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サーカス、それは郷愁
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「荒木経惟 / 写真への旅」

ちょいちょいの合間で読んでて、気付いたら終わっちゃってた。面白かった。
初版は1976年のもの。僕が生まれる前のこと。篠山紀信、東松照明、植田正治、いろんな人が出てくる。
全体的に軽い文章ですが写真撮影の心得をまとめたものです。ダジャレ、下ネタ多めです。
ふざけてるのに写真に対する著者の真剣さが伝わってきます。普段の印象に比べて意外と感じるかもしれません。

書き出しより引用ー
昭和49年7月にわたしの母が死んだ。母の死は、私が写真家であることを強く自覚させました。私は現在、再び写真を撮り始めました。ファインダーの中の現実、その「私現実」だけは信じられそうな気がしてきました。という言葉で始まるこの文章は「アサヒカメラ」に「荒木経惟の実践写真教室」として12回連載したものをまとめたもの。日本全国あちこちを気の向くままに「先生」として旅をしました。実は「生徒」は私だったのです。あの旅は、私のための「写真へのひとり旅」だったのです。

イイナー。

肉弾戦ならぬ肉眼戦として、300mmの望遠レンズをニコンFにつけて銀座の交差点を行き交う人の眼を撮る。
でもそれは肉眼戦ではなかった。300mmレンズは相手にハッキリと撮られたと確信させない感じがある。ありゃあー盗み撮りだ。

イイナー。

そして75mmレンズを付けて(もっと直近で撮ることになる)肉眼戦をしていたアラーキー。現代ではとても出来ない。
現代では肖像権だなんやかんやで、街中スナップは難しいとされている。でも本当にそうかしら?
当時からアラーキーは警察沙汰になったり、ポルノ写真撮影として訴えられたりしてる。それでも撮ってた。
今と昔、具合は違えど同じようなものなんじゃないか。それよりもエネルギーがあるのかどうか。初期衝動で突っ走るか。

、、といってもやっぱり僕には無理だ。そう考えると僕の写真は盗み撮りなんだなー。
「撮らせてください」「いいですよ」があれば良い、と書いてあるけど僕にはそれもハードルが高い。エネルギーも初期衝動もない。
ローライフレックス使って正方形の画角が良いとかいってたり、今のアラーキーとは違う所が見れてイイナー。いろいろあって今があるのだ。
自分が生まれる前にも世界が当たり前に存在してて、自分が死んだ後も世界が当たり前に続くことと同じくらいイイナー。

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The End_1309 洗足 / Nikon F3

「THE END」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph.」「Facebook」
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