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すこしだけ死んでみる
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「グザヴィエ・ドラン / マイ・マザー」

目黒シネマ、グザヴィエ・ドラン祭りの二本目。
そして僕はこれにてドラン映画コンプリートになります。
出演だけしてる「エレファント・ソング」はみてない。みたい。
前に書いたけど、俳優としてのグザヴィエ・ドランの方が僕は好きかもしれないので。

平凡な町に暮らす17歳の少年ユベールは、二人で暮らしている母親の言動、全てが気に障るようになってしまい悩んでいた。一方母親の方も息子との安定した関係を築くことができず、悩んでいた。ある日彼女はユベールが同姓愛者であることを知ってしまう。

結果からいいますと、僕は一連のドラン映画の中で一番好きだったかもしれない。
「わたしはロランス」と悩むけど、良い勝負です。でもやっぱりロランスかなー。
まあでも比べられるような物語ではないかもしれん。雰囲気はむしろ対極になるかもしれないし。
エキセントリックな映画より、静かな(大きな声でケンカするシーンは多かったけど)映画の方が好きみたいです。

「僕は母を殺した」という原題。グザヴィエ・ドランの自伝的物語。
これを17歳の少年が書いたのかと思うと、こらすごい。「若き天才」とかいわれると、、と書きましたが、これは本当にすごいと思う。
そしてちゃんと映画になっているということがまたすごい。映画は一人では作れないから。いろんな大人の賛同が必要だと思うし。嫌な奴もいる。
処女作がこんなに完成度の高いものになるなんて本当にすごいことだと思う。いろんな障害あったと想像する。障害しかなかったと思う。

ユベールは典型的な思春期のそれとは違う、母親への憎悪がある。
でも原題から想像してしまうかもしれないけど、スリラー的な要素はまったくない。
進路について母親の意見を問われた時に、ユベールは母親を死んだことにする。
それを知った母は「わたしは死んでないわよ!」と教室に押しかけてくるというコミカルな死です。

生活面では母親に依存しておきながら、目の前の母親に否定的感情を抱くユベール。
思春期といわれる時期の、ある程度「自分が何者か」ということに整理が付いてくる時期。
でも、それでも自分の世界をまとめきれず、立ち位置がはっきりせず、狼狽している時期。そのストレスが母親に向いている。
でも母親は母親で思う事はあるのだ。それは僕がこの歳になって分かってきたことかもしれないな。

それでも根本では息子を愛しているし、ユベールも母を愛している。
そうゆう言葉にしない感情、決まっていてどうしようもないこと、そうゆうのを描くのがドラン映画の特徴なのかも。
「僕が明日死んだら?」という投げやりな母への問い。その返答はグサリとくるものがあった。
そしてその返答はもちろんユベールの耳には届かない。そうゆう所が本当にリアルだった。

母親役のアンヌ・ドルヴァル「Mommy」の母親役。この人がすごく良い。彼女が寄宿学校長にキレる場面がある。
ロランスの時のウェイトレスにキレたあれみたいに、みてるこちらが気持ち良いくらいキレる。
ロランスでキレてたスザンヌ・クレマンも教師役で出てた。「胸騒ぎの恋人」に出てたロダンの彫刻似のひどい男も出てた。
監督によって出演者が固まるのは珍しいことじゃないけど、ここまで同じ人たちってのもあまり聞かない。でも全員よい俳優で、好きだ。

グザヴィエ・ドラン。とりえず今のところみれる映画は全部みたので、個人的な感想を。
ずっと書いてきているけどやっぱり「若き、美しき、映画の天才」なんてものが邪魔をする。そして僕のミーハー拒否症も。
だけど物語としては静かな人間の普遍的な感情を表そうとしているし、演出や表現は既存のそれと違いオリジナリティに溢れている。
演出の部分は好き嫌いあると思うし、僕は気になる部分は多かった。それでもこれから新作を撮ればみる監督になりました。
表現という意味で年齢は関係ないけど、やっぱり映画となると色んな障害が多いと思うし、シンプルに事が進まないこともあるだろう。
それでもこの歳でここまで築き上げているということは、これから撮れるもの、撮れることは多くなる。そうゆう意味ですごく期待しちゃう。
次は英語の作品を撮るらしい。それも楽しみにしている自分はもうファンなのかもしれない。
好きな部分も嫌いな部分もこれだけ書けるのはきっとそうゆうことだと思う。とりあえず髪型でも真似してみようかな。

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The End_1381 目黒本町 / PLAUBEL makina670

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