FC2ブログ
ビリー・ジョエルの閉鎖された鉄工所についての唄
IMG_0055_20160218101534fad.jpg

「中村文則 / 迷宮」

続けて読みました。「掏摸」の後、続編っぽい雰囲気の「王国」を読もうと思ったけど、
この人の作品を間をあけずに読みたかったので、まとめて買ってたこの作品を先に読んじゃった。

マスコミが「折鶴事件」と名付けたこの事件は、1988年東京で起こった。正式には「日置事件」というもので、日置一家が密室の中惨殺され、12歳の長女だけが生き残ったという事件。現場には遺体を飾るように折り鶴が美しく散乱していた。そしてその全ての折り鶴には、指紋の付着が確認されなかった。現代、ある弁護士事務所に勤める新見という男は、ある晩バーで知り合った女性が、もと同級生だったということで盛り上がり、彼女の家に泊まってしまう。その女は日置事件の生き残りだった。

こ、こ、これは気持ち悪い小説だった。「掏摸」とはまた違う暗さ、陰鬱さがあった。
スリ行為と、一家惨殺の殺人事件という犯罪のグレードの違いがそうさせるのか、重かった。
新見は弁護士事務所に勤めるまっとうな人間で、過去の事件の謎を解き明かす!のかと想像してたんだけど
新見も新見でかなり鬱々としている。それは冒頭の文章から匂わせているけど。

読み進めるうちに、日置事件の真相というか、表に出てこなかった色々なことが分かってくる。
それは一つ一つがメンタル的に気持ち悪い。一家惨殺というものだけどグロ表現はありません。それは良かった。
妻が夫とはつり合わない程の美人だったということ。ある日妻の自転車を真顔で解体している所を目撃されている夫。
妻の腕の傷、近所で睡眠薬入りジュースを配る不審者。そして兄と妹の秘密と密室殺人の謎、折り鶴の意味とか全部が全部気持ち悪い。

読み終わった感想としては、繋ぎ方がすごく細かく絶妙なのと、心的描写は大げさではく丁寧に静かに書いてあるし
全体的にとても好感があったんだけど、本当にシンプルに気持ち悪すぎてもう読みたくないと思っちゃった。
「掏摸」みたいなエンターテインメント性はあんまりなくて、静かにただ気持ち悪い。という小説だった。
じゃあ次は掏摸の続きの「王国」を、、と思ったんですが、結果的に村上春樹に戻ることになりました。

te1521a.jpg

The End_1521 渋谷 / PLAUBEL makina 670

LINKS : 「THE END」「PHOTO DAIRY」「Trinograph」「Facebook」「Instagram」
■■■ | Comment : 0 | Trackback : 0
▲▲▲

Comment


 

 

 

Trackback

このエントリーのトラックバックURL:

http://endscope.blog90.fc2.com/tb.php/1899-1f631669
⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)