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むね高鳴るできごと
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「村上春樹 / 女のいない男たち」

東京奇譚集のあと9年ぶりに刊行された村上春樹の短編集。発売日に買って、早速読んでみた。
「色彩を持たない〜」は発売から少し置いたけど今回はすぐ読んだ。短編だからかタイミングなのか。
内容はどれもそれなりに短くて、それなりに長い。消化不良にならず文字を追うのにも疲れない、ちょうどいい長さ。
なのですぐ読み終わってしまった。とてももったいない気持ちでいっぱいでしたが、それはもうしょうがないことです。

読んでいて率直な感想は、昔の短編とは全然違う。かな。いい意味でも悪い意味でもなく。
東京奇譚集あたりからそんな感じはしていた。こないだの「恋するザムザ」とかも。
それは短編に限らず長編でも言えることだけど、短編に限っていえば僕はどちらかというと昔の方が好きです。
長編は昔も今のも好きです。なにが違うのか、難しいことはわからないけど、単純に昔の方がファンタジーだからかな。

僕は村上春樹を、ありえない話をしごく現実的に聞こえるような文章をかく。というのにとても秀でた人だと思っている。
だってありえないことが普通におこるじゃない?しかもなんか普通に納得しちゃうじゃない?
思い返したら突拍子もない話なのに、どこか現実的な感覚。それがもう好きで。
昔の短編にはそうゆうのが多かった気がする。なんでもないんだけど不思議な世界。

村上春樹の短編で一番印象に残ってるのは中国行きのスロウ・ボートに入ってる「最後の午後の芝生」という話。
これは今でもありありと情景が想像できる。あの狂ったように暑い夏の午後。青々しい芝生。
とても日常でとても非日常な不思議な話だった。今作集はそうゆう「物語」というよりもつらつらと文章が続く感じ。
最近の兆候なのかな。分析めいた、心の奥底を探るような文章。何度もいうけどこれはこれで好きです。

前に「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」という対談集の中に出てきた話に繋がるのかな。
コミットメントとデタッチメントという話。とても面白い話だった印象。
初期の彼の作品は長編短編に限らず、デタッチ(関わりのなさ)している方向らしい。
だけど最近の作品はコミット(関わり)してるそうだ。その現れということなのかな。わかんないけど。

僕が一番好きだったのは表題作の「女のいない男たち」です。
深夜に電話のベルが鳴った。その電話は昔付き合ってた女の子の夫で、その女の子が自殺をしたという報告の電話だった。
この短編だけ、さっき書いた「昔の村上春樹の短編」っぽい雰囲気をはらんでいたような気がして。
それか、急に電話がかかってくる始まり方が好きだったのかも。パスタはゆでてなかったけど。

はやく新作長編でないかなー

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The End_935 羽根木 / Nikon F3

「THE END PHOTO」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph. INTERIOR」「Facebook」
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