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人の心と人の心は、傷と傷によって深く結びついている
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「村上春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

遅ればせながら読み終わりました。ひとことで言うと、すごく良かったです。
今まで彼の小説を読むとメンタル面でなにかごっそり持っていかれ、いわゆる喪失感が残る事が多いんだけど
今作はそんな事なかったうえに、なんか応援ソングに取れてしまってさ、少し元気になったくらいです。
この腐った希望のかけらも何もない世界だけど、頑張って前向きに生きていこうと思った。といったら言い過ぎか。

東京の鉄道会社で駅の設計を仕事にしている多崎つくる36歳は、16年前の20歳の頃に「死ぬことしか考えない」という半年間があった。つくるは名古屋の公立高校に通っていて、そこで知り合った同級生5人ととても仲の良いグループになる。それは「乱れなく調和する共同体みたいなもの」と表現された関係だった。高校を卒業したのち、つくる以外の4人は名古屋に残るが、つくるは東京の大学へ進学した。それでも年二回の帰省時にはいつものように「乱れなく調和する共同体みたいなもの」の仲間に加わっていた。しかし大学二年の夏休み、いつも通り帰省した時に彼らの態度は急変していた。

村上春樹の小説ではたぶん珍しい事だと思うけど、自分の事を「おれ」と言ってた。
ツイッターとかフェイスブックとか、なんか俗っぽい単語が多かった気もした。
羊たちの沈黙やスターウォーズ。挙げ句の果てにはマリメッコやムーミンまで出てきたり。
今までの村上春樹の小説ではあまりなかった感覚が多かった。全然悪い意味じゃなくて新鮮だった。

村上作品では毎度の事だけど、批判もすごく集まってるみたい。批判が多いのはそれだけ注目されてる証拠だけど
毎回文句言ってる人達ってなんなんだろう。普通に嫌いなら読まなきゃいいのに文句をたらたら言ってる。
「世の中の大抵の人間は文句は言うが、それは本気じゃない。習慣的にぶつぶつこぼしているだけだ」
と作中に書いてあった。物語のうえでは全然違う意味で書いてあるんだけど、皮肉めいてたのかな。なんかいいな。

それではこの小説を読んで僕的な見解。。僕は頭が良い方ではないので難しい事は分からないけれど、普通に感想ね。
ネタバレにならないように書くつもりです。といいつ、ついきなりですが最後のページの文章には感動しました。
伏線とまで言えるのかはわからんけど、フィンランドの湖畔から繋がった物語の流れは素晴らしいと思った。
フィンランドに住む女性とのやりとりが素晴らしく、フィンランドの情景描写もなんか哀しくて、美しくてよかった。

この小説と震災との関係性を分析してる人もいたけど、僕はそんなに感じなかったな。
そうとればそうかもしれないし、そうじゃなければそうじゃないような感じだ。すばらしく普遍的だ。
でも「避けられない現実」とか「人間関係の再生(復興?)」とか言われると関係あるような気もする。
この小説を読んで応援ソングみたいと言ったけど、そうゆう意味での応援ソングだったのかも。わからん。

ネタバレになってるのかな。一応気になる人は読まないで下さい。読んでみた感想を一気に言うと、、

「世の中色んな事が急に起こるけどそれもしょうがない事かもしれないし、あんまり考えすぎない方が良いよ。でもね、人生にはハッキリしないと前に進めないこともあるし、解決しようとする勇気って必要なんだよ。そしてきっと過去に僕の身に起こった事は、偶然でもあり必然でもあった訳だ。あの時の素晴らしい過去は過ぎ去って二度と戻れないかもしれないけど、すべてが無くなった訳ではないんだよ。だからそんなに悲しまないで前を向いて歩いて行こうぜ」

と言われた感じでした。すばらしい小説だった。そして同時に、、、

僕らは生まれてから今まで、平等に時間というものを与えられている。そして終わりも決まっている。いつも言ってる事だけど、その制限された中で見たもの、読んだ本、感じたもの、作ったもの、発した言葉、全ての物事が自分の中で記憶となり積み重なる。その記憶は同じくらいの速度で忘れていってしまうけど、少なからずでも残っているものはあってさ、そうゆうもので自己が形成されていくんだと信じている。生きてるとしょうがない事や、どうしょうもない事はすごく多いけどその辺を意識しながら単純に自分がやる事を続ける。っていうシンプルな事だけにして、ゆっくり前に進めばなにかしらの答えは見えるよ。と改めて思ったにのだ。

これを機に村上春樹熱が上がり、1Q84再読かな?と思ったけど違うのを読んでいる。
まだBOOK4が出そうと思っていて手が伸びないのです。

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Comment

とりの

2013/09/06 12:12 ・・・EDIT

  確かに!!

kpita

2013/09/04 15:45 ・・・EDIT

  グッケンハイムの逆アングル!


 

 

 

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