最後まで読む。

以下印象に残ったので引用。週刊誌記者が、部下の新人記者に対して。

11歳の兄が誤って動かした車にひかれた6歳の子に、彼は心から同情した。
だが今回の被害者には、死んでも仕方がなかったかのような発言をする。
今回の被害者が誰とでも寝るヤク中と知り、自業自得的なところがあると口にした。
おまえらは、何を基準に或る死者には同情し、或る死者は放り出すんだ、、、。
言葉にしかけた質問が、ひどく青臭いのに気づいて、そそくさとトイレを出た。

te278.jpg

The End_279 事務所の百合 / Hasselblad 500CM

「Trinograph.」「とりあえずの場所」「twitter」
■■■ | Comment : 0 | Trackback : 0
▲▲▲

Comment


 

 

 

Trackback

このエントリーのトラックバックURL:

http://endscope.blog90.fc2.com/tb.php/684-50a52d22
⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)