DATE:2016/07/19(Tue) 08:56 No.2026

「ポール・オースター / ムーン・パレス」
オースター作品は、ニューヨーク三部作と「ナショナル・ストーリー・プロジェクト」以外は知らない。
有名だからこそ手を出せない現象に苦しめられていましたが、なにかのなにかが来て読みました。
結果はこれでよりオースターが好きになり、ファンのレベルにまでなったと思う。
人類が初めて月を歩いた夏から始まる「僕」の物語。
「ムーン・パレス」がタイムズスクウェアにある中華料理屋だったり「キティ・ウー」という女の子とか、
エフィングという車椅子の偏屈な老人、ブレイクロックの「月」という絵画。いろんな登場人物と暗喩にあふれていた。
基本的に幸せに満ちあふれた話ではなく、ろくでもない事しか起こらない。偶然ではなく必然的な喪失の物語。
それでも読み終わった後に読み手の心に残るものは、実体はなくとも無視できる物ではない。
以下引用ー
・私たちはそれぞれ反対の方向にでかけていく。でもいずれまた同じところに行きつくはずだよ、きっとね。何もかもいずれはうまく行くさ。
・太陽は過去であり、地球は現在であり、月は未来である。
・芸術とは理解する手立てなのだ。世界に入り込み、そのなかに自分の場を見出す道なのだ。

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