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色盲の少年の旅
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「岩井俊二 / スワロウテイル」

僕はこの映画を、岩井俊二作品の中で一番俗っぽい物語だと思っている。いろんな意味で。
岩井作品前期の「映像美」を追求した、、追求しまくったものとは違う、俗っぽい物語。
スワロウテイル後、前に書いた「リリィ・シュシュのすべて」があり、現在に向かっていく。
僕の中では前期と後期を分ける作品です。どちらが好きか、と聞かれたらどっちも好きです。

「円」が世界で一番強かった時代。お金を求めて日本には外国人が集まってきた。日本人はその街を「円都 -イェン・タウン- 」と呼び、そこに住む違法労働者を「円盗 -イェン・タウン-」と呼び卑しんだ。その街に、娼婦の母親が死んで行き場がなくなった少女がいた。母親の同僚にたらい回しにされる中、ある娼婦グリコの元に引き取られることになる。グリコは胸の谷間に蝶のタトゥーを彫り、美しい歌を歌った。そしてグリコは今まで名前を持たなかった少女に「アゲハ」という名前を与えた。

僕は岩井俊二を、映画監督として好きなのか、映像作家として好きなのか、分からない。
どっちも少しずつ好きだし、どっちも少しずつ好きじゃない。でも相対的にみると大好きで、ファンなんだと思う。
なんか曖昧な意見ですが、ただ、この映画だけは岩井作品の中でも異質な作品だと思っている。
何度もみてるから好きなんだろうけど異質です。よくいえばエンターテインメント。悪くいえば商業主義なのかも。

映画としては物語も設定も映像も俳優も音楽もすべてマッチしてて、すごく質の高い完成された物になっている。
そしてそれは当たり前のようにヒットし、スワロウテイル信者なるものも現れ、どこか神格化された。
僕も何回もみてるし、何回もみたいと思うので、大好きな映画なんだと思います。ただ、この物語ってどうなんだ?
落ち着いてみてみると、特に魅力的な話に思えないのだ。いろんな演出でごまかされているだけで。

僕の性格は素直からかけ離れ、なるべくシンプルに、余計な物をそぎ落として、根幹を探しながら物事をみてしまう。
グリコの過去も、伏線回収も、アゲハの葛藤&昇華も、フェイ・フォンの優しさも、ぜんぶ納まって素晴らしい映画だ。
何度もいうけどまたみたいと思うし、みるんだろう。だけどなにがいいたいのかは、実際よく分からんかった。
すべてうまくいってるのになにか釈然としないこの気持ち。不思議な映画。でもまたいつかみるんです。不思議。

この映画を「雰囲気映画」と格付けする人もいるけれど、僕も賛同しちゃうかもしれない。
その言葉だけ聞くとあまりいい意味には聞こえないかもしれない。でも僕の場合はいい意味です。
ここまで雰囲気作れるってすげえことだし、何度も何度もいうけれど、大好きな映画なんです。
だけど性格上、どこかにメッセージや哲学めいた物を探してしまうというだけ。しいていえばフェイ・フォンかな。

「リリィ・シュシュ」の時にも書いたけど、アゲハ役で伊藤歩が出演しています。
みていると、まだいたいけな少女。って印象だけど、確か僕と同じ歳だったはず。ということは当時16歳。
それであの存在感。CHARAを初めとする濃いキャストの中で光ってます。それはファンだからそう見えるのかな。
テレビみないから分からないけど、今どうゆうポジションの女優さんなんだろ。いろいろみてみたい。

基本グロ禁止、な僕なので、痛い&気持ち悪いシーンには毎回辟易してしまいます。
とりあえずそうゆうシーンがあることを知っていれば、目をつむって対処すればOKです。完全に女子な感じです。
休憩挟んで6時間弱。お尻はけっこう痛かったけど、好きな映画なので苦痛ではなかった(時間が長く感じなかった)
この映画公開が18年前という事実。本当に時間は暴力的だけど、時間が経ち良くなることも多いので、いいのです。

僕は岩井俊二を、映画監督として好きなのか、映像作家として好きなのか、分からない。と書いたけど
小説家としての岩井俊二が一番好きかも。すごく文才のある人なんです。中でも「ウォーレスの人魚」という小説。
アルフレッド・R・ウォーレスという、ダーウィンの進化論の影の立役者の小説が秀逸です。
現代版、人魚伝説。ぜひ機会があれば。僕も再読したい。

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The End_943 古市場 / Nikon F3

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