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アフリカに落ちる気球の夢
ちょっとお休みしています。

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The End_1626 砧公園 / PENTAX67(これ撮ったのもしかしたらケインかもしれない)

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あなたの知らない世界
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The End_1625 おおおおかやま / PENTAX67

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橋のうえで会いましょう
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「クエンティン・タランティーノ / イングロリアル・バスターズ」

何度も言うけれど、僕はグロが苦手だ。
タランティーノのグロはいわゆるグロとはちょっと違うかもしれないけどやっぱり苦手は苦手。
そして今作は、ナチス占領下のフランスでナチ殲滅作戦をくりひろげるアメリカ軍中佐ってテーマなので
明らかにグロ必至!なのでみてなかった。でも最近お熱いレア・セドゥ出てるっていうから、それだけでみてみた。

1941年戦時下。フランスの田舎町のある農場を訪れるナチスのハンス・ランダ大佐がいた「ユダヤ・ハンター」の異名を持つ彼は話術で農場主を追い込み、床下にユダヤ人を匿っていることを白状させる。ランダ全員殺そうとするが、少女ショシャナだけは銃弾を逃れて逃げ去った。その頃ヒトラーは「イングロリアス・バスターズ」と呼ばれる連合軍極秘部隊の存在に苛立っていた。彼らはユダヤ系アメリカ人を中心にしており、組織を率いるのはアルド・レイン中尉だった。彼はカリスマ的な指導力を持ち、血気さかんな部下たちと共にドイツ軍に恐れられていた。

まあ想像通り辛かった。後半はそうゆう描写が少なかったけど、前半はいろいろと見れないシーンはあった。
だけどこの映画、それ以上に面白さが先行しました。これでつまらなかったら辛いだけです。
まず冒頭の農場のシーン、最初から異様な雰囲気に包まれる。牧歌的な風景に一滴だけ落とされた黒い染みのようにランダがやってくる。
この農家の家族の中にレア・セドゥがいるんだけど、あんまり写らない。セリフもほぼない。もう全然足らない。でもかわいい。

この悪役、ハンス・ランダ大佐がすごく良くて、本当に異様な怪しさと緊張感を持っている。ブラピより存在感あったかも。
クリストフ・ヴァルツという俳優さん。この人「007スペクター」の悪役の人。やっぱり筋肉隆々で強面のいかにも悪役という人よりも
こうゆう小柄で、ぱっとみ良い人風な人の方が怖い。特にこの人は、笑い方がすごく怖い。
それは「スペクター」でも今作でも共通して言える事です。もしかしたら現実社会にも、ね。

最初の農家が1幕。2幕はイングロリアスバスターズの紹介、3幕はショシャナのその後、4幕が計画、5幕が結果。って感じでポイポイ進みます。
3幕からはもう本当にポイポイと進むので、自分がグロ苦手なんて事すら忘れてたかもしれない。やっぱりたまに辛いけど。
酒場の心理戦もすごく緊張感あってハラハラする。あの全滅感は「トゥルーロマンス」っぽいなと勝手に思っていた。
ナチのプロパガンダ映画の上映会もいろんな人の思惑があって面白い。中でもやっぱショシャーナはね、、いろいろと考えさせられます。なぜためらったのか。

ショシャーナ役のメロニー・ロランという女優さんが、これまたかわいい。
「オーケストラ!」の時のブログにもかわいいと書いていた。僕はいつまでも同じようなことを言っている。
「イングロリアル・バスターズ」もこの時同じような事を言っている。3年前。やっとみましたよと当時の僕に言いたい。このブログ便利だな。
しかしこの映画をレア・セドゥ祭りにカウントして良い物か。最初にちょっとしか出てないのにクレジットされてるなんて。

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The End_1624 ガス橋 / PENTAX67

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タウンページ戦争
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The End_1623 羽根木 / Nikon D610

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花畑 x アイドル = 家族
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The End_1622 テラリウム / Nikon D610

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たっぷりと水を飲みなさい
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「アマデウス」

ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルトの一生を描いた映画。ディレクターズカット版は3時間の大作になっています。
実は僕は柄にもなくクラシックを聴く人なのです。もちろん全然詳しくないし、メジャーなものしか聴かないんだけど、好きなのです。
ただモーツァルトよりベートーヴェンの方が分かりやすくて好きだし、カラヤンよりは、ベルリンフィルハーモニーの建物の方に興味がいってしまう。
にわかなクラシックファンです。でも好きなんです。

「許してくれモーツァルト、おまえを殺したのは私だ」精神病院に運ばれた老人は浮わ言をいいながら自殺を図った。自殺は未遂に終わり体調が戻った老人をある神父が訪ねた。そしてその老人は意外な告白をはじめた。老人の名はアントニオ・サリエリ。かつてオーストリア皇帝ヨゼフ二世に仕えた宮廷音楽家だった。信仰深く、神が与えた音楽の才に深く感謝し、音楽を通じて神の下僕を任じていた。だが、天才として名がヨーロッパ中に広まっていたウォルフガング・アマデウス・モーツァルトが彼の前に現れたことににより、サリエリの人生は大きく進路を変えていく。

この映画は、自己表現をしている人。アーティスト、デザイナー、作家、なんでもいいけどそうゆう人にみて欲しい映画だと思う。
それはもしかしたらベタなあれかもしれないけれど、表現者の苦悩がとても詰まっている物語だった。

まずモーツァルト自身。天才的な才能に溢れ、それを自覚し余計なことを考えずナチュラルに表現をしている。
それは誰もが認め絶賛するが、それでもお金に恵まれず苦しい生活を送り、あげく酒に溺れ己を壊してしまう。
でもお金が貰える状況でも魂は売らないという意思があって(意地にも見えたけど)それを貫ぬく姿勢は格好よかった。
でも家に帰れば妻にお金はどうするの?生活はどうするの?とせびられている。そうゆう意味でベタ。

物語を語るサリエリという人物。アントニオ・サリエリという実在した人物で、この物語はサリエリの自責の念が作り出した物語。
サリエリは宮廷音楽家という立場にいるが、皇帝がモーツァルトに入れ込むのを嫉妬して、邪魔や嫌がらせをする。
だけど同時にモーツァルトの才能に惚れ込んでもいる。絶望を感じながらドキドキしているのだ。
その入り交じる気持ちがとても人間らしく、やってることは酷いのにどこか否定しきれない僕がいた。

モーツァルトのオリジナルの譜面にはどこにも書き直しがなかったらしい。
譜面を書く前に曲が頭の中で完成しているから。だからどのページもすべて書き写したように整っていたらしい。
そしてできた音楽は見事なまでに完成されていて、サリエリ自身もこれをみて天才と認めるしかなかった。
その後サリエリは、モーツァルト作のオペラをみて「神がこの小男を通じて、天上から世界に歌いかけていた」と表現していた。

映画の話とずれてしまいますが、これは最近僕が考えている(悩んでいる、または苦しんでいる)ことに繋がります。
僕はこの間、この2年間くらいに撮った写真をまとめてウェブサイトの更新をしました。膨大な量の写真から選び、編集し、レイアウトする作業は
エネルギーと、時間を要するものだった。でも出来上がった時には達成感で包まれて、、と思っていた。でもそうじゃなかった。
僕はできたサイトをみて、心の底から「つまらん写真」と思ったのだ。同時にそれは前から気付いていたのに気付かないふりをしていただけ。

僕の写真には中身がない。容れ物はそれっぽくして、その容れ物になんとなく合っているような物(写真)をなんとなく選んでいるだけ。
そのことに気付き、、いや、正確には気付いていたのにそのまま形にした自分への嫌悪感に包まれて、僕は今まったく写真を撮っていません。
入り口から間違っていたという事。そして「じゃあこうすれば良い」というアイディア、イメージ、エネルギーがまったく湧かないという事。
もしかしたらその湧き出てくるなにかを作家性と呼ぶのかもしれません。僕にはそれがない。絶望感しかない。

今は村上春樹の言葉がとても胸に響きます。
「まず形式があるのではなく、まず中身があります。なにより大事なのは、その中身作りに全力を傾注することであり、妥協をしないことです。」

ところで、映画に出てくるモーツァルトの奥さんが、革命的にかわいい。実際はこんなに若くあどけなさが残る女性ではなかったみたいだけど。
むしろお金にうるさかった(これは映画のなかでもそうでした)とモーツァルトの死後再婚したことで不貞のレッテルも貼られている。でもかわいかった。
時代設定上、社交界のみなさまは皆カツラをかぶっています。それは嫁もそうなんだけど、家に帰ると全て取り払いワンピース一枚とかになる。
そのニュートラル感がたまらなくかわいかった。結婚したい。

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The End_1621 渋谷 / PENTAX67

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ブエナビスタ・ブロック
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The End_1620 久が原 / PENTAX67

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夢の中でも僕を悩ませる女
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「007 慰めの報酬」

というわけで順番は前後しましたがが、ダニエル・クレイグ版007の最後として。

ベニスで心から愛する女性を失った007、ジェームズ・ボンドは、ヴェスパーが生前送っていたメールを見つける。そこにはミスター・ホワイトの電話番号が載っていた。さっそくとっ捕まえてMと一緒にホワイトの尋問を始めるが、MI6の内部にも裏切り者が潜入しており、ホワイトを逃がしてしまう。想像以上に大きいな組織が背後にあることをしったボンドは、捜査のためにハイチのあるホテルに向かう。そこで勘違いから知り合った美女、カミーユを助けたことにより、慈善団体グリーン・プラネットのドミニク・グリーンの存在を知る。

まず始めに言いたい。今作のボンドガール、カミーユが壮絶的にかわいい。
オルガ・キュリレンコというウクライナ出身の女性。日焼けしてかなり気の強そうな印象です。怒られたい
黒のワンピースで砂漠を歩く姿は最高にかっこいい。日本の女優さんで似てる人がいる気がするけど名前がわからん。
でも僕は「スペクター」のボンドガール、レア・セドゥにまだやっぱりお熱なので、どうでもいいです。

「カジノロワイヤル」に比べて物語自体に複雑なものはない。シンプルでわかりやすいです。
だけど内容が詰め詰めな感じだから、頭の中の整理がとても忙しい。たまに一時停止して考えたりしてました。
100分くらいの短い作品だけど、前にもかいた通り「カジノロワイヤル」とニコイチの映画だから、そう考えるとかなりの大作です。
前作で謎のままだった背後の組織、ヴェスパーの恋人、マティスも出てきます。そしていろいろ発見がある。

でも世間的にこの「慰めの報酬」はかなり評価が低いみたい。脚本家組合のストライキとかがあって凡庸になってるとか。
アクションシーンの編集が悪く、なにが起こっているかいまいちつかめないとか。お色気シーンが少ないとか笑。
でも僕は今作の007も好きです。もともと映画にアクションをあまり求めてないというのもあるのと
何度もいうけど「カジノロワイアル」とニコイチの映画とすれば、かなり壮大な物語になっていると思うのです。

確かにそんなに丁寧ではないけど、ヴェスパーを亡くしたボンドと、家族を失ったカミーユの孤独が二人を引き合わす心理描写だったり
ボンドが背後の組織の情報をいろいろ手に入れることが「スペクター」につながっていることとか。いろいろ気づけて楽しい。
カミーユの復讐劇も美人だからか応援してしまうし、グリーンプラネットの思惑が石油ではなく違うものだったりする政治的な駆け引き。
なんかいろいろあって面白いのです。詰め詰めで疲れちゃう感は否めないけど。

これでいちおう今回の「ダニエル・クレイグ版007を見直そう祭り」はお終いです。
これも前に書いたけど、次のジェームズ・ボンドは誰がやるのか。そもそもダニエル・クレイグは本当に降板なのか。
「スペクター」の後に「カジノロワイアル」みるとダニクレも歳とったなーという印象はあります。交代もしょうがないのかな。。
ま、とにかく007ファンとしては不安かつ楽しみであります。ちなみに次はレア・セドゥ祭りです。

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The End_1619_洗足池 / PENTAX67

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エネルギー不足デイズ
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The End_1618 新宿 / RX100m3

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涸れ井戸になげる石
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「ミクロの決死圏」

「村上さんのところ」を読んでいて、音楽の話と同じくらい映画の話が多かった。
小説の中で映画の話は音楽の事ほど出てこない気がする。俳優名は出てくるか。あ、いやそんな事ないかな?わかんない。
とにかく村上春樹は「真昼の決闘」と「静かなる賭け」が好きらしい。それとこの「ミクロの決死圏」
「1Q84」でも青豆さんがみてたので興味が出てきて、僕もみてみた。1966年のアメリカ映画です。

物質をミクロ化する研究が行われていた。現在の技術ではミクロ化は1時間が限度で、それを過ぎると元の大きさに戻ってしまう。この限界を超える知識を持った東側の科学者を、アメリカは亡命させた。しかしその際に敵の襲撃を受け、科学者はそのせきで脳内に血塊ができてしまい意識ふめいとなる。科学者の命を救い技術を手に入れるために、医療チームを潜水艦にのせ、ミクロ化し科学者の血管にから体内に入る。そして直接脳内の血塊を治療することにする。制限時間は1時間。決死の冒険が始まる。

あらすじどおりだけど、潜水艦ごとミクロになって頸動脈から注射して人体に入り込む。
そして動脈の流れにのり、脳にある血の塊をレーザービームで溶かして消滅させる。その後静脈を下り、また注射器で吸い出さられる。
尋常の沙汰ではない。1時間を過ぎるとだんだん元の大きさに戻るので、人体が潜水艦を異物とみなし、白血球や抗体に襲われる。かなりエキセントリックな設定。
でもこのぶっとんだ設定が面白かった。もちろん1966年の映画なのでCGなし。舞台セットで人体の中を表現している。それは微笑ましくもあった。

この時代の映画の変わった乗り物は、大体が核燃料で動いている。この潜水艦もそうだった。
それはいつもシリンダー状のカプセルのようなものに保管されていて、かなりコンパクトなもの。
これは冷戦の意地の張り合いみたいなものが見え隠れする。あらすじにもそんな雰囲気がある。
核に対してもこっちはこんなに技術が進んでるんだからな!すごいだろ!という主張が。笑。

突っ込み所はかなりある、潜水艦に乗り込んでからミクロ化し、小さくしてから注射器に運ぶまでに、フォークリフトみたいなもので運ぶ。
フォークリフトの先で注射器と、小さくなった潜水艦をドッキングする。なぜそんなビックリ人間大賞みたいなことをする必要があるのか。
そしてその微妙な位置の調整をしてる人が別にいて、フォークリフトの運転手に手動で「もうちょっと前、あ、行き過ぎ」みたいに指示する笑。
体内に入った瞬間に急にてパニックになったクルーがいて、抑え込んで話を聞くと「おれ閉所恐怖症なんだ」とか言いだす。先に言え笑

物語設定自体がエキセントリックだからか、突っ込み所はしょうがないと思う。というか逆に楽しい。
エンジントラブルで船外に出たときに、白血球に襲われて全身ウロコだらけみたいになって生還する所とか、すげー笑っちゃう。
体外では潜水艦の位置を把握するためにミニチュアのレーダーみたいなのが、頭のまわりを何個も囲っている姿とか超シュール。
なによりも一番は良いのは、一連の茶番を皆が大真面目にやっているという所。その姿勢がすごくよくて、面白いです。

脳内に入った時に、神経細胞、ニューロンみたいなのが電気信号でピカピカ光っている。
その時に「宇宙の闇を照らすすべての恒星も、思考の閃きに比べれば光が弱い。人類の思想こそ勝利の輝きなのだ」とか言う。
イームズや、手塚治虫のように、人間ひとりひとりの中に宇宙が存在するのだ。という言葉につながる感じがある。
さっきウロコだらけで死にそうになってた人が、急に遠い目をしてセンチメンタルになったりする。面白い。

村上春樹は「僕は自分をひとつのツールとして用いて、自分の奥の方にある意識の世界にアクセスしています。映画『ミクロの決死圏』みたいに」と言ってた。
青豆さんは、自分が天吾の体内にいることに気づく。つまり、私が天吾の立ち上げた物語の中にいることになる、と思っていた。

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The End_1617 並木橋 / PENTAX67

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伊邪那岐 vs 伊邪那美
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The End_1616 渋谷 / SONY RX100m3

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スローダウン世界
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「007 カジノロワイヤル」

「スペクター」を観て、いろいろ忘れている部分があった。ミスターホワイトってだれやねん。とか。
そういえば僕の07友達、ヒゲ君は「カジノロワイヤル」が一番好きだといっていた。
というわけでダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドの初作品をみることに。ということは次の「慰めの報酬」もやっぱりみることに。
結果、ダニクレ版007を全部見直すことになってしまった。だったら順番にみた方が良かったかな、まあいいや。

英国の諜報機関MI6。殺しのライセンス「00」ダブルオーを得たジェームズ・ボンドは、テロリストへの資金供給の筋道を捜査していた。捜査線上に浮かんだのはル・シッフルという男。彼はテロ組織の資金運用をする貯めに株価操作を計画していた。しかしボンドがそれを妨害し損失を被った。MI6はル・シッフルが損失を埋める為にカジノでのポーカー勝負に出るという情報を得た。ボンドは財務省から派遣された女、ヴェスパーと共にカジノに向かう。

今作の冒頭アクションシーンがすごく好きです。もともとアクションに心躍るタイプの人間じゃないんだけど、この回のはすごく好きです。
工事現場を猛ダッシュして逃げる標的を追いかけるボンド。なぜこうゆう時の逃亡者は高い所へ逃げるのかわからんが、上へ上へ逃げる。
僕が高所恐怖症なのもあるけど、かなりの高度感&ギリギリのアクションで手に汗を握ります。
最終的に大使館に逃げ込まれても諦めないボンドが好きです「スカイフォール」の冒頭アクションも良かったけど、これは一番かも。

今作は表題通り、中盤からカジノでのポーカー勝負が結構なネックになってきます。
僕はポーカーどころかギャンブルをまったくしませんが、それでも分かる感じなので安心です。
ポーカーの勝負中にも急な襲撃を受けたり、いきなりアストンマーティンが移動型手術室に変わったり、いろいろあります。
ル・シッフルは悪役の中で好きな方です。お金に困ってる悪役というのも良い。人間っぽくて。

財務省の女、ヴェスパーは化粧が濃いのであまりタイプではないです。唇が厚くてタレ目で化粧が濃いとオバQです。
でもボンドと出会い、カジノに出向く前にホテルの洗面所で化粧をするシーンがあります。それは多分すっぴんに近いです。
それがかわいい。。やっぱり男性は女性のニュートラルな一面がちょっと見えるのに弱いんだと思う。
その後のシーンはずっと化粧濃いめな彼女なので残念です。でも僕は「スペクター」のレア・セドゥにお熱なのでどうでもいいです。

後半、ボンドが受ける拷問シーンがあるんだけど、ちょっと男性は直視できません。映画館でみた男性はリアクションに困ったのでは?笑
改めてみるとこれは結構複雑な話で、裏の裏、またその裏。みたいな感じでちょっと混乱します。途中ボンドの意識も混濁したりするし。
マティスの真相も結局次の「慰めの報酬」をみてやっと理解できるくらいでした。ナイスキャラで好きなんだけどね。ダンディだし。
でも最後はちゃんと切ないし、言葉にしてないけど、ボンドの気持ちがどんどん伝わる。強がって冷徹なふりしてるだけなのも。

しかしボンドはやっぱり海が似合う。フロリダ、イタリア、どこか分からないけど地中海のビーチっぽい所。似合う。
監督はマーティン・キャンベル。「スカイフォール」と「スペクター」の監督、サム・メンデスの都会派で高級な映像とは違くて
どこかアラン・ドロンの映画を匂わせる映像が、往年の007シリーズっぽくて好きです。
しかしこれは「慰めの報酬」とニコイチの映画です。終わりは続く感満載だし。と言うわけでつづきます。

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The End_1615 新宿 / PENTAX67

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ケニア人嘘つかない
ぼくが高校生の時から使っていたベッドが壊れた。正確には壊れたので壊した。
漫画のように底が抜けて、まっすぐ寝られない状態のベッドになってしまった。
こうみえて良質な睡眠を求めて生きている人間なので、こいつは大問題であった。
タイミングよく廃品回収のミュージックが聞こえてきたので、勢いにまかせてトラックを止めた。
廃品回収の兄ちゃんにみてもらったら、回収料金が2.5万円といわれた。
ミュージックにのせて「無料でお引き取りします」とアナウンスしているのはどういう意味なんだろう。
まあ最初から無料とは思ってなくて、3、4千円、5千円くらいなら。。と思ってたら2万円と言われた。
それが適正価格なのか、ぼったくりなのかは僕にはわからんけど、とにかく丁重にお断りをした。貧乏性なのだ。
というわけで、電動のこぎりとバールを取りだしてDIYデストロイをはじめた。
ベッドは壊れたくせに、そこそこ堅牢に作られてて、難儀したけど無事にデストロイ・コンプリート。
僕はこのベッドと共に青春を過ごし、苦悩してきた。そして毎晩彼の上で夢を見ていたのだ。
どことなく20年来の友人に別れを告げた気分だった。デストロイ・タイム1時間で終わったけど。

だからいま僕は、床に布団を直に敷いて寝ています。
物心ついたときからベッドで寝る生活だったので、これはすごく新鮮だ。
まず寝返っても手足が落ちない。わきっちょに携帯とか、文庫本とか気楽にポイッとできる。
お風呂上がりにストレッチしやすい。天井が高くなった気がする。そしてなんとも言えない安心感がある。
デメリットももちろんある。やっぱり部屋に生活感がでる(なので毎日ちゃんと片付けている)
なんだかとりあえずゴロゴロ(ダラダラ)してしまう。なんだかんだずっと布団の上にいる。
生活の境界線が曖昧になるのが嫌みたい。ここは寝るところ!ここはパソコンやるところ!と分けたいみたい。

いろいろあるけどとりあえず、新しい良いベッドに出会うまでは、床で寝るのを楽しもうと思います。
またベッドに戻ったら20年間くらいそのままだと思うし。床寝は床寝でいろいろ考えることもあるし。
なによりも生活に新鮮感があるって良いです。最近は今まで気にしてなかった自宅をちょっと改造している。
つっても模様替え程度だけどそれが楽しくて、僕がインテリアの学校に行きたいと思うきっかけになった事を思い出します。
そうゆう風に良い方向に変えるは精神衛生的にも良いみたいです。気分転換という意味でもなんかすっきりする。

デストロイ・マイ・ベッドしたその夜から、視界に薄い膜がかかる症状が現れた。
最初はめがねが曇ってるのかと思って何回も拭いてたけど、目の方だった。
それはみるみるうちに悪化して、ついには本も読めないくらいになった。
不便だし怖いので寝てしまうと、深夜に目が覚めた。そして目が開かないことに気付く。
指でゆっくりこじ開けて鏡をみると、考えられないくらいの目ヤニが発生していた。
僕はそれをみて海の岩場にこびりつくフジツボを彷彿させた。マイ・アイズ・フジツボ
そして眼球は真っ赤で、まぶたも(深夜だからかも)腫れていた。
ほんとうに笑っちゃうくらいのフジツボ(目ヤニ)だった。怖かったな。

次の日の朝。良くはなってきてたけど完全でなかったし、やっぱり怖かったので眼科へ。
おそらくソファ壊したときの木材のホコリでアレルギー症状がでたらしい。
20年前のベッド。まだシックハウスや接着剤・材料にF☆☆☆☆義務とかなかったと思う。
ベッド・デストロイ中もランバー板を切るときみたいな、へんなくしゃみ連発してたしな。
とりあえず今はもう良くなりました。しかし見えないって不便&恐怖だった。普通って素晴らしい。

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The End_1614 京王永山 / Nikon F3

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デストロイ・マイ・ベッド
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「A・タルコフスキー / ストーカー」

いつか忘れたけど、けっこう前にドロネム先生に教えてもらった映画。
基本的にお勧めされたものはすぐに(手に入れば)みるんですが、なんか手が伸びなかった。
ソビエト出身の監督「惑星ソラリス」の人。最近の僕は「ソビエト連邦」というキーワードに敏感なんです。
ストーカーという言葉は皆さんイメージするあれではなく、密猟者、密かに獲物を追うハンター、という意味だそうです。

ある地域で、ある何かが起こり、多数の人間が犠牲になった。しかし謎は謎のままだった。政府はその地域を「ゾーン」と呼び、立ち入りを固く禁じた。ゾーンには願いが叶うという「部屋」があると噂があった。そしてその厳重な警備をかいくぐり、ゾーンの中へ案内する人間がいた。「ストーカー」と呼ばれるその人間の元に「科学者」と「作家」と名乗る男性が現れ、三人は部屋を求め、ゾーンに入る計画を進める。

あらすじを呼んで最初に「ツングースカ大爆発」をイメージした。
1908年、シベリアの上空で爆発した隕石が起こした強烈な空振。しかし謎が多く残る事故。
「ある地域で、ある何かが起こり、多数の人間が犠牲になった」という意味深な感じがミステリアスで良い。
なんだか分からないけど、なんだかすごそうなものってドキドキする「海辺のカフカ」の山の上での集団ヒステリーみたいなあれとか。

僕は初タルコフスキーでした。前情報でかなり詩的な映画を撮る人。というのがあったので、あまり深く考えないようにしてみた。
いわゆる理由とか、オチとか伏線とかなくて、意識を掘り下げる不思議メンタルディギン系な映画なんだろうかなと思ってた。
でもみてみたらあらびっくり、すごく綺麗というか、ノスタルジックな風景描写と、個性的なフレーミングでずっとドキドキしてみてました。
ハラハラではなくドキドキね。やっぱり理由とかオチとか、、これ!っていう答えみたいなものはなかったけど、僕としてはかなり楽しめました。

冒頭はモノクロ映像で物語は進む。ちょっとセピアになったりしたかな?古い映画だからか、わざとかわかりません。
そして「ゾーン」の中に入ると綺麗なカラー映像になる。これがかなりノスタルジック。SFだけど近未来感はまったくなくて、
どちらかといえば荒廃した文明の名残や、草原。そして廃墟感。全体的に長回しが多いのと、カメラワークが面白い。
それと効果音。列車の線路の音がリズミカルだったり(ダンサーインザダークっぽい)足音が妙な反響をしたり。怪しい。

「1984年」の時に書いた苦手な分野のディストピア「コブラ」みたいな。ああゆう感じではありません。
本当になんだろ、なんか懐かしい。ただの草原なのに懐かしい。なんか湿っぽい感じもすごく良い。
そうだ僕は雨が好きだったんだ。移動手段の8割が自転車になってしまってから雨が嫌いになってたけど
見る雨も、雨の中を歩くのも好きだったんだ。ということを思い出した。もうすぐ梅雨。今年は雨を楽しもうかな。

そんなに深く考えた訳ではないので、あんまり偉そうなことは分かりませんが、、
いわゆるゾーンにいけば人間の願望(欲望)が叶えられる。でも願望ってなに?あなた何を求めているの?という問いかけ。
そんなセリフはまったくないし、ゾーンの中にある「部屋」はすごく象徴的なもの。部屋に向かって自分自身と会話してる光景は
神に懺悔する殉教者に見えた。欲望とはなにか?から、救いとはなにか?に変わる瞬間がみえた。言葉はもちろんないけど。

詩的な表現、曖昧で意味深なセリフは、僕は大丈夫だったけど苦手な人はいるだろうな。
リアリストには辛い映画かもしれないです。「は!?、、で?」という感想しか出てこないような気がする。
あとタルコフスキー映画に通じて出てくるらしい「水」と「犬」も。すげえ意味深だった。
そしてラストの少女の演出。こりゃ物議を醸すでしょう笑。あまり万人にお勧めできる映画ではないけど、是非。

劇中に出てきた詩的なセリフ。好きだったので引用ー

ここは人間の心を映す
振動させ続けなさい
あなたの心に生じたその響きを
情熱と称するものは魂の力ではなくて
魂と外界の摩擦だ
気をいっぱいにして脆弱であれ
幼子のように弱くあれ
弱いことは偉大であり
強いことは無価値だ
人は生まれたときは弱くやわらかい
死ぬ時は堅く干からびている
木は生長するときやわらかくしなやかだ
乾き固くなると木は枯れる
堅さと強さは死の仲間だ
やわらかさと弱さはみずみずしさの表れだ
堅くなったものは勝つことができない

、、もうひとつ。

音楽はどうでしょう
現実と最も関係が薄いし、主義主張もなく
全く機械的な意味のない音で連想も呼び起こしません。
それなのに音楽は、人の魂に直接ひびくのです
体内の何が共鳴するのでしょう?
何が単なる音のつながりを喜びに変えて
何のために私たちを感動させるのでしょうか?誰のためでしょう?
何のためでも誰のためでもなく"無欲"なのですか?
そんなはずはない。全ては必ず、価値を持っているはずです。
価値と理由を。

タルコフスキー映画、いろいろ掘りたい。

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The End_1613 半蔵門 / PENTAX67

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平滑な寝床を求めて
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The End_1612 下北沢/ SONY RX100m3

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