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「岩井俊二 / 番犬は庭を守る」

新刊で出たときに買ってあって、存在を忘れていた。
岩井俊二祭りもあり、ラヴレターを再読した流れもあって、良い機会だと思って。

原子力発電所が爆発し、いたる施設で臨界事故が多発するようになった近未来の物語。世界は放射能汚染により、人間の遺伝子悪影響を及ぼしていた。著しい精子の減少と質の悪化。優良精子保有者は「種馬」とよばれ、その精子は民間の精子バンクが高額で買い上げる。一方、第2次性徴期を迎えても生殖器が大きくならず、セックスすらできない子どもたちも増え、彼らは「小便小僧」と呼ばれていた。そんな世界で生まれた「小便小僧」のウマソーは高校卒業後、警備会社に就職し、市長の娘に恋をする。

世界設定だけ聞くと、荒廃して、無秩序で混沌とした世界を想像してしまうかもしれない。
だけど読んでるとそうでもなくて、現代とそんな変わらないような気がする。
ただ大きく違うのは放射能はだだ漏れでな訳で、みんなそんな世界でも粛々と生活してる雰囲気。
「少しだけ現状と違う」ってのが妙にリアルで、フィクションに思えなかった。

主人公のウマソーという少年。名前が未来少年コナンの子豚を連想させるけど
とても魅力的というか、なんとも身近に感じるキャラクターだった。
大人しいと思えば奇抜な行動にもでるし、優しいかと思ったら急にキレる。いいです。
躁鬱というものでもなくて、とても純粋に正直に素直に生きている少年という感じ。

メルトダウンした施設の守衛をするウマソーだが、あるきっかけで内部に入ることになる。
その施設の中にはたくさんの死体が。これは完全に福島第二原発のオマージュだよな。
放射能が舞い、汚染水に溢れた世界が日常になり、どこか慣れてあたりまえになっている風景が
日本の未来に繋がっているように思えて、少し怖くなった。

一応オフィシャルでは震災前に書いてあった作品を加筆修正して発表、とあるけど、どうなんだろ。
元々映画の企画で書かれたらしいので、これ映像化するのかな、ぜひみたいです。。
世界観としてはスワロウテイルほど荒廃してない未来。でも未来都市でもない。という感じかな?
最近「花とアリス殺人事件」発表されて、また岩井俊二熱があがりそうー。

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The End_ 997 東京港野鳥公園 / Nikon F3

「THE END PHOTO」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph. INTERIOR」「Facebook」
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