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会話のインターフェイス
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「岩井俊二 / ラヴレター」

目黒シネマの岩井俊二祭りが無事に終わった頃、なんとなく岩井俊二の小説読みたくなってしまった。
桐野夏生のメタボラがなかなか長くて、いい感じに疲労したので、そのメンテナンスも兼ねて。
岩井俊二祭りでは「ラヴレター」と「花とアリス」だけみなかったので、この小説にした。
昔読んだけど内容は忘れてるな。ってこともで。短いし。すぐ読めちゃいました。

雪山で死んだ婚約者、藤井樹。渡辺博子は彼の三回忌に、彼が中学時代に住んでいた小樽の住所に手紙を送った。「拝啓、藤井樹様。お元気ですか?私は元気です」と。その住所は立ち退きの対象になっていて、今では国道の真ん中になっているはずだった。博子はそれを分かって送った手紙だったが、その住所から返事の手紙がくる。博子は驚きながらも再び手紙を書き、死んだはずの藤井樹との奇妙な文通が始まる。

この作品は本当にシンプルに、良い話だと思う。好きです、シンプルにそう思います。
設定とか、手紙が返ってきた理由とかに「そんなことあるかいっ!」と突っ込みはありますが、すごく良い話。
いなくなってしまった人を想う、残された人の気持ち。心の整理(とても良い意味での)だったり
少しその頃の僕の心情と相まって、感情移入してしまう所もあり、必要以上に感動してしまった。必要以上に感動?

大人になってから甦る初恋の記憶。って設定がこんなに心情グラグラくるとは思わなかった。
しかも当の本人はもうこの世にいない。天国でほくそ笑んでるに違いない。と僕は思う。
いなくなってからもまだこんなに思い出してくれる人がいる、藤井樹という男は幸せ者だな。
藤井樹という人は、不器用で、あまり多くを語らず、少し茶目っ気がある男性。完全に高倉健だ。そして僕と正反対だ。

タイトルの「ラヴレター」返事が来るはずのない人からの返信、そして文通。各々が故人の思い出にふけった文章。
それがラヴレターなのかなと思ったけど違うみたい。あまり書かないけど、図書カードの件はもう泣いてしまってダメ。
ベタといえばベタな話なのよ?だけど岩井俊二って映画も映像も良いけど、文才もあるわなー。と改めて思う。
感動する仕掛けがうまくて、時が経ち届いたこと、その時にはもうその人は居ないこと。もう泣いてしまってダメ。

僕の話だけど、伝えるつもりなく書いたものが、なにかの不可抗力で伝わればいいなと思ったりすること、あった。
余計なお世話好きの無神経な野郎の出現をどこかで待っていた。でもそんな人はいないので相手に届くことはなかった。
そして現在に至るんだけど、残酷なまでに不器用で、無頓着だった愛すべきあの頃の自分に言いたい。
届かない方がいいこともあるんだぜ。と。止まったままの時間の方が良いこともあるんだぜ。ってね。

帯の「想い出にもう一度だけ恋をした」というコピーがまた秀逸。もうギュンギュンきました。
この物語、映画だと中山美穂の一人二役。ちょっと画も浮かんでこないからもう一度みてみようかと思ってる。

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The End_974 西小山 / Nikon D600

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