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経験的言葉
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「コーヒーをめぐる冒険」

ほら、僕コーヒー好きだしさ、なによりもタイトルがさ、村上春樹好きならさ。ね。
という訳で前情報なにもなくみてみました。しかし原題「oh boy」がなぜ「コーヒーをめぐる冒険」になるのかは謎です。
ベルリンはモノクロームの映像が似合う町なんだと思いました。

大学を中退してから二年間、ブラブラとその日暮らしをしているニコは、朝から恋人と些細なことでケンカし、別れてしまった。そしてコーヒーを飲みまくり、自動車の運転適性診断では取り上げられていた運転免許証を返して貰えなかった。しょうがなく、またカフェでコーヒーを飲もうとしたニコは所持金が足りなかった為、ATMでお金を下ろそうとするが、カードが機械に飲み込まれてしまった。なにもかもうまくいかない男の一日が始まる。

いわゆる、なんとなく進む与太話に近い物語でした。でもこれすごく面白かった。
でもその方がリアルだったりすることがある。現実はそんなに劇的なことは起こらないから。
ニコは色々な人物と関わりを持ちながら一日を過ごしていくんだけど、その人物がとてもユニークなひとばかり。
中でも、どこか淋しげなお婆さんは、僕の中ですごく印象として残っています。お爺さんもか。

この映画はとても暗喩めいた表現が多くて、後半はなんとなく素直に見れなくなってきてる自分がいた。
だからといって難しいかと問われたら全然難しくないので、誰にでもお勧めできます。ただオチというオチはない。それだけ。
たった一杯のコーヒーを飲み損ねただけなのに、そこからすべてが変わっていく。それでもニコはこれからも人生を続けるし、変わっていく。
いっちゃえばモラトリアム男子のバタバタな一日、なだけなんだよな。ライ麦畑的な。

そうそう、この映画はいろんな映画のオマージュ感が詰まってて、映画好きにはほくそ笑むシーンは多かったです。
それは実際みてみて楽しんでください。それと後半の急展開は、個人的にはとても好きでした。
90年代のハリウッド映画をみてると、皆あたりまえにタバコをふかしているので、見てて吸いたくなる時期があったけど
この映画はみてると、とてもコーヒーを飲みたくなります。タイトルがタイトルだけに、あたりまえだけど。

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The End_1286 西小山 / Nikon F3

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雑文ノベルズ
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The End_1285 白鷺 / Nikon D610

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眩暈を覚える思い
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「バック・トゥ・ザ・フューチャー」

むかしツタヤで3本900円で売ってるのみつけて、衝動買いで購入したのが机の脇にいつもあった。
いつかみようみようと思っていたんだけど、なかなか手が伸びなかった。いつでもみれるし。
最近は映画を観る熱が少し下がり気味。僕は映画、小説、音楽、写真など好きな物多々あるけどそれぞれ熱が上がるタームがある。
いまは映画にエネルギーが注がれるタームではないみたい。だからこその「バック・トゥ・ザ・フューチャー」いつでもみれるので、今。

1985年、高校生のマーティは友人である発明家のドクに呼び出され、深夜の駐車場に向かった。そこでドクはデロリアンを改造してタイムマシンを発明したことを伝える。信じられないマーティだったが、目の前でドクの愛犬、アインシュタインが車ごと消えてまた現れる現象を目の当たりにする。それでもまだ信じ切れないマーティだが、突如二人をリビアの過激派が襲う。ドクは過激派の銃弾に倒れ、マーティはデロリアンで逃亡をはかる。

今さら言う事でもないけど、素直に本当に面白かったです。懐かし要素を取り除いても面白かった。
最後の最後、このままでは終わらないでしょう!と思わせて本当にこのままでは終わらなくて
しかけはベタなのに入り込み過ぎてハラハラドキドキして、最後ほっと胸をなで下ろしていた自分がいる。
なんなんだろうこのエンタメ感は。この時代のスピルバーグ感もなんなんだろう。

最初のタイムマシンの実験で愛犬アインシュタインをデロリアンに乗せて、タイムスリップさせる。
ライカ犬を彷彿させるシーンだけど、今の時代だったら愛犬家団体にバッシングされること必至。
二人を襲ったリビアの過激派は(リビアの過激派!)ドクにだまされプルトニウムを強奪したことに怒っている。
とても冷戦のにおいがプンプンする。ランボー的にソ連批判のプロパガンダとして映画が使われていた時代だ。

物語は1955年にタイムスリップしたマーティが、現代に戻るため、そして自分の存在を守るため(変な言い方)悪戦苦闘する。
前にも書いたけど1950年代のアメリカは僕が大好きな時代です。ロカビリーも、アメ車も、ビッグボーイも大好きです。
ダンスパーティで恋が芽生えるシーンや、マーティがステージに上がりギターをかき鳴らすシーン。僕もタイムスリップしたいと思ってみていた。
そしてなによりも、チープなのに引きつける内装。また50年代ブームこないかな。。

物語としては、藤子不二雄や描いたタイムスリップやパラレルワールド、そしてタイムパラドックスと同じしかけで
大して珍しいものがあるわけでもないけど、なんでこんなに面白いんだろう。。引き続き2と3も見る予定、これで900円ならお買い得です。

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The End_1284 多摩川 / Hasselblad 500CM + ILFORD HP5

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犬年齢36歳
そう僕にはその答えはわかっている。でも僕にも彼女にもそれを言葉にすることはできない。言葉にすればその答えは意味を失ってしまうことになる。
言葉で説明してもそこにあるものを正しく伝えることはできないから。本当の答えというのは言葉にはできないものだから。
「村上春樹 / 海辺のカフカ」

そうねもしこの世に言葉なんてなければ
私たちずっと一緒にいられたよね
探してた永遠は時の影
空と海溶け合う日を夢見る
「UA / HORIZON」

言葉はあてにならないけど、私の身体が感じたことなら信じられる
「五十嵐大介 / リトル・フォレスト」

言わないと伝わらないことは、言っても伝わらない。
「フジ暴 / 無題」

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The End_1283 多摩川 / Hasselblad 500CM + ILFORD HP5
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猫年齢35歳
蛭ヶ岳(1567m)

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The End_1282 蛭ヶ岳 / Nikon D610 と SONY RX100M3

蛭ヶ岳から大倉バス停までのとっても長い下山を開始しようと、ベンチで脱いでた靴の紐を結んでいたら太ももの裏がつった。
あまり経験ないけどつるのって痛いのね。ストレッチしてもなにしても痛い。だけど治らないので諦めてそのまま下山することにした。
下りは大丈夫だけど登りの時に痛みが走った。気にしないで歩いてたらいつの間にか治っていたけど辛かった。どうやって予防するんだろう。
帰り道も相変わらず富士山はそこにあり、牧歌的な稜線とたまに出会う登山者が僕を安心させた。
午後だからかなんなのか、行きよりも暑くて夏山の気配でした。それはそれでとても新鮮なんだけど体力は削られる。

行きに少し怖かった鬼ヶ岩ですが、今度は登りなので怖くなかった。だけど登り切って少し行った所で首にかけてたサングラスがないのに気付く。
杓子山の連続トレポ紛失事件が脳裏をよぎる。でも鬼ヶ岩を登る前に取り付いている人が先に見えて、サングラスを外した記憶があった。
それから鬼ヶ岩を登り切って気付いたからその間に落としたことは分かった。なので覚悟を決めて戻る、ということはまた鬼ヶ岩を下る、また怖い。
ご丁寧にサングラスは鬼ヶ岩のスタート地点に落ちていた。鬼ヶ岩を二往復、高所恐怖症なのに何回怖いところ登らすねん!とひとりごちた。
でも誰のせいにもできないのが山なのも分かっている。分かってきた。あまり考えないようにして、無心に歩を進めた。

話はそれますが、実際に僕のことを知っている人は、サングラスというアイテムに違和感を感じたでしょう。
僕のイメージにサングラスというものは結びつかないはず。でも山を登ってると眩しくて、目が疲れるシーンは少なくない。
晴れた雪山もしかり、初夏の強烈な光線もしかり。眉間にしわを寄せ続けるのも割と疲れるものです。なのでサングラス。
登山を始めてからそうゆう道具に敏感になったという自覚がある。自然という場所に持ち運ぶうえで、機能と利便性を考え物を選ぶ行為。
便利すぎの高機能(高額)グッズは、山なんだから多少不便で良いじゃないかと思う所はあるけど、便利は便利で素晴らしい。
ウェアも山用の防寒着とか着ると冬場は日常でも手放せなくなる。特に自転車に乗ってるとそう思う。いままで僕はどうしてたんだ!?ってなる。
2-tacsのブログにあったけど、新しく始めた事により無かった視点やアイディアが生まれる。サードアイ的な視野は自分を広げる感覚がある。
なによりもいろいろ試行錯誤することが楽しい。ウェブで見ると自作グッズ製作してる人も多い。その気持ちもすごく分かります。
取り急ぎいま僕が今一番欲しいものはミシンだったりする。去年までの僕には考えられなかったことです。でもミシンって高いのね。
とにかくサングラス、この季節の自転車にも欠かせないアイテムになった。自分で言います、見た目とてもチャラいです。でも便利です。

話は戻り、いい加減足が限界に近づき、諦めてどっかで休憩するかって頃に丹沢山まで戻って来れた。
そして山頂のベンチで小休止後、次のポイント塔ノ岳を目指す。蛭ヶ岳からも塔ノ岳の山頂の尊仏山荘が遠くに見えていた。
あそこまで戻るという目標があるのは良いんだけど、それが豆粒の様に小さいのと、歩いても歩いても遠いままなのが辛かった。
その頃から天候は下降気味で、すこし雲が多くなってきた。それでも富士山は表情を変えながらもずっと見えて、応援してくれていた、はず。
行きで塔ノ岳からジャンジャン下ったその道は、蛭ヶ岳まで歩いた削られた足にとても響き、死ぬかと思ったけど、やっと塔ノ岳に到着。
どんどん不吉な黒い雲が多くなり風も強くなってきた。でも塔ノ岳まで来たからと、安心している自分がいる。。
先週まではここが目標の場所だったのに、もう安心ポイントになっているという事実。慣れとは怖い。まだまだ先はあるのだ。
という訳でコーヒー飲んでまた出発。といっても大倉尾根はずっと下りだから大丈夫だべ、と思っていた。
とっくに限界だと思っていた僕の足は、下りだと意外とまだ元気だった。水がちょっとと食料もないので荷物は軽く、サクサク小走りで下れた。
にしても本当にダラダラと長い。よく登ってきたなと思っちゃう。そして昼間沢山の人がいた登山道はまったく人の気配がなく、それはそれで不気味。
天候は悪化し、どんどん暗くなり風が木々を不吉に揺らす。そうゆう時は歌をうたうに限る。相変わらずオブラディ・オブラダか、線香の青雲の歌。
それと、口笛でジョン・コルトレーンのマイ・フェイバレット・シングスを奏でたりしている。有名なフレーズの所だけだけど。
「海辺のカフカ」のカフカ少年が、森の奥に入る時にそうしてたので僕も真似をしている。京都にも行きたくなるし一石二鳥だ。

見晴茶屋から大倉まではラストスパートで「下りたらコーラ!下りたらコーラ!」というかけ声のもと歩いた。
でも第一自販機でコーラではなく、メッツグレープフルーツを一気飲みした。今度から「下りたら炭酸!」のかけ声に変更しよう。
そして誰も居ない大倉のバス停の洗面所で顔、というかほぼ全身を流した時の爽快さといったらもうない。自然と声がでます。
大倉着が17時25分。まだ明るかったけど、結構な時間になっちゃった。

地図上のトータルコースタイム、11時間20分の所実際かかった時間、休憩込みで9時間40分でした。その数字見ると頑張ったことが分かる。
同じ道を通った人のヤマレコ情報から引用すると、総距離約26km。平地のジョグでもそんな距離を走ったことないわ。
振り返ってみると、とても大変だったけどトライして良かったです。でもそれも天候や景色が味方してくれたことは大きいと思う。
そもそも計画外のことをするのはあまり良くないことだと思うし、もし想定外のことが起こったら大変だっただろうし。
結果オーライだけど無事に戻って来れて、行けないと思ってた蛭ヶ岳も登頂できて、満足感でいっぱいです。
でも次はちょっとゆるゆるハイキングにしたいかな。ゆっくり景色を堪能したいです。

その夜、足の張りがひどかったので、念入りにストレッチして寝ましたが起きたらひどいことになってました。
凡庸な表現ですが、これが生まれたてのバンビ状態か!という感じでぷるぷるしてました。
またその次の日、、まだまだ筋肉痛が残っている状態でジムに行き。いつもしている通りの筋トレをしてみた。
その時に筋肉痛に響くトレーニングが山で必要な筋肉、というのが分かるかなと思って。そこを重点的に鍛えれば山に有効な筋肉を育てられる!
僕はいったいどこに向かっているのかたまに分からなくなります。ところが結果は、普段の筋トレでは筋肉痛に響く所がほぼありませんでした。
走るのは無理だったのでやらなかったけど、他のトレーニングはほぼいつも通りできた。今までのトレーニングは山には無関係筋だったみたい。

まあゆっくりやります。





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丹沢山、蛭ヶ岳 | Comment : 0 | Trackback : 0
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物語のサイクル
蛭ヶ岳(1567m)

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The End_1281 蛭ヶ岳 / Nikon D610 と SONY RX100M3

5月14日、また丹沢にいってきました。
やっぱり丹沢の好アクセスはとても魅力なのと、このあいだ塔ノ岳を登った時にその奥にも行ってみたくなったので。
だけど地図をみてると、その奥の山は日帰りの僕にはどうも厳しそう。山小屋泊、マイカーとかを含んで考えるといろいろ広がるんだろうな。
とりあえず塔ノ岳の奥にある蛭ケ岳まではどう計算しても行けそうにないので、丹沢山まで行って前とは違う道で戻って来るコースにしました。
ところがまったくそんな予定の山登りにはなりませんでした。

前に書いた僕の登山のペースについて。写真撮りながらなので遅い、だけど休憩しないで歩き続けるので結果、先に山頂に着くというもの。
今回、塔ノ岳までは前と同じ大倉尾根だったので、新緑効果はあれどあまり写欲にかられず、そこは割り切り歩くのに集中してみた。
知っている道ということもあり、前より早いペースだという自覚と共に黙々と登り続けた。結果、地図だと210分の所、150分で塔ノ岳山頂に到着。
予定より1時間早く着いた。やっぱり写真撮影が時間を削ってるんだな。。撮る度に止まるからリズムも切れてしまうし。でも写真はしょうがない。

塔ノ岳山頂、前回よりも天気が良く見晴らしも良かったんだけど、いかんせん前回見てるので、パパッと写真撮って一息ついたらすぐ丹沢山方面へ。
塔ノ岳は人気の山なので、平日といえどもそれなりに人が多い。だけど塔ノ岳の先はめっきり人が少なくなる。登山道の雰囲気もガラッと変わる。
未知のエリアに入って行く特殊な緊張感を抱きつつ一気に下った。帰りはこれを登る、という揺るぎない事実を脳裏の隅に追いやって歩いた。
本当に天気が良く、前の鍋割山稜みたいに「何もかもが地表から二、三センチぽっかりと浮かび上がってる様な気持ちの良い春の午前」だった。
一日通して浮世絵の様に浮かんでた富士山と、大倉尾根とは違う開けた景色が続いてとても楽しい。そんな道も1時間もぜず丹沢山に到着。
その時思ってしまった。というか塔ノ岳あたりから少しずつ考えていたことがどんどん大きくなっていった。「蛭ヶ岳、行けるかな。。」って。
丹沢山到着が11時。地図を見ると蛭ケ岳まで往復すると2時間20分。寄り道やめてまっすぐ大倉まで戻れば、なんとかいけそうな計算になったのと
丹沢山の眺望があまり良くなくて、達成感がなかったのも後押しして、行っちゃえー的に蛭ケ岳方面へ。半ばやけくそ感もあった。

蛭ヶ岳は神奈川最高峰です。特に僕はそうゆうのに固執する感じでもないのであれなんですが、なんとなく行ってみたいとは思ってました。
だけど先に書いたように日帰りだと自由度が低いので、選択肢から外れていた山でした。でもここまで来たし非現実的な時間でもないので。。
でもそこから頭の中は「暗くなる前に戻れるか」という不安との戦いでした。同じ道を往復する山登りは、歩けば歩く程帰りの道程が長くなる。
目的地に向かう行為はゴールから遠ざかる行為でもある。なんてドMな行為なんだ!と思いながらも歩を進める自分。
歩き進める程にどんどん自分の借金が大きくなっていくこと。その不安と戦いながら歩いていたけど、救われたのはなんといっても景色です。
アップダウンは厳しく脚を削るけど、塔ノ岳の山頂がずっと続いてるかのような景色を眺めながら稜線歩きができた。
そして優しくぽっかり浮かぶ富士山は終日そこにあり、見守られてる感があった。それと多くないけど人はそれなりに居るという事が安心させる。

そんなこんなで、鬼ヶ岩という少し怖い岩場と山頂直下の急登に心折れそうになりながら、12時10分、蛭ヶ岳山頂に到着。
前回、下山するまで炭酸飲料は飲まないと豪語した僕ですが、汗だくのまま山小屋に入り、コーラを頼んで一気飲みした。
眼下に宮ヶ瀬湖を見ながら飲んだコーラは、キンキンに冷えて美味しかったです。ぬるくないコーラ、最高でした。
という訳で無事山頂に着きましたが、頭の中では景色を堪能するよりも「早く帰らなきゃな」という気持ちが大きかったかも。
疲れて食欲もなかったけど、食べないと帰りがキツくなりそうなので、むりやりラーメン作って食べた。そしてちょっと休憩して下山準備。
その時に気付いたんだけど、山頂だと思ってたそこは山小屋のベンチスペースで反対側に山頂があった。山頂いかないで帰る所だった、危ない。
山頂の景色は富士山が正面にどかんと見えて絶景なんでしょう。だけどここに来るまでの景色と大差ないので正直あまり心が動きませんでした。
それはネガティブなものではなく、この日はずっと絶景だったという、とても贅沢なことがそうさせただけです。
残念感があった訳ではなく達成感に満ちあふれるものでした。ただ早く帰らなきゃ、ということで頭がいっぱいだったことは事実だ。

つづく

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丹沢山、蛭ヶ岳 | Comment : 0 | Trackback : 0
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そば屋のカレーを
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The End_1280 渋谷 / Nikon F3

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おそらくそのうちに
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「ウディ・アレン / カサンドラズ・ドリーム」

ロンドン三部作の最後。スカーレット・ヨハンソンもウディ・アレンも出てなかった。一番シリアスな物語だったかもしれない。
というか一番憂鬱で、一番不毛で、一番愚かな物語だったかもしれない。曇り空のグレーなロンドンにはこうゆう憂鬱な話が似合うのかも。
ちなみに僕はユアン・マクレガーのファンです。スターウォーズのオビ・ワンもだけど、ポランスキーの「ゴーストライター」が良くて。
意外と僕は「アンチトレインスポッティング」派なので、あの頃の彼はあまり知りません。意外でしょ。

いたって普通の階級の男、イアンはビジネスで一発成功を夢みていた。弟のテリーはギャンブルが大好きだったが、恋人と共にそれなりの日々を送っていた。ある日ふたりは破格で売られていたヨットを購入し、カサンドラズドリーム号と名付ける。そんな平凡な毎日でも個人的に楽しんでいたイアンだが、ある女性に入れ込みだしてから状況が変わっていく。イアンは女優志望のその美女に対し、自分がお金持ちと偽って付き合っていた。その為日々お金がかかっていたが、ある日弟がギャンブルで大損を作ってしまう。

僕は全くギャンブルをしない人間です。昔は年末だけ買っていたけど、いまでは宝くじすら興味ない。
考えてみると僕はギャンブルしない、酒もタバコもやらない、嫁も子どももいない。なんにもない!
なんにもないけどすべてがある!、、ってそうゆう話はまた今度。とにかくギャンブルの魅力がまったく分からないんです。
この映画で弟はギャンブルで大損ぶっこいてしまうけど、端からみてアホだなあと思っていた。まったく不毛だ。

弟はギャンブルで作った借金を返す為に、兄は投資する(投資=金目当て=女をつなぐ)金の為に。一生懸命。
なんでそんなことの為に一生懸命になれるのか、みててとても不思議だった。僕にはお金や女性に対してそんなエネルギーはない。
ある意味で見習わないといけないことなのかもしれないけれど、、ない。ちょっとギラついた方がいいのかもしれないし。
でもお金にがめつい人ほど、お金を大切にしてない気がする。イメージね。本当に映画と関係ない話になってしまうけど。

そんな僕の意見をよそに、劇中の彼らはどうにかしないといけないので、色々と金策を練る。
最終的にはお金持ちの叔父さんに泣きつくことになるんだけど、叔父さんは意外な条件を提案する。
会話にも出てくるけど、そこからはもうギリシャ悲劇のように物事が転落していく。悪い方へ悪い方へ止まらない。
そうゆう転落していく物語って、趣味が悪く思われるかも知れないけど、とても面白かったりする。人ごとだからかな。

劇中、本当にウディ・アレン作品?と思わせるほどに、コメディめいたシーンもセリフもない。
かなりのシリアス路線だし、ラストもとても教訓めいてて、明るさは微塵も感じられない。
本格ミステリーとしてはそんなに深くないので、いまいちどうなのかと思うけど、映画としてはとても心に残る作品にはなった。
見栄は張るな!ギャンブルするな!自分の器を過信するな!そしてお金のことはきっちりと!と自分を戒めたい。

これでウディ・アレンのロンドン三部作はおしまい。

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The End_1279 多摩川 / Nikon F3

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右曲がりの尾根道
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The End_1278 渋谷 / NIkon F3

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レスラー顔負け
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「野川かさね・小林小百合 / 山と山小屋」

前の「山と写真」を読んでから山で撮る写真に変化があったかどうかは分かりませんが、その後も楽しく撮っています!
同じく野川かさねさんの写真と、小林小百合という人の本で、山小屋にスポットライトを当てた文章と写真の本。
それはそれは魅力的な文章と写真で、僕の初山中泊を良い感じにくすぐってきたんだけど、、どうしても山小屋という物のハードルが高い。
それこそ初めての登山と同じで、最初が嫌な印象になったら山まで嫌いになりそうで恐い。でももう僕はそんなことないかな。。
どちらにせよ極度の人見知りだし、山の中でまで他人に気を使いたくないから、最終的にはテント泊になるんだろうと思う。
だけど最初からそれで良いのか?と自問する部分はある。道具と一緒で、最初から便利というか快適であることは果たして良いことなんだろうか。
最終的にはテント泊になる。ということは、その前に小屋泊も体験しておいた方がいいのではないか。
小屋は小屋で良い部分も絶対あるだろうし、行ってみて嫌ならテントにすれば良い。でももし混んでしらない叔父さんと同じ布団で就寝、、
考えただけでも無理だ。

それでもこの本を読んでいると、そうゆう不安がほんの少しだけ薄れる。
それだけ魅力的に山小屋の良さと、実際にその山小屋にいる人の人柄や、暖かさが伝わってくる。
これは僕も見習わないといけないんだけど、文章と写真のバランスだと思います。
他人同士が写真と文章という別の表現方法で、ここまで同じベクトルで物を作れることが不思議でしょうがない。
よっぽど仲良しなんだなと思う。僕はひとりでやってたって、まとまりに欠けるものにしかならない。。

紹介されている山小屋は、八ヶ岳、北アルプスから、奥多摩やこないだ通った丹沢の大倉尾根にある花立山荘という身近なものまで。
本とは関係ない話だけど、ウェブで色んな登山ルートを調べてると、山頂だったり、ベンチだったり、山小屋だったり目印になるものが出てくる。
そこに実際いってみて実際に目で見てくると、想像より良かったりがっかりだったりもするけれど、どちらにしても頭の中で整理ができる感じがする。
想像と現実の間にあるモヤモヤしていたものが、霧が晴れるかのようにスルッとなくなっていく感じ。それがまた気持ち良い。

山小屋もシーズンオフの平日にいけばきっと空いてるさ。。快適さ。。と信じている。
明け方に山の中にいる幸せ。日帰り登山では不可能なその光景を想像すると今から楽しみです。
誰か連れてってくれないかな。。

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The End_1277 新宿 / Nikon F3

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そして増え続ける無
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The End_1276 新宿 / Nikon F3

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聞こえた様子がない
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「ウディ・アレン / タロットカード殺人事件」

ロンドン三部作の二作目ですが、先に言っちゃうと。。これが一番面白かった!
スカーレット・ヨハンソンが引き続き出演していますが、前作よりもコミカルな立ち位置ですごく良かった。
ウディ・アレン本人もメインで出演してて、相変わらずなおちゃらけ演技をみせています。
やっぱウディ・アレンの映画はコミカルさが合った方が良い!「ミッドナイト・イン・パリ」と同じくらい好きな映画になりました。

ジャーナリスト志望の女子学生サンドラは、ロンドンで行われていたマジックショーを鑑賞中だった。彼女は舞台に上げられ、中に入ったら消えてしまうという箱に入れられる。それはただのマジックの一部のはずだったが、彼女はその中で有名なジャーナリストの幽霊に出くわす。急死したそのジャーナリストはサンドラに、明るみに出なかった取っておきのスクープを伝え、自分の代わりにその事件を解明するように伝える。サンドラはショーをしていた手品師シドを巻き込み、事件の真相に近づく。

前作「マッチポイント」がわりとシリアスだったので、ロンドン三部作は愛欲にまみれた殺人を描いた、真面目路線なのかなと思ってたけど
事故で亡くなったジャーナリストがあの世に向かう船上から始まる。死神が舵を取る様は完全にドリフでウディ・アレンっぽいと安心すらさせる。
そのジャーナリストがコンタクトした人間がサンドラだった訳だけど、演じるスカーレット・ヨハンソンがとても良かったです。
もうこの子が好きと言っても過言ではないかも。そのくらいこの映画の彼女はチャーミングでした。お色気ムンムンよりこっちの方が断然いい。

予想通りな部分として、今作もロンドンの上流階級を舞台にした愛欲を交えた殺人事件。ということが共通事項みたいだけど
今作はイギリスの伝統的で土着的な部分もみえたり、ロンドンの切り裂きジャックを彷彿する通り魔事件を絡めたり、マッチポイントとはかなり違う。
明らかに怪しいヒュー・ジャックマンは、どうしてもエックスメンしか思い出せなくて困るけど。。
いくらなんでも、ちょっとビジュアルがアメコミヒーローすぎるんだよな。。プレステージの時にもそう思った。濃すぎ。

ミステリー、、といわれるとそこまで大層な仕掛けがあるわけでもないし、伏線という伏線もない。
あるとしたら、プールか。。全然びっくりしなかったし予想できる範囲だけど、びしょびしょでにっこり笑うサンドラは、とてもお茶目で良かった。
スマートを激走させるウディ・アレン演じるマジシャンのシドは、いいかんじの緩いオチになっててよかったです。
ちょっと出演しすぎ的な意見あるけど、キャラ先行は否めないけど演技はうまいんだろうし、どんどん出てもらって良いと思う。個人的には。

若いお姉ちゃんと、お爺ちゃんのコンビが犯人を突き止めていくんだけど、そのやりとりがまったくかみ合ってない。それが良い。
本当に短い暗号も覚えられない脳細胞の弱い老人と、見かけだけの恋心に自分を見失っている痛々しいまでの若人。もうバラバラで話にならない。
全然シリアスじゃないのにそれなりに濃密な内容で、95分の短い物語りだけどとてもドタバタで見応えありました。
もちろん突っ込み所はいっぱいあります。矛盾も多いし殺し方とか超ずさん!とか思うけど、これはこれで良いんだと思う。楽しめたもの。

これはもう一回みてもいいなーというくらい好きな映画になりました。
ウディ・アレンの好きな所がいっぱい詰まってたな。何度もいうけど、こっち路線の方が好みです。

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The End_1275 三宿 / Nikon F3

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ナポレオンのロシア遠征
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The End_1274 洗足 / Nikon F3

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静かな火山湖の底
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「ウディ・アレン / マッチポイント」

ウディ・アレンのロンドン三部作。ニューヨークのイメージが強いけど、スペインやパリを舞台にした彼の映画も多い気がする。
でもロンドンっていわれると確かに思い当たらないかも。。恋のロンドン狂騒曲があるけど、あれはラブコメだしな。
こちらの先品はもっとシリアスで、三部作通して男女の色恋がもたらすいろいろな(面倒くさい)物事を表していた。
スカーレット・ヨハンソンを迎え、イギリスの上流社会を舞台にした物語。殺人ミステリーです。

プロテニスプレイヤーだったクリスは、第一線から離れテニスクラブのコーチとして働いていた。生徒として知り合ったトムは大金持ちで、それがきっかけでトムの妹クロエと結婚することになる。しかしクリスはトムの婚約者であるアメリカ人女優のノラに心を奪われてしまう。そして不倫関係に陥った彼らが向かう結末とは。

練習が嫌だから。という理由でプロテニスプレイヤーの地位をあっさり捨てたクリス。
同じくらいあっさりと愛よりも地位を選ぶ。要するにとんでもなく自分勝手な奴だ、というのが率直な印象。
スカーレット・ヨハンソン演じるノラも、誰かれ構わずフェロモン丸出しで、婚約済の女性としてそれはどうなんだと思う節はあるけど。
それでもやっぱりクリスの適当っぷり、その場の埋め合わせっぷりは甚だしい。どんどんぼろが出てきて、最後自分でもパニックになってた。

アメリカ人女優がこうゆう性の象徴として描かれるのはある意味でとてもステレオタイプだなと思った。モンロー的な。
この話、言ってみたら愛欲まみれの行く末的な、現代のシェイクスピア的悲劇なのかもしれない。あまりシェイクスピアに詳しくないけど。
スカーレット・ヨハンソン、そうゆう意味では適役だったかもしれない。演技は全然嫌いではないし、むしろうまいと思うくらいだし。
彼女を苦手だと言ってる僕だけど、なんだかんだ結構みてるのですでにもう好きなのかも知れない。次の二作目も良かったし。

なにかとうまく言いくるめられて都合の良い女になっていたノラ。しかしあることをきっかけに豹変する。その変わり様は背筋が凍った。
そしてクリスからみると、その瞬間面倒くさい女に変わった。それがジワジワと表情に滲みでてくる様が見物でした。
クリス役のジョナサン・リースという俳優さん、全く知らないんだけど演技うまいね。男前だし。真顔が怖い。
だけどこの役はとても最低な役です。女性をかなり敵に回すと思います。それも演技の評価としては高いということか。

冒頭にテニスボールがネットを揺らしどちら側に落ちるか、、的な表現と、指輪のシーンがリンクしてくる様は切なくもありとてもうまいと思う。
とてもニューヨークっぽい表現です。孤独で切ない大都会。ポール・オースターのシティ・オブ・グラスみたいな。
人生は運でしかないと豪語するウディ・アレン。もしあれが向こう側に落ちていたら、、的な。
ウディ・アレン、こうゆうシリアスな作品も良いな。出たがりで女好き監督、ブラックジョーク、明るい下ネタももちろん良いけれど。

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The End_1273 多摩川 / Hasselblad 500CM

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マルセイユの宿は美しすぎてはいけない
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冷蔵庫の奥から使用期限が2年過ぎたブローニーフィルムが出てきたので、お久しぶりにハッセルブラッドに入れて適当に撮ってきました。
最近はこの木の下で寝転んでパンを食べながら本を読んでいます。

The End_1272 田園調布 / Hasselblad 500CM

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