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夏の夜
学芸大学の住宅地にある本屋さん。帰り道なのでたまに寄っている。
その日も何気なく寄ってみた。店内には20代前半と思われる女性3人組がいた。
3人とも同じようなメガネをかけて、同じような背格好だった。
終始肩をよせ合い、ひそひそと話し、クスクスと笑い合っていた。
話の内容までは分からないけど、なんだか可愛いらしい雰囲気だった。
僕は店内で写真集を熱心にみてたんだけど、ひとことだけ会話が聞き取れた。

「美しいって素晴らしいことだよね」

と1人が言って、あとの2人が嬉しすぎて困ったような顔をしてうなずいていた。
なにがそんなに美しかったのかは分からないけど、とてもシンプルな言葉が胸に刺さった。
僕はなんだか胸がいっぱいになってしまい、写真集を置いてなにも買わずに店を出た。
空には満月が浮かんでいた。

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The End_1338 渋谷 / PLAUBEL makina 670

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小人踊り
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「セッション」

滑り込みでシアターでみてきました。アカデミー3部門受賞作品。助演男優賞と録音賞と編集賞。
DVDで良いかなと思う所もあったけど、ぽっかり予定があいたので。
結果、DVDで良かったかもしれない。音の部分だけで言うとシアターでみる意義はあるかも。
早稲田松竹と目黒シネマ以外の映画館に行くのはことし2回目だけど、やっぱり映画1本1800円は高すぎる。

ジャズドラマーを目指し音楽学校に入学した19歳のアンドリュー。彼は厳格なフレッチャー教授の目にとまり、彼のバンドの新人として招集された。フレッチャーは完璧な演奏を求めており、その為には罵声も暴力も辞さなかった。その指導に必死にくらいつくアンドリューだったが、レッスンは段々エスカレートし、狂気じみたものに変わっていく。

アンドリューが人間として好きになれなかった。ドラムで有名になりたいという野望を抱いているのはわかる。
汚い手を使って周りを陥れ、自分がはい上がるのも、、わかる。そして人よりも努力したのもわかる。でも好きになれなかった。
夢を綺麗に語るのは良いけど、寝坊したり、事故が絡んだからしょうがないけど、遅刻もする。そして主奏者の席を奪われそうになると怒る。
「自分が悪いんじゃん」としか思えなかった。あとは女の子の扱いも雑というか、自分勝手すぎて嫌悪感を抱く。

もうひとり、鬼教授のフレッチャー。厳格かつ神経質すぎる指揮者として、演奏者を精神的に追い詰める。
これがまたすごい演技で、助演賞というか主演賞でも良いんじゃない?と思いました。そのくらい嫌悪感を抱いた。笑。
言葉の暴力なんてあたりまえで、体罰というか、物が飛んできます。完全に殺す気です。
でもアメとムチなのか「バンドを高みに持っていく為にはしょうがないんだ」とかしょんぼり言い出す。そうゆうのに弱い僕です。

内容はネタバレになるので語りませんが、大きな感想をいうと「こいつらちょっとおかしいんちゃうん」です。
あと最後のシーンは、とても話題で、僕もみててドキドキしたんだけど、冷静に考えると公共の場で私情を出し過ぎです。
周りの演者は本当に迷惑極まりない話です。ひとことで言うと「よそでやれ!」に尽きる。
そのくらいこの二人は自分の世界に入りすぎていて、周りが見えてなさすぎて、こわい。映画としてはそのくらいの方が良いんだろうけど。

全体的に106分の短い話、登場人物も最低限、難しい伏線や、心の動きを探すこともなく、シンプルな物語です。
ラストがすごい!と前情報あったから期待してたけど、個人的にはあんまり心震えなかったです。周りのことばかり気にしてしまった。
でもあっという間に終わったから面白い映画だったんだと思います。だけど1回でいいかな。
終わった後はデューク・エリントンを聴きたくなります。ジャズって、トリオも良いけど、バンドも良いよね。

彼女役のメリッサ・ブノワ。かわいいわー。映画館の売店でアルバイトしてる彼女にアンドリューが声をかけるんだけど
その対応がまたかわいいわー。こんなかわいい良い子に酷いことしやがって、アンドリューは本当に嫌いになりました。

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The End_1337 代々木上原 / Nikon D610

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終電車のゆくえ
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The End_1336 武蔵野台 / Nikon D610

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青いしじま
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「幻影師 アイゼンハイム」

「真実の行方」みてエドワード・ノートン熱が少しあがってて、みてない映画はみようと思った。
どんデン返し系ランキングでもランカーの作品だったし、時代設定もタイプだったので。

結果、、これ最高につまらん!

19世紀末のオーストリア。天才幻影師と結婚を控えた侯爵妃の愛を描いたラブストーリー。幻影師アイゼンハイムは街で話題だった。噂を聞きつけた皇太子は婚約者のソフィを連れてショーを観覧した。ソフィをみたアイゼンハイムは、幼い日身分の違いで関係を引き裂かれた相手であることを思い出す。ソフィーも彼に気付くが、婚約中の彼女にはどうすることもできなかった。

クリストファー・ノーランの「プレステージ」に酷似している世界観、描写感。それは良いんだけど
引っかけの伏線が明らかにバレバレ「これ嘘でーす」という感じ丸出し。そしてそれが予想通りまったくの嘘。
ラストのネタバレも明らかにバレバレなことなのに、はいご開帳!的な演出が寒々しい。
そのご開帳もただ警部の頭の中で推理が進み、ひとりニヤニヤご満悦してた。いやそれ知ってるし、的な突っ込みしかない。

薬も、おそろいのロケットも、ある事故も、医者の存在も、チープでなんかしっくりこない。
これ見た人にしか伝わらないけど、皇太子のした行動って他の可能性がありすぎて計画としては難しいものになるよね?
そうゆう風に伏線張りや回収だけでなく、そもそもの計画に不安が付きまとう「これ、こうなってたら計画失敗じゃん」って。
天才幻影師としてのアイゼンハイムのショーは、ちょっとCGすぎて嘘くさかった「プレステージ」と比べるのも酷だけど、明らかにCGで興冷め。

と、批判だらけになってしまってますが、映像美と世界観(19世紀のウィーン)はとてもツボでした。
あと侯爵妃ソフィ役が、ジャスティン・ティンバーレイクの嫁さん、ジェシカ・ビールって人。
この人知らなかったんだけど、歯並びが恐ろしく綺麗。顔はそんなにタイプではないけど、歯並びが恐ろしく綺麗なんです。
芸術的です。でも、くじらみたいだなとも思った。なんとなく。

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The End_1335 夢の島 / Nikon D610

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わたしの夢のありか
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The End_1334 夢の島 / PLAUBEL makina 670

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気合いの感じられる写真を
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「OLD BOY」

久しぶりに嫌悪感でいっぱいの映画をみてしまった。韓国の文化に心が動いたことがない。と言ったことがある。
それは今でも変わらずで、小説、音楽、映画、ファッションなどの分野で、感動したことがほとんどないか、思い出せない。
これは僕の勉強不足でもあるんだろうけど、単純に好きじゃないんだと思う。「SUNNY」をみた時にそう書いたんだ、あの映画も嫌だった。
でもこの映画、原作は日本の漫画で、スパイク・リーがリメイクもしてるということ。そうゆうのが後押ししてみてみたのだ。

平凡な会社員だったオ・デスは酒に酔って暴れ、警察に保護されていた。そして釈放された雨の夜に忽然と姿を消した。気が付いた彼は見知らぬ部屋に監禁されていた。部屋にあったテレビで妻が殺されたことを知った。容疑者は彼だった。そして監禁されたまま15年が経過する。

これも「どんでん返し」系の映画です。だけどかり痛いシーンは多くて嫌になってしまった。ハンマーとか、ダメ。。
どんでん返しびっくりレベルは、結構高いと思います。だけど僕は嫌悪感が先行してしまって素直に楽しめなかった。
「最低だな、、」と独りごちた。悪いベクトルでも、そこまで思わせたということは良い映画なのかもしれない。
でもちょっと無いわー。最低だわー。もう思い出しただけで嫌悪感がよぎる。タランティーノは大絶賛らしいです。その感じも分かります。

シナリオとして緻密な伏線、、というか矛盾を感じないシナリオで、良くできてるんだと思う。
15年監禁されていた意味とか、寿司屋の女の子のこととか、小学校の時のこととか、細かいし、どろどろしてて良い。
原作コミックは韓国が舞台ではないだろうから、また違った印象を持つのかもしれない。スパイク・リー版もしかり。
いやあでも最後のネタバレとか嫌悪感しかなかったからな、、オーケー、認めよう。僕は嫌いだわこの物語。

なんで韓国の人って怒ったように会話するんだろう。そしてなぜ皆道につばを吐きながら歩き、水回りを掃除しないんだろう。
これは映画のビジュアルから得る偏見かもしれないけれど、不潔な感じが本当に嫌だ。食事も町並みも、その辺の嫌悪感も多かった。
不潔感が嫌かといわれたら、ウォン・カーワイの映す中国の不潔さは、美しくもある。岩井俊二の貧民崫は不潔だった、でも美しかった。
「スティング」の雨上がりの道路。開拓時代のアメリカのそれは不潔だったんだろう。でもその中を歩くロバート・レッドフォードは儚かった。

嫌韓という訳ではありません。でもこの映画も他の韓国映画と同じく、嫌だな、汚いな、。と思う事は多かった。
きっと肌に合ってないんだ。

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The End_1332 多摩川競艇場 / PLAUBEL makina 670

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やる気の泉


「ONE RACK」

代々木上原 space8 で催された、mizuiro 主催の直販会です。
mizuiro / Ryo / nagatomoKOBO / いでたつひろ / laws of nature / THEEND / trinograph.

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クラブシレンシオの謎
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「デヴィッド・リンチ /マルホランド・ドライブ」

前にこの映画をみて、途中で寝た。基本的にどんなに退屈な映画や小説でも最後までみると決めている僕が寝た。
その頃はまだお酒も飲んでたし、深夜にみてたからしょうがない気もするけど、それで苦手なイメージがついてしまった。
でも映画が好きな人ならいつか行き着くであろう「デヴィッド・リンチ」という人間。時を経てまたトライすることになりました。
でも今回は解説サイトを見ながら鑑賞した。そしたらば、あらビックリ!なんて緻密にできた映画なんだろうと感動してしまった。

ハリウッドの深夜。マルホランド・ドライブを走る一台のリムジンがあった。後部座席に座っているのは黒髪の女性リタ。途中リムジンは急に止まったと思ったら、運転席から自分に向けられた拳銃がある。その時マルホランド・ドライブを遊びで暴走する若者グループが追突してきた。それは大きな事故になったがリタは幸運にも生き延びていた。翌朝、ロスの空港にベティという女性が到着する。ベティは女優になるべく叔母を頼ってやって来た。叔母が留守の間、叔母の家を借りる約束だった。しかしその家にリタがいることに気付く。彼女たちは邂逅する。

先に書いたとおり、解説みながらゆっくり戻したりしてコツコツとみていった。
最初は恐る恐るだった。だけど1時間くらいみてると自然に物語に入り込んでいる自分がいた。
理解出来なくて苦しい映画としか思っていなかったのに、するっと世界に入りこんだ。世界が僕に入りこんできたのかも。
最初から「理解なんてできない」と思ってみたのが良かったのかもしれない。意味深で理解不能なものは考えないで流した。

そうやって気楽にみてたら、絵はかっこいいしナオミ・ワッツかわいいし、いきなり変なヤツ出てくるしで単純に面白かった。
なんといってもビックリホラー演出ではなく精神的に恐いシーンが多い。骨の髄に染みるような恐怖。これがとても病みつきになる。
でもやっぱり難解な物語には変わらなくて、解説読まなかったら最初から「???」な部分は多いと思う。
だけどひとつだけ言えるのは、この映画は難解なアート作品でもなんでもなく、かなり緻密に計画された映画だと言う事。

デヴィッド・リンチすげえ、、と素直に思った。「ハマる人はハマる」というリンチ作品。僕はやっとハマったのかもしれない。
そうなったら急に求めるようになり、僕の頭の中は「デヴィッド・リンチ」でいっぱいになった。
ちょっと村上春樹と共通する部分も感じるんだよな。。メタフォリカルな表現とか、意味深なものとか。すごくドキドキしてしまう。
苦手意識がさらっと消え億劫さすらなくなってしまった。僕の中ではレオス・カラックスの方がよっぽど難解で億劫だ。

物語の内容はネタバレになってしまうので語りません。そしてそもそも語れるようなシンプルな物語ではないです。
ひとことだけ言うならば、僕はネタバレ解説読んでみた方が健康的だと思います。解説みたのに分からなくて、でも欲して3回見直しました。
変な中毒性がある。そして映像が恐ろしくキマっててかっこいい。エロいシーンはしっかりエロイ。恐いシーンはとんでもなく恐い。
ちょっと僕の中では衝撃的な体験だったんです。長らく映画みてるけど、こうゆう感覚はあまり記憶にないかもしれない。

物語と別でまた魅力なのがぶっ飛んだキャラ。ギャグでしょ?と思うようなふざけた奴が真面目に演技してたりする。真面目って面白い。
カスティリアーニ兄弟というかなりキレキャラがいて、明らかに嘘くさいエージェントなんだけど、エスプレッソを頼み、まずいといって全て吐く。
そしてキレて映画の主役は彼らの推薦の女と押しつける。なに言っても「推薦じゃない、彼女だ」しか言わなかった。恐かった、でも面白かった。
他にもアダム監督、隣人のババア、殺し屋、そしてなんといってもカウボーイ!なんか思い出したらまたみたくなってきたな。。

本当に何度も言うけど、万人ウケしないというのは重々承知のうえです。でもハマったら最高です。
断片的で分からない。となるかもしれないけど、体験後に考えるとカンヌで監督賞取ってることにまったく異議はないです。
そして大きな意味で、この物語はものすごく悲しい話だということ。切ないし苦しいし、とにかく悲しい。
僕が言うんだからその辺は安心して頂けると幸いです。でもリンチ映画みるのに体力は必要です。元気なときにどうぞ。

参考にした解説サイト

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The End_1331 エリザベス / SONY RX100m3

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ラック・ラック・ラック
「ONE RACK」

mizuiroのふせくんが言い出しっぺで一日限定の直売会をしました。
古巣、代々木上原でとても暑い祝日。いろいろ大変だったけどやって良かったです。
たまにしか会えない人にも会えたし。渡したかった物も渡せたし、良かったです。
来てくれた人ありがとうございました。また来月もやるらしいのでその時はアナウンス致します。

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The End_1331 ONE RACK / Nikon D610 と SONY RX100M3

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雨の日の女の子
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The End_1330 代々木 / SONY RX100m3

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手袋が買えない
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「俺たちに明日はない」

トニー・スコットの「トゥルー・ロマンス」をみて、愛の逃避行的な物語をみたいというテンションがあがった。
というわけでベタですがこの映画。高校生の時にみたっきりで内容は大まかにしか覚えてなかった。
ボニー&クライド。死のダンス。衝撃的な結末。などある意味伝説化されている要素は覚えてたけど、内容は忘れてるな。
この映画に影響されてできた物語は多小さい文字いらしい。リドリー・スコットの「テルマ&ルイーズ」とかなんてまんまだもんな。

出所したばかりの男、クライドは性懲りもなく悪事を企み、都合の良い自動車を物色していた。それを自動車の持ち主である女性、ボニー・クライドにみつかる。ボニーはウェイトレスをして生活を立てていたが、平凡な生活に嫌気がさしていた。クライドはそんなボニーを連れ、店に入りあざやかに強盗を成し遂げる。ボニーはそんなクライドに強く惹かれ、クライドもまたボニーの気が強い性格に惹かれていた。二人は、盗んだ車で銀行強盗を繰り返しながら旅に出る。

1990年代後半、僕が高校生の頃。この映画に感化されたであろう作品が多かった。世紀末を迎える不安感からだったのかな。
「今日を、今を生きろ」というどこかスローガンめいた風潮が全体にあった。そのせいでか今でも僕は生き急いでいる傾向がある。笑
特にコミックの世界ではそれが顕著に出てて、破滅観、世紀末観を描いた作品は多かった気がします。
「俺たちに明日はないっす」という漫画もあったな笑。とにかくその頃の僕は映画、音楽、小説と同じくらい、漫画に影響を受けていた。

映画の内容は単純明快。禁酒法により閉塞感と不満を政府に抱いていた時代のアメリカ。
実在したボニー&クライドは、その自由な生き様から英雄視され、崇拝されていた。
銀行強盗や殺人を肯定するわけではないけど、いつの時代もこうゆう反社会的なヒーローはいる。
決まって強者からしか強奪しない。一般市民の金には手を付けない。鼠男的なあれです。

CWモスという整備工がかなり好きなキャラクターです。それを越えて好きなのがモスの父親。
すげえ外面よくて、外では良い父親を演じているんだけど、息子と二人になると豹変する。
それこそ息子が少しでも楯突いたらすぐビンタが出る。熱々のスープを混ぜて、食べようかと思いきや、すくってモスにひっかけてくる。
これはかなりドリフ感あった。ダチョウ倶楽部か?もうみてて大好きになっちゃった。

死のダンス、衝撃的といわれる結末について。このシーンは覚えていたし前ふりがあるので特にビックリはしない。
衝撃的な結末というか、単純に急に起きるからびっくりするだけのような気もするけど。。
でもやっぱり切ない。悪行を重ねた行く末だとしても切ない。昔はこうゆう切ない愛のような物は良くわからなかったかも。
だけど今みるととても響いた。歳をとるのもまんざら悪くない。おして死んだら終わりということもリアルになっていく。切ない。

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The End_1329 多摩川競艇場 / PLAUBEL makina 670

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意欲の上がり下がり
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The End_1328 武蔵野台 / Nikon D610

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母親の少女時代
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「コクリコ坂から」

2回目。何かと酷評が多い宮崎吾朗監督作品ですが、個人的にこの物語は大好きです。

東京オリンピックを間近に控えた、1963年の横浜。高校二年生の海(メル)は仕事で海外に行っている母に変わり、兄弟と下宿人6人の世話をしながら学校に通っていた。父を戦争の海で亡くしていたメルは、海に向かって毎朝、信号旗をあげていた。そんな毎日が慌ただしく過ぎていくが、メルは同じ学校に通う風間に心を寄せていた。

2回目だけど楽しめました。時代背景が個人的なツボというのと、メルちゃんがかなりタイプです(NOロリコン)
ジブリ映画、女の子ランクでかなり上位に食いこみます。ナウシカ、シータ、フィオ、サツキ、あとは、、ポニョ。あと誰だろ。。
海は家庭的で献身的、多くを語らずも胸に秘めた想いがある。そんな女の子から溢れ出る大粒の涙をみたら、僕は抱きしめたくなる(NOロリコン)
あとはやっぱり横浜の山の手の風景。古き良き昭和と異文化が混ざった、良い意味で雑多な世界はとても魅力的に映ります。

この映画をみているとコミュニケーションのありかたについて考えます。とにかく不便、真実ではないことが真実として伝わる。そして逆も。
戦後20年、高度経済成長のまっただ中。それは政治も、仕事も、人間関係も、もちろん恋愛もとても雑で慌ただしかったんだと思う。
そんな中で一番のコミュニケーションツールはとてもシンプルに手紙、電話、会話。それだけ。伝われば伝わる駄目なら駄目。しごくシンプル。
伝えたい気持ち、それを感じながら受けれない気持ち。思春期の淡い形にならない気持ちがみえてとても良いです。言葉すらいらないかもしれない。

今だったらメールですぐに伝えられること。だけど本当にそれは伝わっているのかな、と思う。生活に埋もれてしまうものにしかならない気がする。
自分が歳をとり、コミュニケーションが重要ではなくなってきたのか、いちいち一喜一憂する時間がないのか、ただの不感症かわからないけど。
全部ただの報告、連絡にしかなってない気がする「既読」ってなってればそれで伝わった事になるんでしょ?返信すらする気すらなくなるよね。。
もちろん便利だし、仕事上それがなくなったら成り立たないことはかなり多いし、恩恵にあずかっているので文句は言えません。ただ、、ね。

物語の舞台は1964年。学生運動に火がともりだし、ここから1970年にかけて壮絶な時代を迎える頃。
僕は当時の学生運動に興味があった頃があり、個人的にいろいろ調べて勉強してた時期がある。三島由紀夫のファンというのも影響して。
一言で僕なんかが語れるほどシンプルなことではないのは分かっている。そして結果的によくないことは多い。
だけど、革命という名の元に本気で世界を変えようとした彼らのエネルギーが、現代の人間にあるのか。きっと無い。

東京オリンピック前、安保条約強行採決(コレに関してはとても思う事がある)でデモ雰囲気高まっている今とどこか被るな、と思ってみてた。
なにが今と違うか、、エネルギーだと思う。そして想像力。現代において、上を向いて月を見ながらトボトボ歩いて帰ることなんて、ないでしょう。
利益にならない物は淘汰されるでしょう。問題になりそうな物は排除されるでしょう。個人の小さい意見なんて尊重されないでしょう。
そんな社会で、普遍的で心を打つ物語、音楽、映画や絵画が生まれるのだろうか。なんだか話がずれてきたので終わりにする!

以下引用ー
古くなったから壊すというなら君たちの頭こそ打ち砕け!
古いものを壊すことは過去の記憶を捨てることと同じじゃないのか!
人が生きて死んでいった記憶をないがしろにするということじゃないのか!
新しいものばかりに飛びついて歴史を顧みない君たちに未来などあるか!

風間さんが討論の舞台で熱弁する言葉。僕の前のブログでもこの文章に反応して引用していた。そんな当時の自分が好きだったりします。
その頃のブログを読むと、文章としての水準は低くて恥ずかしい。今が書くようになっただけかもしれないけど文章量も乏しい。
よくある映画のレビューでもないし、あくまでも個人的なメモのようなものだから良いんだけどさ。
現在、2日に1回書いているこのくらいの文章はストレスなくスラスラ書ける。これは数をこなした結果か、慣れただけなのか。わかりません。

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The End_1327 武蔵野台 / Nikon D610

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第八工程
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The End_1326 夢の島 / PLAUBEL makina 670

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スラップ・スラップ
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「村上春樹 / 雑文集」

やっぱりエンタメ小説はしばらくいいや。と痛感させられた「キャプテンサンダーボルト」の後に読んだ。
本当に今年は村上春樹、再読の年になっている。この本は再読ではないけど。
村上春樹→違う小説→村上春樹→違う小説。という流れは年内ずっと続きそうな気がしている。
ちなみに今は「ノルウェイの森」の後、違う小説を読み終わり、なんと「ねじまき鳥クロニクル」を読み始めた所。もうドキドキしている。
で、この「雑文集」タイトル通り物語ではなく、日の目を見なかった文章やスピーチの内容をまとめたもの。
前にもかいたことがあると思うけど、物語ではなく(物語ももちろん)ただ文章を読む快感というのが僕にはあります。
右から左へ僕というフィルターを通り流れていくもの。そこに特に情報や、物語性や、感動などなくても良い(あってももちろん良い)
ただ自然に文字を追う行為、時間がとても好きだったりする。意味がないと言われればそうかもしれない。だけど意味のないものって重要でしょ?
そしてそれはからっきし意味がないことでも不毛なことでもなく、自覚はなくとも自分の糧になっているということ。
表だったものよりも、そうゆうものの方が時間が経っても結果的に覚えていたり、役に立ったりすることが多い。
それは記憶に関係深いものかもしれない。強烈な思い出は焼き付けられるけれど、だらっとした日常、生活の中に本質があるように。
特に僕はルーティンな日常を好む傾向がある人間です。決まった時間に起きて、運動し、仕事し、食事し、風呂に入り、体操して寝る。
そんな生活の中に、もしかしたらそうゆう生活の中にしか、人生の意味は無いのかもしれない。とまで思ってたりもしている。
いささか語りすぎですが、そんなだらっとした日常の中で読む文章としてはとてもピッタリの本でした。
もちろん内容も濃いし、ただのスピーチもそこは村上春樹、凡庸なものではなくひねりがあって楽しく、村上春樹節になっている。
そもそも安西水丸とタッグを組んだ、どうでもいい(といったら怒られるけど)砕けた文章もとても好きだったりする。
後は、やっぱりという言葉が合っているかは分かりませんが、村上春樹的な比喩を踏まえた名言は多い。
僕は本を読んでいて、気になったり心が動いたページは端っこを折っておく。読み終わった後折れてるページが多いほど面白かった本という事になる。
この本を読み終わったあとそれを見てみると、まあ折れまくっていた。面白かった。
特に村上春樹から見る安西水丸さんの考察めいた文章がとても面白かった。仲が良かったんだなと心から思います。
もう二人のエッセイや、短編が生まれる事がないのがとても寂しい限りです。いでたつひろくんに読ませよっと。

以下引用ー
あらゆる人間はこの生涯において何かひとつ、大事なものを探し求めているが、それを見つけることのできる人は多くない。そしてもし運良くそれが見つかったとしても、実際に見つけられたものは、多くの場合致命的に損なわれてしまっている。にもかかわらず、我々はそれを探し求め続けなければならない。そうしなければ生きている意味そのものがなくなってしまうから。

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The End_1325 夢の島 / Nikon D610

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