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悩ましい問題
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「デヴィッド・リンチ / ストレイト・ストーリー」

「マルホランド・ドライブ」を結局3回見直すことになり、デヴィッド・リンチ熱がものすごく上がりました。
中毒、依存症といっても良い程デヴィッド・リンチを求めている自分がいた。
意味深でメタフォリカルなストーリー。胃の底の方に響く音響。決まりすぎた画。終わった後の喪失感。
全部がツボにはまってしまった。という訳でこれから空前のリンチブームが始まります。

アイオワ州に住むアルヴィン・ストレイトは70歳を越えていた。娘のローズと生活をしていたが、家の中で転倒してしまいそれがきっかけで杖がないと歩けなくなってしまう。ある日アルヴィンの兄、ライルが脳卒中で倒れたという電話が来た。二人は長いこと音信普通の仲で数十年会っていなかったが、アルヴィンはライルに会いに行くことを決意する。しかしアルヴィンは杖を使ってやっと歩けるくらい。その上目も悪いので車の運転もできない。考えたアルヴィンは芝刈り機を改造し、560km離れた兄の元へ向かうと言い出す。

デヴィッド・リンチのような人間を、才能がある人間というんだと思う。不可解で難解さが特徴のリンチだけど、こうゆう「普通の映画」も撮れる。
しかも余裕でしゃくしゃくで、お茶の子さいさいに。という感じがプンプンする。そして普通に感動し、普通に面白い。
こうゆう普通のものに飽きちゃって、マルホランド・ドライブみたいなの撮っちゃうんだと思う。
あんなの才能がないと絶対にできない。才能がある人は同じくらい努力している。という言葉のもっと、本当に次元の違う世界だと思う。

お爺さんが生き別れた兄に会いに行くロードムービー。という「マルホランド・ドライブ」とは似ても似つかないシンプルなもので
みている人間の大半、いや9割は理解できそうな普遍的な映画。そしてそれは適当に作った物語ではなく長く生きた人間の哀愁と
人生の終りに向かう心の動きが丁寧に描かれていて、シンプルに感動してしまった。ラストも多くを語らずがとても良いです。
いきなり出てきた汚いお爺さんが、パリ・テキサスのトラヴィス役の人だったのは笑っちゃったけど。汚い役が得意だな、笑。

アルヴィンを演じたリチャード・ファンズワース。赤毛のアンのおじいさん役。
こんなことを書くと意外に思われるかも知れないけど、僕が子どもの頃に始めて異性を意識したのはたぶん「赤毛のアン」だ。
母親がモンゴメリのファンで、それの影響かで赤毛のアン映画版をみた。その時のアン役ミーガン・フォローズにドキドキした記憶がある。
だから今でもこの映画をみるとその頃の記憶が甦る。プリンス・エドワード島が僕の原風景の一つなのだ。意外でしょ?久しぶりに観たいな。

話はそれたけど、ファンズワースはその時からヨボヨボのお爺さんだった。今作でもヨボヨボのお爺さんだった。
お爺さんはずっとお爺さんだったりする。アルプスの少女ハイジのお爺さんの若い頃なんて恐らくない、のだ。
ファンズワースはこの映画が公開された1999年の翌年、ショットガンで自殺をしている。赤毛のアン効果もあり好きな俳優だったので残念です。
お爺さんのショットガン自殺と聞くと、ヘミングウェイしかでてこないのは僕だけではないと思う。高齢の自殺ほど寂しいものはない。

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The End_1344 水根 / Nikon D610

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