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無慈悲な言葉
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「藤原新也 / コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」

「ディングルの入江」以来、藤原新也の小説からは遠ざかっていた気がする。ちょっと重かったのかもしれない。
でも最近の自分は少しそうゆう重さを欲してる感じがあり、そんな時に駒沢の素敵な本屋さんで心引かれてしまい購入。
余談だが僕は素敵という言葉を使う男性をいまいち信用してない。けどその本屋さんは素敵としか形容できなかった。
そのくらい素敵な本屋さんです。ヒントは一階が「ナオキ」です。それではどうぞ。

東京メトロのフリーペーパー向けに執筆した14編を集めた短編集。通勤の途中、15分~30分で写真や記事を読み流し、会社に着くと同時にゴミ箱に投げ捨てられたりするもの。そんな短命な媒体に載せる為の、生と死の受け止め方から、小さな小さな幸せを描いたものまで。印度放浪やメメント・モリなどの小説や、写真家としても有名な著者の作品。

天童荒太の「悼む人」をよく話にだす僕ですが、あの小説まではいかないけど「死」に向かい合う文章が目に付く。
藤原新也といえば「死」の話というイメージもありますが、最近の作品はそこまででもなかったかもしれないな。
誰にでも確実に訪れるのにどこか触れてはいけない禁忌の言葉、普遍的ランキングがあるのならば、最高にトップ。
そんな重要テーマを日常で起こったことをふまえながら説いてる。読んでて辛くなる所もあるけど大事なこと言ってた。

「尾瀬に死す」という一節は、もうミステリー映画になりそうなくらいな話。でも現実にこうゆうことがあるんだな。
そして調べたらドラマ化されてるみたいだった。藤原新也の作品が映像化ってすこし意外に感じるけど、みてみたいな。
藤原新也本人の母親の話。メバルの件は感情移入してしまい苦しくなった。母親ネタだけは本当に涙腺が弱くなる。
僕にもいつか訪れるであろう、その時。僕はなにを思うんだろう。今はただ恐怖である。変わるのかな。

その他で好きだったのが「あじさいのころ」と「運命は風に吹かれる花びらのよう」という文章です。
「あじさいのころ」は写真の話。「運命は~」は男と女、そして新しく始まる命の話。
ちょうどそれを読んでいる時に、写真家のリカちゃんが出産に挑んでいた。無事に元気な女の子を出産、おめでとう。
だからというわけではないけど、このお話も重なる部分があり印象深く残っています。

女性は子どもを産むと景色が変わってみえるらしい。人の為に生きるという覚悟がそうさせるのか。
今まで目に入らなかった散りかけの桜が、今までみたどんな桜より美しく見えたりするらしい。
写真を生業にしている彼女の目には今までを違う景色が見えるんだろうか。これから写真が変わるのかな、、
そう考えると少し嫉妬する、うらやましい。しかしおめでとう!関ちゃんおめでとう!これから楽しみです。

話は戻ると全編に「死」というキーワードがちりばめられてるけど「生きる」ということを語ってるかもしれない。
直接的ではないけど、きっとそんな感じ。昔の印度放浪とかもそんな感じだったもんな。表裏一体的な。
著者がいろんな人に聞いた体験談。脚色してる部分はあるだろうけど、藤原節は健在で、やっぱり好きな作家です。
あとやっぱ写真。エピソードごとに一枚掲載されてて、やっぱりいいです。ポジの原色。ぶれぶれでも感じる写真。

以下引用ー
人間の一生はたくさんの哀しみや苦しみに彩られながらも、その哀しみや苦しみの彩りによってさえ人間は救われ癒されるのだという。私の生きることへの想いや信念がおのずと滲み出ているように思う。

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The End_946 駒沢 / Nikon F3

「THE END PHOTO」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph. INTERIOR」「Facebook」
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