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午前中から今日という一日を諦めないように
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「ふがいない僕は空を見た」

前にも書いたけど、新作がでたらすぐに買おうと思ってる作家は村上春樹と窪美澄さんだ。
その窪さんの原作の映画化なので、はやくみなきゃと思ってたけど、映画化に対すると恐怖感があって。
好きな原作が映画化されるとことごとくガッカリしてる。映画の方が良くなったことなんてほとんどないと思う。
でもちゃんとみなきゃと思ってて、、いざみてみたら波平な言葉ですが、今年一番心が動いた作品になったかも。

高校生の卓巳は母子家庭の一人息子。母親は自宅で助産院を営んでいた。卓巳は友人に誘われて行ったアニメの同人誌イベントで、あんずと名乗るコスプレ主婦と知り合いになる。あんずは卓巳を自宅に連れ込み、大好きなアニメキャラのコスプレをさせて性行為をするようになる。あんずは夫と二人暮らしだったが、執拗なまでに子どもを求める姑のプレッシャーからか妊娠せず、嫁としての立場を失っていた。

原作がすごくよかった。というイメージと、おおまかなあらすじ以外をいい具合に忘れてた事。
そして監督のタナダユキがわりと好きだという事。主演?の田畑智子という女優さんがすごくよかった事。
なんか全部がいい方にいって、すごくよかった!なんか安心した!みてよかった!
タナダユキ監督は「百万円と苦虫女」をみた事くらいしか知らない。暗い所は本当に真っ暗。フィンチャーみたい。

前にも書いたけど、僕の同世代の女性はまさに今、子づくりで悩んでいたり、育児でてんやわんやになっている。
ご存じの通り僕は全く縁がない話だけど、客観的にみていると大変そうで、楽しそうで、一生懸命生きてるなと思う。
この物語は不妊の問題だけではなく、ネット社会、格差社会、いろんな現実を突きつけて、一つの物語に結ばれてる。
みんなかっこ悪くてのたうちまわって、泥まみれになってたりもするけれどそれでも死なないで生きる。ということ。

不妊や不妊治療の話。やっぱりどこまでいってもナイーブな話で、男性の僕にわかる事なんてほとんどないと思う。
「女性って大変だな~」というお気楽な言葉にしかならくて本当に申し訳ありませんが、男性としてのシンプルな意見。
授かったことは素直に喜ばしいこと。でもできなかったからといって不幸と決めつけるのはなんか違う気がする。
しかし姑や親族のプレッシャーやストレス。そら出来る物もできなくなるわな。

そうゆう時日本人はふさぎ込んでしまって悪循環をおこすようなイメージがある。メンタルデフレスパイラル。
もちろん開けっぴろげに話せる事ではないんだろうけど、ナイーブな事をナイーブに隠そうとしすぎな気がする。
近くになんでも話せる人がいればいいけど、この時代ふさぎ込んで一人で考えてる女性も多いんだろうな。
僕はそうゆう相談をたまにされる。あまり気の利いた事は言えないけど、話は聞くのでなにかあれば連絡下さい。

そしてこの物語は高校生の卓巳と、主婦のあんず以外に、卓巳の同級生の良太くんの存在を無視できない。
彼は借金を抱えたまま別の男と住んでいる母親を持ち、バイトをしながら痴呆症のばあちゃんの面倒をみている。
第三者の力が必要だったかもしれないけど、多くを語らず文句の言葉も出さずに将来をみる彼はすごく偉いと思った。
個人的には「晴天の迷いクジラ」の由人くんに匹敵する好印象キャラだ。僕は這いつくばってる人が好きみたい。

しかし良い映画だった。最初に言っておくけどこの映画は性的なシーンがいっぱいです!エロくはないよ。エロいか。
原作も読んだときびっくらした。エロくて。最初に書いたけどいい具合に忘れてるので再読してもいいかも。
最後の方に出てきた言葉。「僕たちは、僕たちの人生を、本当に自分で選んだか」すっごく心に刺さってしまった。
それと最後の出産のシーン。すごい臨場感だったけど、あれ本当に出産してるの?どうなんだろう。

窪美澄さんは10月17日に短編集がでるみたいです。タイトルは「雨のなまえ」だって。いいなあ。楽しみです。

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