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キーポイントは弱さなんだ
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「村上春樹 / 羊をめぐる冒険」

旧年中は「村上春樹再読イヤー」としてて、いろいろ読み返していました。
この作品は12月に読み終わってたんだけど、いかんせん文章にする時間と気力がなく後回しにしていた。
そしてなんとなく予想はしてたんですが、年をまたいでの投稿になってしまいました。
あとで書くけど「多崎つくる~」も「ラオスで~」も旧年中に読み終わってたんだけど、、、そのうち書きます。

「風の歌を聴け」からの僕と鼠シリーズ(というの?)の最後の話。
「ダンスダンスダンス」もそのシリーズに入るんだっけかな?忘れちゃった。
再読イヤーというならシリーズの最初から読むべきなんだろうけど、この物語がすごく好きだったので。これだけ。
読んでると、その後の村上春樹作品に出てくる細かな断片に気付き、その辺でも楽しめた。

1978年、妻と別れた。その直後大学時代の恋人がトラックに轢かれて死んだ。僕は耳専門のモデルをしている女の子と知り合った。ある昼下がり彼女は言った「あと十分ぐらいで大事な電話がかかってくるわよ。羊のことよ、そして冒険が始まるの」と。電話の主は共同経営者の友人で、事務所に右翼の大物である「先生」の秘書が現れたらしい。どうやら話の内容は「羊」についてのもののようだ。やれやれ。

初期と後期の村上春樹作品はガラッと作風が変わっている。変わったことが嫌だという人は多いけど、僕はどちらも好きです。
僕は研究家ではないから詳しいことは分からないけど、初期は喪失の物語で、自分の中(と外)のいろんな物を失う物語と思っている。
そしてその失った物は二度と手に入らない、だけど生きてかなくてはならない。そう、僕の中では青春小説なのだ。
いわゆるベタな青春小説じゃないのに、年齢設定も高校生とかではないのに、僕の中では青春小説で、そんな所が好きだ。

そしてこの作品は初期の部類に入っていて、もうごっそり喪失する。損なう。それは主人公の僕も、鼠も、読んでいる僕自身も。
、、でも初期の作品といえども今読み返すと、後期のニュアンスっぽい所も多く感じて楽しい。
耳の美しい女の子は「ねじ巻き鳥クロニクル」の妻とかぶるし、なにより羊は「根源的な悪」だ。たぶん。
「それは大陸からやってくる」なんて言われるとモンゴルでの一連の物事を思い出す。そして戦争も。

「ねじ巻き鳥クロニクル」の井戸や「海辺のカフカ」の森など、後期作品で出てくるあっちとこっちをつなぐもの。
これもこの物語の後半に「不吉なカーブ」として出てきた。そしてその先にある別荘で起こることは、もう静かにビンビン来る。
ねじ巻き鳥以降、彼の作品はデタッチからコミットに変っている。らしい。そうゆう難しいの分からないけど
そうゆう細かい共通点を感じながら読んでると、テーマは違えどやはり村上作品だなと感じ、楽しい。

個人で知るには限界があるもの、または想像すらできない世界の成り立ちを感じられる。
僕はやっぱりどこか不思議で、嘘くさくて、心が静かに動いてしまう村上作品が大好きみたいです。
彼の言葉を借りるなら「物語を読むということは、人の靴を履いて景色を眺めるようなものだ」
細かい所違うかも知れないけど、そんな感じ。ちなみに「村上春樹再読イヤー」は今年も続きます。笑

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The End_1480 劔崎灯台 / PENTAX 67

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