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極めて平坦な相づち
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「バーバー」

続いて早稲田松竹二本立ての二本目。モノクロ映画なんだけどカラー映画みてるような気になる。
すごい柔らかくて、昔のモノクロコントラストバキーン。な感じでなく、階調が豊というか
なんていうんだこれ、なんかソフト。調べたらカラーフィルムで撮った物を後でモノクロに変えてるそうだ。
だからどうかは分からないけど、モノクロ映画みてる気はしなかった。とても良い意味で。

カリフォルニアの田舎町、サンタローザで理髪店に勤める無口でチェーンスモーカーの男、エド。平凡な毎日を送る彼だったが、妻のドリスと、妻の上司デイブの浮気に気付き始める。ある日閉店間際に店にやって来た男から、ドライクリーニングの商売を持ちかけられる。男は開業に必要な金を必要としていて、出資者を募っていた。エドは怪しいと思ったがすっかり乗り気になる。彼が金を集める方法は、ドリスとデイブの不倫をネタに恐喝することだった。

静かで、特に前半はアグレッシブな展開もあまりないので、少し退屈な映画かもしれない。
だけど僕は退屈な映画がわりと、というか結構好きなんで。最終的には良い映画だったし。
エドはずっと(本当にずっと!)タバコを吸っている。タバコの煙ってモノクロ映画だと映える。
昔のクリント・イーストウッドもずっとタバコ吸ってたな。あれは時代か。

「インサイド・ルーウィン・デイヴィス」の時にも書いたけど、やっぱりコーエン兄弟映画なので
このエドも、ちゃんとツイてない。自業自得といえばそうなんだけど、やっぱりツイてない。
基本的に悪い人間じゃなくて、どちらかといえば良い人間だということがまたツイてない。
心中お察しします。と心の中で思いながらみていた。

エドはツイてないけど、先見の明も、行動力もあった。だけどなにが足りないのか。
金だ。そして利権だ。それがないとスタート地点にすら立てない。蟹工船か。
前半はまだ均衡を保っているが、後半に急転落する。劇的にではなく静かに急転落する様が面白い。
最終的に「なんでこんなことになったんだっけ?」というエドの気持ちが痛いほど伝わってきた。

僕はスカーレット・ヨハンソンがあまり好きじゃない。
R・レッドフォードの「モンタナの風に吹かれて」で片足を失った少女を演じた時は良かった。
けど、基本的にあまり好きじゃない。この映画も、なんか気持ち悪くて嫌だった。
ベートーヴェンのピアノソナタを弾く少女というのは、とても良かったけど。

te995.jpg
The End_995 材木座 / Nikon F3

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