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趣味が良い人と、ひねくれた貧乏人は同義
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「中村文則 / 掏摸」

「銃」が面白かったので続いて読んでみた。大江健三郎賞という、なんだかいろんなことを考えさせられる賞の受賞作。

東京を仕事場にするスリ師。ターゲットはわかりやすい裕福者たちだけで、地味に質素に仕事をしていた。ある日彼は最悪の男と再会する。その男とはかつて一度だけ仕事を共にしたことのある、闇社会に生きる男。その時から彼はその男に生かされていた。男はある3つの仕事を依頼してきた。その瞬間、男は再び絶対的な運命の支配者となった。

前作の「私」的な一人称から「僕」に変わり、変な違和感はなくなりスルスル読めます。
前作は処女作で物語の深み的なものを感じなかったと書いたけど、この作品はそれなりに深かった。
でもあと50Pか100P伸ばせばもっと深い話になったと思う。物語をそれだけ引っ張っる文章力があるのにもったいないと思った。
こんなこと書くとかなり偉そうに聞こえるな。。ま、いい。

冒頭で世界を広げ、伏線を巻き散らし、読んでる僕はドキドキした。そしてその最悪な男からの仕事の依頼来た。
その時点で本の残りは1/3くらい。となると誰でも不安にならないかな、これ終わるの?って。そこまでドキドキして読んでたからこそ不安だった。
そして結果尻すぼみに終わってしまった。終わりはちゃんと考えさせられた部分もあるので良い。でもその3つの仕事がすげえ適当な感じがした。
かなり難しい仕事なのに、ちゃっちゃか終わらせる。残りページが少ないから。まあ一筋縄ではいかないけど、なんか消化試合を見てるようだった。

後付けみたいだけど、この物語の姉妹編?アナザーストーリー的な物?があるらしいので、それも読んでみようと思う。
この人の小説を読んでて思ったのは「重松清のダークサイド小説」に雰囲気が近い。
重松清と言えば有名な作家です。僕も若い頃に好んでよく読んでいた。今は分からないけど重松清といえば出版頻度と、話のバリエーションの多さ。
末期ガン患者の残された人生系、SF人間交差点系、エロ系人間交差点系、少年少女のいじめ系、そしてダークサイド系。

ダークサイド系で一番印象深いのは「疾走」という作品で、考えられないほど暗く、救いもなく、辛い。でも著者の文筆力でどんどん読める物語。
中村文則の小説にもそんな傾向があると思っている。文体が似てたり雰囲気が。そしてそれは僕の好物でもあります。
だからそうゆう意味ではこれからも、この人の小説をいろいろ読んでいこうと思っています。
あ、でも村上春樹再読イヤーは続いています。いまはちなみに「ダンス・ダンス・ダンス」を読んでいます。

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The End_1514 上馬近辺 / SONY RX100m3

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