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間宮中尉の長い話
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「村上春樹 / ノルウェイの森」

再読、おそらく、、3回目?なので上下巻まとめての感想です。
ベタですが、僕が村上春樹小説にはまるきっかけになった作品です。その頃と印象は変わってるかな、、と期待して読んだ。
前に書いたけどトニー・スコットの「トゥルー・ロマンス」のことをブログに上げた日にこの本を読み終わった。
その日仕事で伺ったお店のモニタで流れていたのが「トゥルー・ロマンス」でBGMは「ノルウェイの森」だった。

1968年大学一年だったワタナベは高校時代の同級生、直子と再会した。当時行動を共にしていたキズキという男の恋人が直子で、よく3人で出かけたりしていた。しかし、キズキが練炭自殺をした後会うことはなかった。僕と直子はそれから頻繁に会うようになったが、直子の20歳の誕生日に関係を持ってから、直子はワタナベの前から姿を消した。

まず性描写について。村上春樹の小説ではおなじみ(という表現があっているかわかりませんが)の性描写。
確かにエロい。表現も説明も緻密すぎてエロい。特にこの小説では「ポルノ」と批判されたのに少し納得してしまうくらい回数が多い。
でも彼の作品を何度も読んできた僕としては、単にエロいってだけで片付けられなくなる。裏の意味があるような気がしてくる。
いや、確実にある。だけどこの小説は特にエロ表現が多いのは確かだ。それはもうしつこいくらいに。

中でも緑という女の子の存在は、この小説のヒロイン直子の存在を脅かすくらいの存在だ。
それは強気で、チャーミングで、自分勝手で、嘘つきで、強情で、明るくて、でも影もあって、エロい。映画版だと水原希子だった。
映画版のキャスティングについてもの申したい気持ちはあるけれど、水原希子だけはピッタリだった気がする。演技のうまい下手はおいといて。
いわゆる生意気そうな女の子、ということ。これがまたチャーミングなんです。僕は特に水原希子のファンではありません。

あとこれも村上春樹の小説でよく言われることがあるけど、、
「やれやれ」にも共通して言える「そんな会話実際してたら気持ち悪い」的な批判。
小説だからある程度はしょうがないと思し、良いと思う。だけど、、
そんな僕でもこれはちょっとどないやねん。みたいな会話はあった。それが以下のやりとりです。

緑「わたしが気持ち良くなることを言って」
ワタナベ「すごく可愛いよ、ミドリ」
緑「すごくってどれくらい?」
ワタナベ「山が崩れて海が干上がるくらい可愛い」
緑「あなたって表現がユニークね」
ワタナベ「君にそう言われると心が和むね」
緑「もっと素敵なことを言って」
ワタナベ「君が大好きだよ、ミドリ」
緑「どれくらい好き?」
ワタナベ「春の熊くらい好きだよ」
緑「春の熊?」
ワタナベ「春の野原を君が一人で歩いているとね、向こうからビロードみたいな毛なみの目のくりっとした可愛い子熊がやってくるんだ。そして君にこう言うんだよ。『今日は、お嬢さん、僕と一緒に転がりっこしませんか』って言うんだ。そして君と子熊で抱き合ってクローバーの茂った丘の斜面をころころと転がって一日中遊ぶんだ。そういうのって素敵だろ?」
緑「すごく素敵」
ワタナベ「それぐらい君のことが好きだ」

どないなことになってんねん、とは思う。
でもこうゆうのも含めて僕は村上春樹が好きだ。
同じくらい、こうゆう所が気持ち悪くて村上春樹が嫌いだ。
っていう人は多いんだろうな。ま、どっちでもいいんだけど。

前に読んだ時の正確な感想は覚えてないけど、少し新鮮な気分でした。あれ、こんな物語だったっけ?というのが正直な感想。
全体的な意味での喪失感はとても大きく、その時失ったものは37歳になったワタナベでも変わらず失っている。失い続けている
人間は生きていけば行くほど失い、損なっていくんだと改めて痛感します。生きていけば行くほど虚しくなるのもそのせいか。
変わるものはいっぱいあるけど、変わらないものはずっと変わらないということも。

村上春樹の小説でよくある概念の「向こう側とこちら側」というものも、直接的ではなくてもちょっと雰囲気があって。
キズキは向こう側にいってしまった人間。ワタナベは個チラ側の人間。そして直子はその狭間で揺れている。
それに影響されて、ワタナベもフワフワする。それに付け加え緑というエキセントリックな女の子まで出てくる。
人ごとだけど「ワタナベ、おぬし大変だな、、」と同情心を抱きながら読んでいました。

この小説は僕の村上春樹ランキングで、上位に食いこむものではありません。
でも冒頭に書いたとおり村上春樹にずっぽりハマるきっかけになった作品として、少し違うポジションにある作品です。
コレを機に僕の村上春樹体験は始まったといっても過言ではない。
それが良かったのか悪かったのか、、そうゆうことは考えないようにします。

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The End_1339 是政 / Nikon D610

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