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ダイアモンドの動悸
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「高畑勲 / かぐや姫の物語」

今までのジブリ作品で一番好きな作品になったかも。少なくとも2014年のベスト1かもしれません。いやベスト1で!
僕は宮崎駿が好きです。物語どうこうよりも、絵と乗り物オタク的な所が。特に飛行機に関しては尊敬する部分はかなり多い。
でも高畑勲は今まで良さがあまりわからなかった。火垂るの墓も、ぽんぽこも、山田も、嫌いじゃないけど好きではなかった。
だけどこれは別格だわ。こんなに悲劇はないし、こんなにかぐや姫に感情移入したのは自分でもびっくり。名作だと思います。

今は昔、竹取のじいさんが竹林で光輝く竹をみつける。その中からは小さなかわいらしい女の子が現れた。子どものいないじいさんばあさんは、その子を天からの贈り物とし、大切に育てることにする。女の子は瞬く間に成長し、かぐや姫と名付けられる。美しく育った姫の噂を嗅ぎつけ、男たちが結婚を求めてくるようになる。困ったかぐや姫は彼らに無理難題を突きつける。その頃から姫は、月を眺めては物思いにふけるようになっていった。

大好きな作品になったので、大いに語りたいので、壮絶にネタバレしています。
まだ見てない人は読まない方がいいです。かなりオススメできる作品なので尚更。
もしみたならこの物語について語りたい。大いに語りたい。事務所集合です。
でも竹取物語って皆知ってるでしょ?竹から生まれて月へ帰る話。それです。

僕の竹取物語のイメージは、矢追純一的なSF!と思ってた。月からの使者=宇宙人。
実はそれ市村崑の竹取物語のイメージがすり込まれてたみたい。マガジンのMMRかもしれないけど。笑。
おとぎ話も、市村崑の竹取物語でも、かぐや姫の罪って特に明らかにされてなかった気がする。
んで、この映画やる時にコピーで「姫の犯した罪と罰」ってあったんだよね。だからハッキリするのかしらと思ってた。

みて思ったのは、そんなにはっきり言葉にしてない。だけどじっくり伝わる感じだった。
それってすごいことだと思う。説明しすぎてない、けどちゃんと伝わる感じ。
それだけじゃなく、物語が進むにつれて入り込みすぎてしまい、かぐや姫の心情がありありと伝わってくる。
窮屈なかぐやの心が痛いほど伝わってくるんですよ。みてるこっちまで苦しくなる。

ここから壮絶ネタバレ。月は理想郷で地球は汚れた地。その地球への思いを馳せたかぐやへの罰は、地球に送り込むこと。
そしてその地球で辛い思いをすること。でもかぐや姫にとって地球は辛いことばかりではなかった。
地球は美しく生命力に溢れていて、なにも考えず草、虫、獣に囲まれた生活は、罰でもなんでもなかった。
むしろ楽園だった、少なくとも子どもの頃は。これって、僕らにも置きかえられることに思う。

子どもの頃はなにも考えず生きているだけで楽しかった。理由なんていらなかった。
だけどおとなになるにつれて嫌な事も、人間の嫌な部分もいっぱい知ってしまう。
ただ普通に生きたいだけなのに、そうではなくなる。その世界で生きるのは罰のようなものかもしれない。
でもかぐやは言う「汚れてなんかいない、喜びも悲しみも、この地に生きるものは皆彩りに満ちている!」

僕は感動してしまった。かぐやはいろいろ嫌なことを体験したんだ。人間の強欲、妬み、嘘。それでも美しいと言う。
帝の存在なんて本気で罰だった。本当に本当に気持ち悪いキャラだった。アゴすごいくせにナルシスト。
かぐやは色々と分かって落胆する。でも昔の記憶は今でも煌びやかだったりする。今の方が裕福で不自由ない生活なのに。
そして心底嫌になった時に全てを理解してしまう。思い出してしまう。そして涙を流す。こんな悲劇はない。

、、じいさんばあさんのことを考えないわけにはいかない。
子どものいない年老いた二人が、竹の中で見つけた小さな子ども。彼らにとっては本当に天からの贈り物だった。
でもそれも罰の一部だったと思うと心が痛い「私も連れてっておくれ」と泣き崩れる二人は、かぐやが生きる理由だった。
爺さんが「私を許しておくれ、姫」と泣く。姫はちゃんと地球を振り返って涙を流していたよ。ここで号泣。

僕だけかもしれないけど日本人って「もしかしたらうまく行くかもしれなかった。けどそうはならなかった。そして時間は経ち、、」
という悲劇が好きよだね。こうゆうとこで感傷的になるんだろうな。もしこうだったら、でも現実は違う的な話。
「捨丸兄ちゃんとだったら幸せになれた」という素直な言葉。運命という物があるならば、それがそうはさせなかった。切ない。
けど捨丸の時間も、自分とは別の所でしっかり進んでいるのだ。でも空を飛ぶ感じは好きでした。この辺解釈いろいろありそ。

物語とは別に、絵、アニメの表現について。

最近のCG使いまくったアニメとは対極にある、手描き感溢れるアニメーションはかなり美しいです。
絵だけではなく動きも躍動感あふれて、素晴らしいです。動きもかぐやの心情を伝える効果がかなりあります。
滑らか。というのが率直な感想。なんかセル画の枚数がすさまじかったという話もチラホラと。
必見だと思います。ジブリのいわゆる背景や、いままでのアニメにはない、でも原点という感じ。

えーと音楽は相変わらず久石譲です。

最後、天からの使いが来る時に人間はかぐやを守ろうと息巻く。しかし奮闘虚しく人智を越えたパワーで抑え込まれる。完全にフォース。
その時の音楽が最高で。廻りの空気をまったく読まない奴らが現れる。セリフないけどつけるなら「問答無用よ~ん」って感じ。
絶対に変わらないことの恐怖。でも音楽はとても陽気な音楽なんだよ。そのギャップがすごく良くて。ほんと「問答無用よ~ん」って感じ。笑。
みた後に「阿弥陀二十五菩薩来迎図」で検索すると面白いですよ。



オーケストラ版。11:20頃からです。聴いてみてください。

壮絶にネタバレ文章を書きましたが、いやこれほんと名作です。
今すぐにもう一回みれるし、みたい。もう一度考察しながらみるのもいいかもしれない。
こりゃDVD買うと思います。風立ちぬといっしょに抱かせて買っちゃおうかな。
2015年、これをこえるものに出会えるか今から不安です。

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The End_1070 祐天寺 / PLAUBEL makina 670

「THE END PHOTO」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph. INTERIOR」「Facebook」
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