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スティービー・ワンダーの腕時計
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「村上春樹 / 使い道のない風景」

夜中、自宅でパソコンをいじくってるとき、何かの気配を感じて本棚に目をやると一冊だけ飛び出てる本があった。
隣の本を出すときに一緒に飛び出てしまったんだろうけど、今まで気づかないで昨晩気づいた。
それが村上春樹の「使いみちのない風景」という本。小説ではないけど、もしかしたら彼の作品の中で一番好きかも。
読み直すと文章もそうだが稲越功一という人の写真がすごく良い。前に見た時はそう思ったかな?写真って不思議。

パクりと言えばパクりなのかもしれないが、僕のブログのサブタイトル「僕のいない風景」です。
それはこの本のタイトルからきている。単純なもじりではなく、ちゃんと意味も含めてる、、んだけどね。
そのくらい好きな本っちゅー事だ。その本が、飛び出てた、本棚から、ある雨の、夜に。
本の内容は著者が「旅」について書いた短い文章が三編。それと写真。それだけだけどすごく好きな本です。

仕事で事務所を構えてからはめっぽう機会は減ってしまったけど、僕も「旅をするくちの人間」だったと思う。
「旅行」じゃなく「旅」この定義については色々ありそうなので、会った時にお菓子でも食べながら話しましょう。
今でも人には旅が必要だと思っている。日常で細かいオンオフはあるけど、大きい意味でのオンオフも必要という事。
そのスイッチは旅というものでしか切り替わらない気がする。他にある?あったらぜひ教えて欲しいな。

旅をすると心をえぐられるような風景に出会うことがある。それはすごく個人的であって、共有なんてできないもの。
さらに刹那的だと思う。だからその一瞬の感情を忘れないように、写真に撮ったり、文章にしたりいろいろするんだろう。
でも、なにをしても、きっとその時の一瞬の感情は永遠に戻ってこないし、二度と感じられるものではない。
、、そう思いつつもどこかその事が寂しかったりする。もちろんできるならば共有もしたいと思った。

それはもしかしたら若さゆえの強欲さだったのかな。なんでもかんでも欲しがっていたのかも。
この本はそんな僕の言葉にしづらい気持ちを、うまく書いてくれている本です。そして、それでいいんだと言ってくれる。
小説家って本当に素晴らしい!そういや前に風景について書いたな。。と思ったら、田口ランディの本を読んだ時だ。
今そうゆう風景に出会ったら、僕はどうゆう風にその景色を受け入れるんだろう。想像するとワクワクする。

なんとなく考えてるんだけど、今年の夏は西へ向かおうと思う。できればひとりで。
観光客がいなさそうな海の近くとか。フィルムのカメラをどれかひとつだけと、文庫本を持っていきたい。
その小説は、できれば儚くて切ない物語が夏っぽくていいんでしょう。今から探さなきゃ。
欲張って色んな場所を巡り、疲れてしまう旅はもうお終いなんだと思う。僕もそんな年齢みたいです。

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The End_766 若林 / Nikon D600 「tumblr」「THE END」「Trinograph.」「Facebook」
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