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海に降りそそぐ雨
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「村上春樹 / ダンス・ダンス・ダンス(下)」

最後まで読み終わった。結果から言うと、やっぱりポカーンとしたよ。読破感もありで。
風の歌を聴けから読み直してきたけど、思い返してみると結構時間かかったなあ。という印象。
前にはまったときはもっとのめり込んで読んでた気がする、10年前。ぎゃんぎゃん読んでたもんな。
歳をとったのか、単純に仕事が忙しかったのか、自分の時間が減ったのか、時間の作り方が下手になったのか。

母親においてきぼりにされた、13歳のユキと一緒に札幌から東京に戻ってきた「僕」は、たまに映画俳優の五反田君や、ユキらと東京で会い、来るべき時をただ待っていた。ある日ユキの提案で母親が滞在するハワイに同行することになる。休暇を楽しんでいた僕だが、ホノルルのダウンタウンでずっと探していた「耳の美しい女」を見かける。車をほっぽらかして追いかけた先の、とある雑居ビル。その中で僕は6体の白骨死体を発見する。「耳の美しい女」は僕に何を伝えようとしてるんだろう。その後、僕は東京に帰ることになるが、そこから物語は怒濤の展開をみせる。

上巻から個性的なキャラクターが多かったけど、下巻もいろんな人が出てきた。
ユキの母親アメ。アメの恋人で片腕の詩人、ディック・ノース。高級娼婦のジェーン、文学と漁師。。
いろんなキャラクターが出てきて、そして彼らは少しずつ物事に関わってくる。それはもう暗示的に。
そしてそしてドルフィンホテルの従業員の女の子「ユミヨシさん」。。

、、相変わらずネタバレしています。ネタバレになるのかな。でも一応。

羊をめぐる冒険までの話で「僕」は喪失し続ける。そして今作もやっぱりいろいろ失ってしまう。
だけどすべてではない。結果的にはハッピーエンドなんだろうと思う。珍しいのかな?そんな気もする。
なかでもユミヨシさんと、ユキに関してはすごく良かった。安心した。すごく魅力的な二人だった。
中でも僕はユミヨシさんに恋をした。好きになってしまったのだ。メガネのブリッジを上げる癖とか、大好きだ。

最後になにか一つを守れた僕は「社会」と「自分の世界」の関係性を回復しているんだと思った。
今までの鼠や、耳の美しい女、羊男とのやりとりは、完全に内的な話。深層意識ってゆうの?ま、そうゆう話。
インにインに。メンタル!自己!な話。だけどユキとの話はあくまでも外に向けた話だ。
だからユキはすぐ「あなたって変な人ね」と言うんじゃないかな。ユキもじゅうぶん変な人だけど。。

物語は村上春樹的な「現実と非現実」を行き来するが、最後はうまくダンスのステップを踏めたんだと思う。
そして羊男も、うまいぐあいに結び直せたんだ。そして僕は社会にとどまる決断をする。
それは力に満ちた決断によるものなんだけど、少しだけ切なさを伴ってる所がグッときた。
社会の仕組みがだんだん分かって来て、整理をつけてしまっている自分に腹が立つような気持ち。

引用
嫌でもみんな成長するんだ。そして問題を抱えたまま年をとってみんないやでも死んでいくんだ。昔からずっとそうだったし、これからもずっとそうなんだ。君だけが問題を抱えているわけじゃない。僕は顔を上げて、枕もとの目覚まし時計の針が現実の時間にあわせてゆっくり回転するのをじっと見ていた。少しずつ少しずつそれは前に進んでいた。現実だ、僕はここにとどまるのだ。

これを機に他の作品も読み直そうと思ったけど、他にも読みたいのがたまっているのでやめた!
前ほど病まなかったぞ!と言うわけで、村上春樹スイッチ、OFF!

かっこう。

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