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お・ひ・ら・き
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「スティーヴ・マックイーン / それでも夜は明ける」

この監督すごく評価されてるよなー。名前もあるので取り上げやすいのかな。
キャリー・マリガンがでてた「SHAIM」は前にみた。その後彼女はあまり聞かないけど新しいの出ないのかな。
この作品もすごくメディアでプッシュしてた。僕の中では、映画館ではみないけどいつかみるでしょう映画。
しかし最近は本当に映画館でメジャーな映画をみなくなった。ゴーンガールもみないでしょう。DVDでよろし。

1841年、奴隷制廃止以前のニューヨーク、家族と一緒に幸せに暮らしていた自由黒人の音楽家ソロモンは、ある日出会った白人男性に酒を飲まされ、気付いたら奴隷として拉致されてしまった。ソロモンはアメリカ南部の綿花農園に売られてしまい、白人たちの非道な仕打ちに虐げられながらも、彼は自身のプライドを主張し続ける。実話を元にした作品。

映画としてはいわゆる「にっちもさっちもいかない、限りない絶望感」が弱かったかもしれない。
なんかうまくやれば逃げられるんじゃね?と思えるくらいの監禁度数が、全体的に緩い印象を出しててたのかも。
反面、現実ってそうなのかもしれないとも思う。刑務所じゃないし、壁をぐるりと作ることなんてしない。
そもそも奴隷制廃止前なので、逃げないで主人の為に働くのが「あたりまえ」のことなんだ。

「こうゆう時代もあった」という一言では片付けられない物語です。
「自由黒人」という言葉は初めて聞いたけど、その言葉自体が差別用語な気がしないでもない。
現代においても、まだまだ差別は社会問題になっています、なんて書くと浅はかな言葉で恥ずかしいけど
今でもアメリカ南部では黒人を毛嫌いする人も多いらしいし、KKKだってまだあるんでしょ?

これは持論ですが、差別は本当の意味でなくなることは、永遠にない。と思っています。
僕自身、白人の友達と黒人の友達と、アジア人、日本人とで付き合い方が変わる。あたりまえのことだ。
女性と男性とだって違う。大人と子どもでも違う。完全に平等の眼差しで他者を見れる人なんて存在しないはず。
要は偏見の眼差し、卑下した思いがあるかないか。それはもう黒人とか、同性愛者とか、種族とか以前の話のような気もする。

前にみたフィンチャーの「ハウス・オブ・カード」で先住民(ネイティブアメリカン)の族長が出てくる。
その時部屋にジャクソン大統領の肖像画がかかってて、族長は「アンドリュー・ジャクソンと同席したくない」と言って外させてた。
ジャクソン大統領は20ドル紙幣にもなった人だけど、ネイティブアメリカンを掃討、虐殺しインディアン強制移住法を制定した人。
英雄であるジョージ・ワシントンだって黒人を奴隷として所有していたし、インディアンを人間扱いしていなかったらしい。

本当になにが正義なのか分からなくなるし、それがあたりまえの時代だったということが、うまく想像できない。
「自由黒人」という言葉があるように、自由な黒人とそうでない黒人がいる。運良く抜け出して自由黒人になる人もいる。
その差は運だけだったりする。その理不尽さが、明確なビジュアル(例えば壁)としての絶望ではなく、日常的な絶望を感じさせた。
それは派手ではないけど、リアルな描写だと思うし、かつ平凡な物語になってないのは監督の手腕なんだと思う。

ブラッド・ピットなかなかでてこないなと思ったら、最後ぺろっと出てきた。
あれブラピである必要まったくないんじゃないかな。というくらいちょっと。でもかなり重要な役。
マイケル・ファスベンダーという俳優さん「SHAIM」にキャリー・マリガン兄の役で出てた人。
なんか印象違かった。もっと都会派なハンサムだと思ってたけど、なんか泥臭かった。良い意味で。

あとゴスペル。自由が全くない黒人奴隷の唯一の自由は、綿花を刈り取る作業中にうたうことだった。
楽器もなにもなく、鼻歌から派生し、皆が一緒になってうたう。仲間が死んだ時も墓の前で集まってうたう。
そのうたは、決して悲しい歌ではなく、明るいメロディだったりする。それがまた悲しい。
ゴスペルというと「天使にラブソングを」をイメージする人は多いかもしれないけど、あんなファッションで語られるものではない。

思い出したんだけど「差別はいけないことだ、皆平等がいいんだ」と英雄譚のように息巻いて発言してた人がいた。
その人の娘さんが黒人の彼を連れてきて、結婚するといった時、猛反対したあげく本当に結婚が頓挫した。黒人という理由で。
きれいなこと言うのは簡単だけど、皆自分の近くのことになると本心が出るんだなとその時に思った。
遠い海の向こうで怒っている戦争なんかより、隣人とのトラブルの方が大きな問題だもんね。

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The End_1083 古里 / Nikon D610

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