DATE:2014/03/31(Mon) 13:12 No.1386

「楽園からの旅人」
イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ作品。といってもまったく存じ上げません。
イタリア映画監督といえばF・フェリーニとM・アントニオーニしか知らん。
早稲田松竹に青山真治特集「Helpless & 共喰い」をみにいった時、予告で少し興味あったのでみてみた。
結果としては、とても古風なイタリアを撮る人だなという印象。とても良い意味です。
取り壊し予定の教会に残っていた司祭。ある雨の夜、彼のもとにある男が家族を連れてやってきた。彼らは不法入国者で警察に追われる身だった。その後教会には同じような境遇の人たちが集まりだした。中には老若男女、イスラム教徒や妊娠中の女性など、ありとあらゆる人間が助けを求めていた。
これはすごくカトリック的な映画。そして考えれば考える程つらい映画。
ぱっとみ不法入国者の方が厳しい立場で、可哀想な、慈悲のない立場のようにうつる。
だけど、老いた司祭は教会を守れないことや、境界に助けを求める者を救えないことで苦悩する。
一番救われていないのはこの老いた司祭なのかもしれない。
この映画を見て、学校を卒業する時、恩師と呼べるであろう先生にもらった本を思い出した。
撤去が決まった教会は世界の縮図のようだった。その中で助けを求めている人々。
色々な人種、宗教感、男女、老人、子ども。そして新しく生まれる命と、死んで行く者。
劇的な動きのない物語だったけど、しっかり心に響いた。ぼくはやっぱりこうゆう映画が好きみたいだ。
しかしこの映画、みにいったのけっこう前の事。
少しばたついています。

The End_922 駒場東大前 / Nikon F3
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