FC2ブログ
この世は不思議なところね
dorothy_vallens_1.jpg

「デヴィッド・リンチ / ブルー・ベルベット」

デヴィッド・リンチ祭り、第四弾。
「ストレイト・ストーリー」「ワイルド・アット・ハート」とみてきて、ぜんぶ面白いんだけど、、
僕の求めているどこか不穏で怪しくキリキリした「マルホランド・ドライブ」にみえるリンチ感がないな。。
と思っていた。だけど、この映画には僕の求めているリンチ感がありありと見れました。面白かった。

ノースカロライナののどかな街。大学生のジェフリーは父が病気で倒れた為に帰郷していた。見舞いで病院へ行った帰り道、草っ原で人間の耳を発見する。ジェフリーは知り合いの刑事のウイリアムズにその事を伝える。しかしジェフリーはウイリアムズ刑事の娘、サンディからこの事件に関わる女があるホテルに滞在していると聞いた。好奇心を抑えられずその女の部屋に忍び込むジェフリー。その女は歌手で、夜な夜なステージで官能的に「ブルー・ベルベット」を歌っていた。

この映画は本当に面白かった。面白かったし恐かったし気持ち悪かった。不気味だった。キリキリした。
そしてこの上なくメタフォリカルで、でもマルホランドドライブほど難解でなく(筋道がハッキリしているという意味で)
映画としてとても完成度が高いものだと思う。とても楽しめたし、ハラハラしたし、、素直に面白かった。
少しマルホと比べると、どこか俗っぽさを感じてしまう。それは主人公の男の子がイケメンだからかな。とも思う。

サンディ役のローラ・ダーンは美人過ぎない美人で良い。歌手の女役のイザベラ・ロッセリーニは最高に怪しい美人で良い。
そしてなんにしてもデニス・ホッパーの存在感は無視できない。恐い、気持ち悪い、変態。の三拍子。
この前みた「トゥルーロマンス」のいかした父親像とはかけ離れた役、というか真逆の役だけど、すごく良い。好きな俳優です。
カイル・マクラクランだけイケメンで浮いてる。。でも今「ツイン・ピークス」をみてるんだけど、その刑事役の彼ははまり役。わからん。。

今までリンチ映画をみてきて、よく表現されている「覗き」という行為に気付いた。特にこの映画は顕著に表れていた。
人間の表面上ではなく、隠された裏にあるものを覗く行為。ブルーベルベットのドレスで隠したものの奥にあるもの。
そして世界は自分が知っている以上に狂っていて、不安定な成り立ち方をしていることが、みてて伝わってくる。覗いて世界を知ると言う事。
それが彼にとって映画なのかもしれない。村上春樹の「物語を体験するという事は人の靴をはいて景色を眺めるようなものだ」に通じるものがある。

結局の所、落ちていた耳が関係する殺人事件的なそれは、単純明快で謎に満ちていることはありません。
その普通の流れが俗っぽさを感じさせてしまったのかもしれない。その事件も特に解決しなかったとしたら僕的には満足だったかもしれない。
でもそれじゃ大衆的にはまったく満足しない難解な映画で終わってしまうのかな。僕はそうゆう意味深で終わる映画の方が趣味だけどな。
この世界は愛であふれている。その愛はコマドリが持ってくる。でもそのコマドリの口は昆虫がくわえられている。ってだけで良いのです。

歌手の女の部屋に何度も行く事になるんだけれど、そのホテルが本当に不気味で、宿命的に暗くて、恐い。
みてすぐに思った「これは村上春樹の羊をめぐる冒険にでてきたいるかホテルみたいだ」と。
それと、いま「ねじまき鳥クロニクル」を精力的に読んでいます。そこに出てくる真っ暗なホテルにも共通する。ドキドキした。
リンチと村上春樹作品の共通点はいろいろ語られているみたいだけど、僕は素直に嬉しかった。パクリ的な論議は不毛すぎて読んでいない。

te1348.jpg

The End_1348 多摩川競艇場 / Nikon D610

「THE END」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph.」「Facebook」
■■■ | Comment : 0 | Trackback : 0
▲▲▲

Comment


 

 

 

Trackback

このエントリーのトラックバックURL:

http://endscope.blog90.fc2.com/tb.php/1721-20c2b8a5
⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)