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ジョン・マッケンロー対ビヨン・ボルグ
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「きみはいい子」

「そこのみにて光輝く」が好きだった呉美保監督作品。今回の「きみはいい子」もとても良い映画でした。
僕はこの監督の作品が好きみたいです。そしてこれは何回も言ってるけど、それ以上に池脇千鶴が好きです。
どっちの作品にも彼女は出演しているのでみました。動機はそうゆう曲がったものなんですが
結果として物語もすごく良かったので、どこか得した気がしています。

新米の小学校教師、岡野は真面目でひたむきな教師だが、優柔不断な性格もあり、生徒たちにあまり信頼されていなかった。夫は単身赴任で、3歳の娘と二人で生活している主婦の雅美は、娘に対して暴力を振るってしまうことが多くあり、その自分にも、止められない自分にも嫌悪感を抱いていた。そして一人暮らしの老女、あきこは少し痴呆が始まっていた。スーパーで支払い忘れたトマトを万引きと指摘され、なにも言えなかった。彼らは同じ街で暮らしていた。それぞれの大人が子どもとの関わり合いに悩み、苦しんでいた。

人は自分がされて嫌だったことと、同じことを人にする。大人も子どもも同じ。というのが率直な感想です。
そして世界は大人が考えているよりもシンプルということかも。大人が自分で難しくしているだけかも、と。
抱きしめるという、シンプルな行為でどれだけ世の中が平和になるかって事とか、考えたことなかった。
そもそも大人が、子ども以上に人に抱きしめられたいと思ってたりする事とか。なんかいろいろストレートに刺さった。

岡野先生のお姉さんには小さい子どもがいて、それは甥っ子になるんだけど、岡野先生が消沈してる時に抱きしめてくれる。
その時のお姉さんの言葉がとても印象的でした。以下引用ー
「あの子ね、私のマネしてやるんだよね。背中をぽんぽんって。私があの子に優しくすれば、あの子も他人に優しくしてくれるの。
だから子どもをかわいがれば世界が平和になるの。ね、母親ってすごい仕事でしょう。」って言ってた。すごく印象的。

編集がとっても上手、という感想を持ちました。シーンのつなげ方とかはわかりやすい例だけど、なんかやり過ぎてなく自然でいい。
同じシーンでも顔に当たる光の色温度が、本当にちょっとずつ変わってたりしてる。感情の変化を表してたのかな。偶然かな。
あと子役陣は神がかり的に演技がうまい。雅美の娘、3歳児で親の暴力を受けている。実際トラウマになるんじゃね?ってくらいリアルに殴られる。
雅美が手を振り上げると反射的に脅える。そのスピードがとても演技にはみえなかったんだよ。

でもそんなに暴力を受けていても、やっぱり母親のことを求めていて、母親に褒められたくて、抱きしめられたいんだ。泣きそうになった。
そして我らが池脇千鶴はやっぱりキーマンな役でした。優しさとは、壁を越えて親身になる行為のことを言うのかもしれない。
大人になると「人は人だから」という見えないルールのような物がある(僕は独り身だからあまり感じないけどある)みたい。
それを越えると押しつけがましいと言われる。でも押しつけがましくて良い。それは岡野先生の宿題が良い例。みな嫌がったのに結果笑ってた。

言葉にして求めないと誰も助けてくれないのか。でも目は口ほどに物を言っているし、空気で伝わることは少なくない。
それが子どものSOSだったとしても、言葉にされない限り入り込んだら押しつけがましいことになってしまうのか。「人は人だから」と。
押しつけがましくても、その境界を越えることが優しさだ、という事が言いたかったのかな。
そして極論、抱きしめ合えば世界は平和になるという事を言っているんだと思う。これは綺麗事に聞こえますか?

障害をもっている少年が言う。
「幸せ」は、晩ご飯を食べてお風呂に入って、お布団に入って、お母さんにお休みを言ってもらう時の気持ちです。って。
物語の終わり方はすごく考えさせられた。行動したという事だけで良いのかな。その先に広がる世界はどんな世界なんだろう。
小さいお子さんが居る方がみると、また違う感想を持つかもしれない。叩かれてる子どもをみると悲しくなるけど、感じるものはあるかもしれない。

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The End_1546 上野 / PLAUBEL makina 670

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