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喉痛、腹痛、心痛
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「井上靖 / 氷壁」

最近は前に比べめっきり読書量減っています。原因はなんだか分かっています。
読書以外のことで頭がいっぱいで、そっちに気が向かないのです。
でも基本的には本が好きだし、生活に映画と同じくらい読書の要素は必要だと思ってるので、ゆっくり読んでいます。
これは関ちゃんに借りた文庫本。井上靖は、映画「わが母の記」しか知らないけど、昭和の文豪です。

新鋭登山家の魚津は親友の小坂と共に、前穂高東壁の冬季初登頂の計画を立てていた。山行の前に、魚津は小坂が密かに想いを寄せる、人妻の美那子の存在を知る。小坂は関係を持った一夜だけではなく、その後も横恋慕を続け、美那子を困らせていた。小坂の少し不安定な心理状態を心配した魚津だったが、二人は穂高の氷壁にとりかかる。しかし、切れないといわれ続けていたナイロンザイルが切れ、小坂は滑落死してしまう。

これは山岳小説であり、友情物語であり、サスペンス、恋愛要素まで入っているエンターテインメント小説だと思う。
基本的には山を登るし、パートナーの存在が必要不可欠な岩壁登攀が大きな要素になっている。
だけど、小坂の滑落の原因だったり、ナイロンザイルの是非などの社会派サスペンス要素がすごく面白い。
いわゆる昭和企業にスポットをおいた物語。山崎豊子臭がするのだ。その感じは僕のツボでした。

明らかに不自然に滑落した小坂のことや、ナイロンザイルに対する企業的なメンツの問題。
そして山の中は目撃者がいないことから、完全犯罪が為し得る場所というミステリー感。
そして、美那子の恋愛事情などが複雑に絡み、もうなんだかわからんけどおもしろい!の一言でした。
どこか生々しくて、艶のある。だけど凛とした女性像。これは昭和の女性を描いた小説家もしれない。

昭和30年代。日本全体が今よりもエネルギッシュだった時代。
少し野蛮で、生臭く、清潔ではないけど、生に溢れていた頃。
今と比べどこか不器用だけど、男性としての誇りの高さが感じられる。
日本人はこんなにしっかりとしてたんだなって、素直に感じてしまった。

しかし舞台となった長野県上高地の描写。
文章なのに絶景感がありありとイメージでいた。
もう僕はいきたくてしょうがない。
どうしよ。

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The End_1089 丸子橋 / Nikon D610

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