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エブリバディ・サッド
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「地球で最後の二人」

北九州サーガ三部作も終わり、僕の中で浅野忠信熱が上がりました。
10代の頃からファンなのでだいたいの作品はみてるべ。と思ったら、いろいろみてなかった。
その中のひとつ。浅野忠信はこの作品でベネチア映画祭で主演男優賞を取っている。
ペンエーグ・ラッタナルアーンというバンコク生まれの監督の作品。これが最高に最高だった。

タイの日本人交流センターで働くケンジ。彼は極度の神経症で、潔癖症。そして自殺未遂常習犯だった。まさに今、首を吊ろうとしていたケンジの部屋に兄のユキオが訪れる。ユキオは暴力団の組員で、日本で起こしたトラブルから逃げる為、バンコクに身を隠していた。ある日ケンジは仕事場で日本の女子高生が着るセーラー服姿の女性を見かける。彼女は熱心に一冊の本を読んでいた。その本は地球上で最後の一匹となった、ヤモリの悲しみを描いた物語で「さびしさの彼方を」という絵本だった。

監督のインタビューを読んで彼はこう言っていた。
「この映画を好きだと言う人は変わっている人だと思います。嫌いという人が普通だと思います。」だって。
ぼくは最高に好きな映画でした。笑。たぶん僕の好きな映画ベスト10に入ると思う。たぶん。
物語も、映像も、音楽も、全部。DVD買おうと思っているくらい好きだ。

まず主人公のケンジが最高に変人。同じ名前というのをこれほど誇りに思ったことはない。
自殺未遂常習者だから、どんどん自殺しようとする。でもいつも自殺できない。多分本気で自殺する気がない。
そして神経症的な潔癖症。物も洋服も食べ物もすべて、気持ちいい程の潔癖症。そして最高に人見知り。
僕に自殺願望はないけど物ではなく人に対して潔癖な人間だし、人付き合いも苦手。そうゆう意味で感情移入した。

この映画は孤独をとことん描いた物語で、その事に共感するけど、たぶんこれは誰の心にもある感情だと思う。
自殺を繰り返すのもきっと孤独だから。だけどほんとに死んだらもっと孤独なのは自分が一番分かってて。
しかもその孤独は「人と距離をおいている」自分が作ってるものだから、もうどうしようもないのも分かっている。
言葉にはしないけど、その事を自覚しているからこそ、この絵本の内容に興味を持ったんだと思う。

物語に出てくるケンジと同じく、天涯孤独のノーイという女性。ケンジは彼女に愛を求めたんだと思う。
この性格から生まれるどうしようもない孤独を、なんとかして欲しかったんだ。他力本願だけど。
僕はそのことにものすごく共感するのだ。だってどうしようもないんだもん。
あきらかに汚い風景を眺めて美しいとつぶやく。悲しい?という質問に対して、みんな悲しいでしょ。とつぶやく。

以下絵本の中の文章を引用ー
嫌いだと思っていた物を失って一人になるくらいなら一緒にいた方がいい。
独りぼっちよりも嫌いなヤモリに囲まれた方がましだ。

絵が最高に格好いいな。と思ってたら、撮影はクリストファー・ドイルだった。
ウォン・カーウァイの恋する惑星やブエノスアイレスの撮影した人。納得してしまった。
映像みてて、ワンカット事にドキドキした。構図のバランスも、トーンも、なんかもうドキドキする。
どのシーンを切っても絵になるというのはキューブリックの映画で言われてるけど、この人の撮ったのもすごく好き。

終わり方もすごく好きです。言葉にしないでも伝わる孤独感。人生の悲壮感。
ちょっとこれDVD本当に買おうかな。今度の事務所で映画上映大会は、この作品にしようかな。と思う。

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The End_918 羽根木 / Nikon F3

「THE END PHOTO」「PHOTO ARCHIVE」「Trinograph. INTERIOR」「Facebook」
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