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ナイーブな肉屋のナイーブなハム
ちょっと村上春樹スイッチが入ってるとはいえ、村上春樹のこと書きすぎだけど、、
昨晩のノーベル文学賞落選のはなし。複雑な心境だと書いたけど、落ちたら落ちたでなんか悔しかった。
本当にないものねだりだけど、まあまた来年も候補にあがるんだろうな。毎年恒例になりそ。
あれ?ノーベル賞って毎年だっけ?ま、いいや。

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「村上春樹 / 風の歌を聴け」

最近はなんか「ちゃんとした物語」と言ったら語弊がありそうだけど
なんつーかエンターテインメント小説を読んでいたと思う。東野圭吾とか米澤穂信とかさ。
そうゆうのに飽きてしまって、心えぐられる小説が読みたくなった。
でお風呂入る前に本棚みてたら村上春樹、、でもコレを読んだら「僕と鼠もの」が始まってしまう。。
と、すこし悩んだけど、始めちゃった。今、心えぐられています。

言わずと知れた村上春樹の処女作。東京の大学に通う「僕」は夏休みに海辺の街に帰省する。友人の「鼠」とジェイズ・バーでビールを飲みながら退屈な日々を過ごす。ある日酔いつぶれた小指のない女の子を助けて、家まで送っていった僕は痴漢と間違えられる。数日後高校時代のクラスメイトから借りっぱなしだったビーチボーイズのLPを買いにいったレコード屋で小指のない女の子と再会する。

単純な感想はすごくすごく懐かしかった。
処女作という事だからかな、今の村上春樹作品よりも格段にセリフがクサイ。
それが嫌いで村上春樹は苦手という人は多いんだけど、僕は平気だな。
僕自身がそうゆうクサいセリフを使う訳では全くなく、、

全てのシーンが断片的すぎて、物語とはあんまり言えないかもしれない。
良く言われるけど村上春樹の小説に共通するものがあるとすれば「喪失感」というのがある思う。
出てくる人はみんな何かしらを失っている。その喪失をランダム感のあるエピソードの積み重ねと
最後の最後のオチで表現してるんだと思う。読み手の方も読み切ったら少なからずなにかを失っている。

その感覚が僕は大好きなのだ。読む前と読んだ後では少しだけ違う人間になっている。
喪失感ランキングで言えば、ねじまき鳥クロニクルが僕の中ではトップだな。
喪失したい人はぜひぜひ読んでみてください。

巻頭に出てくる、デレク・ハートフィールドという架空の作家。
右手にヒトラーの肖像画、左手に傘をさしたままエンパイアステートビルから飛び降り自殺する。
どこにも架空の人物という説明がないので、実際の人物だと思うのが普通だよな。
あれはなんの意味があったんだろう?ノーコメントフジタくんはどう思うんだろ。

次は1973年のピンボール!

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The End_614 羽根木 / Nikon F3 「Trinograph.」「tumblr」「THE END」「Facebook」
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