DATE:2014/10/29(Wed) 10:55 No.1472

「あなたへ」
「北のカナリア」借りた時、邦画縛りで物色してて。
吉永小百合ときたら高倉健でしょう!とテンション上がってた。
大滝秀治の遺作になったこの映画。やっぱり良い味だしてた。
一言で全部もっていっちゃうもんな。残念です。
刑務所で指導官として働く倉島英二の元に、亡くなった妻が生前に出した手紙が届いた。手紙には故郷、長崎の海に散骨してほしいと書いてあり、倉島は北陸から九州へと自家用車で向かうことにした。自家用車は病床に伏せる妻を、いろんな所へ連れていけるように後部を改造し、簡単な寝泊まりができるようにしていた。妻と一緒にでるはずだった旅だったが、倉島は一人で旅を始める。その道中、様々な人と出会い、別れながら、妻との思い出が頭をよぎる。
とても淡々とした映画で、退屈とおもう人は多いかもしれない。
でもロードムービーってそうゆうもんで、舞台が日本なだけ想像しやすくて良かった。
高倉健だからかもしれないけど、妻を亡くした男の切なさがすごく出ててそれも良い。
亡くなった後の手紙って。もう、。しかも散骨って。。もう!
高倉健の映画ってあんまりみたことがない「幸せの黄色いハンカチ」くらい。
物心ついたときから、渋い、不器用な男。というイメージがついてるけど、もう83歳。
歩き方がおぼつかなかったり、しゃべり方が少したどたどしかったり。歳を感じる。
それでも誠実さは変わらず、良い意味で固い演技をしています。
これは独り身の僕よりも、結婚している人の方が響く映画だと思う。
それが新婚でも熟年でも関係なく。感情移入しやすいじゃないかな。
独り身の僕でもしっかり響いたけど、それ以上にという意味。
「あなたにはあなたの時間が流れてる」とかいわれると、もうダメだった。
しかしロードムービーといってるけど、北陸から長崎って結構近いよなと思う。
廻りの人は「ええっ!長崎まで車でですか!?」とびっくりしてるけど、そんなに?と思う。
物語も「素晴らしい!」とは素直にいえるようなものではないけど、みなきゃよかったとは思わない。
長崎での大滝秀治の一件と、死んだ妻の策略は、まあ良かったです!
一緒に生きるということは、いつか別れが来る。
逝く人がその時になにが言えるのか。ということも考えたし、
残された人が、どう気持ちを整理つけて生きてくのかも考えた。
そして僕は旅に出たくなった。カメラを持って、ひとりで。

The End_1005 東京港野鳥公園 / PLAUBEL makina 670
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