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プリ・ドーン
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「共喰い」

んで共喰い。北九州サーガから一度外れてしまいますが、これも青山真治作品。
青山真治特集という素晴らしい試みをする松田松竹のラインナップはすごくいい。もっと近くにあればいいのに。
原作は田中慎弥、芥川賞受賞作。会見でなんか機嫌悪かった人だよな。あれなんだったんだろうか。
原作読んでないけど、映画の結末はオリジナルなんだそうだ。

下関に住む17歳の少年、遠馬。父親と継母の3人で暮らしているが、実の母親ジンコも近所で魚屋を営んでいる。ジンコは戦争で右手首より先を失っており、義手を付けて生活している。父親には暴力的な性癖があり、結婚時にジンコはその事に気付かずにいた。しかし遠馬を出産後、子どもを残して家を出て一人で生活し始める。遠馬は父親の事を軽蔑しながらも、同じ血が自分にも流れている事に強く劣等感を感じていた。

R15指定の映画で性描写は多いです。あまりすすめにくいかもだけど、僕は自信持っておすすめします。
とても良い話とは言えないし、気分を害される人はいるでしょう。いや多いでしょう。でもおすすめします。
人間の汚い部分と、綺麗な部分が両方描かれている。そして暴力と性。極端な話ではなく誰にでもありえる話。
僕の事じゃないけど、もしかしたら僕だったかもしれない。とても普遍的な話だと思います。

昭和63年、平成になる直前の設定。場所は下関。田中慎弥が下関出身というのもあってか。
下関というだけで、僕は自分の父親を思い出さないわけにはいかない。僕の父親も下関生まれ。いわゆる西の人。
そして僕は西の方の男性が、すごく、ものすごく苦手だ。ステレオタイプな意見という事も分かっている。しかし苦手だ。
言葉遣い悪いくせに、口は上手く、頭も良い。だけど都合が悪くなると怒って終わり。。

僕の父親にそれが全てあてはまる訳ではないけど、その気はある。
そしてその血はしっかりと僕にも流れているんだろう。いやだなあ。。歳とったら出てくるのかな。もう出てるのかな。
この物語ほどその事を忌み嫌ってる訳ではないけど、どこか共通点めいた物を感じてしまい感情移入した。
気持ちわかるぞ、少年!と思ってみていた。

「母さん、なんで僕を生んだのですか?あの男の血をひく僕を」というセリフが印象的でした。
形は違えど、僕もこの頃「なんの為に生まれたんだ」とか考えても分からない事で葛藤していた。
今もか。今もかもな。。ジンコは「この世にあの男の子どもは二人もいらない」とかわりと酷い事をさらっというけど
遠馬を一番愛していたのはやっぱりジンコだった。いつでも男はだらしなく女は強いのだ。それは子どもの世代でも同じ。

後半、ヘドが出るほどに嫌悪感を抱くシーンがあります。殺したくなるほどの嫌悪感。
木下美咲という女の子がすごい熱演。でした。そしてやっぱり光石研の存在感。なんかもうすごい。
昔の青山真治映画ほどゴリゴリしてないけど、静かな、ほの暗い絵はすごく好きでした。
暗いシーンでもノイズとか全然でないもんな。それが良いんだか悪いんだかは色々あると思いますが。

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The End_910 多摩川 / Nikon F3

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