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小田急線を揺らす波
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「グザヴィエ・ドラン / トム・アット・ザ・ファーム」

町田で古着屋をやっているシモくんが、へべれけに酔っ払ってる時にグザヴィエ・ドランの話をしてみた。
そしたら「トム・アット・ザ・ファームみてくださいよ!」って5回くらい言われた。
どんな内容?との問いにはへべれけすぎて説明できてなかったけど、熱意は伝わったので、みてみた。
次の日シモくんに会ったらそのことまったく忘れてた!まったく、、。でもみてみた。

死んだ恋人の葬儀のために彼の実家を訪れたトムは、そこで自分と彼との同姓愛の関係がまったく母親に知らされていなかったことにショックを受ける。唯一その関係を知っている恋人の兄フランシスからは、母親をがっかりさせないためにも、絶対に二人の関係を口にするなと脅された。それは言葉だけではなく暴力を伴うものだった。

今までにみたドランの映画「胸騒ぎの恋人」と「わたしはロランス」みたいなエキセントリックなものはこの映画にはまったくない。
原作と共同脚本がミシェル・マルク・ブシャールという人、ドラン本人は脚本と監督、主演に専念している。
忙しすぎて、複雑な脚本を書く時間がなかったからと言ったらしい。ちょっとかんに障るのは僕だけだろうか。
原作が違うからか、前にみたものとは雰囲気がガラッと変わっている。性のあり方は主軸になっているけど、それ以上に暴力の描写が露骨だった。

ジャンルとしてはスリラーになるのかな。ヒッチコック的な臨場感がある。
そしてなんにしても暗い。絵も暗いけど、今までのドラン映画的な華やかさは皆無だった。
この映画、画面の縦横比、いわゆるアスペクト比が所々で変ってた。最初パノラマだったのに後半変わってた。
後で調べたら、これトムの感情によって画角を変えているんだそうだ。いろいろやってるんだなー。

がらっと雰囲気は変わってるんだけど、全部の物語に共通している部分も見つけられた。
皆がなんかしらに苛立っている。そして何らかの危機に直面して、身近な人と対立している。
胸騒ぎの恋人は、親友に苛立ち、恋という危機に直面してまわりが見えなくなっている。
ロランスは世間に苛立っている。そして生活や恋人との危機が伴ってくる。

今回のこの物語は。自分が恋人と認められてない事実に苛立っていた。でも心の奥にあるマゾな感覚。
それに征服されてしまう危機。でもそこには期待もある。徹底的に拒絶されて、暴力を浴び、従順になる。振り子。
ずっと逃げようと思えば逃げられる状況なんだもん。だんだんトムの心にそうゆう気持ちが芽生えていくのが見えた。
最初とは部屋のレイアウト、ベッドの位置が違うという演出も、生々しくてちょっと笑ってしまった。

ぼくはどちらかと言えば、こうゆう静かな映画の方が好きです。それはドランどうこうの話ではなく。
しかし、今までみたドランの映画とは対極にありそうな演出。こうゆうのも普通に撮れるんだ、という意思にもみえた。
なんかどんどん好きになるなー。最初の「若き天才」的な肩書きはもう邪魔になってない気がするし、ビジュアルも関係なくなってきた。
それは僕がグザヴィエ・ドランという人間を理解する為の良い傾向なんだ。なんとなく始まってしまったドラン祭りは、まだ続きそうです。

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The End_1375 渋谷 / Nikon F3

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