
「スパイク・ジョーンズ / her」
二本立ての二本目。どちらかといえばこっちがお目当てでした。
ホアキン・フェニックスのファンなので!
近未来のロサンゼルス。新発売のOSは人工知能を携えていて、しかも学習、成長するOS。その音声アシスタントに恋心を抱いてしまった男、セオドアの物語。セオドアは依頼人の代わりに思いを文章にし、手紙にする代筆ライターをしていた。彼は長年連れ添った妻と離婚協議中で、傷心し憂鬱な日々を送っていた。ある日人工知能OS「サマンサ」の存在を知り、その個性的で魅力的な声、そして成長する人格に惹かれ、次第に彼女と過ごす毎日に幸福を感じるようになっていく。
まずいきなりだけど、音楽がとても良かった。サントラ欲しいと思ったくらい。
今YouTubeで聴きながら書いています。あらすじから分かる通り、結構気持ち悪い設定です。昔の「ときメモ」の女の子に恋をしてたのと同じだよな。
こうゆう少し気持ち悪い役が、どうしてもぴったりのホアキン・フェニックス。今回も怪演でした。
この人作品変わるたびに印象が全然違ってみえる。「マスター」の時も「ヴィレッジ」も「ウォーク・ザ・ライン」も全部違う。
iPhoneのSiriもそうだと思うけど、音声アシスタントってこれからもっともっと発達するんでしょう。
物語は近未来という設定なので、セオドアが音声でOSに指示しながら歩いてても、あまり違和感ない。
街中でも自宅でも、自然に音声でPCに指示してる。現代の日本だと音声指示、もしくはイヤホンで通話してる人をみると
独り言をいってる風でまだまだ違和感はある。だけどきっとそれも普通の光景になるんでしょう。僕、馴染めるかな。。
物語は一応ラブストーリーですが、相手がOSというバーチャルなもので、肉体が存在しないので一筋縄ではいかない。
だけど「恋に落ちる病」というのは人間だろうとOSだろうとあまり変わらないみたいで、その辺なんか自然だった。
さらにセオドアは離婚問題で傷心中だし、その傷口を癒やす存在が結果的にバーチャルだっただけで、人間とあまり変わらないんじゃないか。
そしてOSサマンサも成長し、感情を持つ人工知能であり、セオドアに対する感情は特別なもの。それは人間同士の恋愛より綺麗にさえみえた。
そして劇中には哲学的な問いが多くて、結構考えさせられる部分が多い。
セオドアが決断を問われてること、自分だったらどう応えるんだろう、どう行動するんだろうと考えた。それだけ感情移入してた。
「私のいる所は無限に続く抽象の世界。望んでもあなたのいる所には住めない。でももしあなたがここに訪れたら私を探してね。私は愛を知ったの」
「君に謝りたい。言葉を強要してすまなかった。1つだけ伝えたい、僕の心には君がいる。君がどこに行こうが愛を送ろう」
セオドアは離婚協議中というのを差し引いても、とにかく孤独だったんだ。
そんな時、いつもそばにいて理解してくれて、決して自分を否定しない存在がいたら、人工知能にだって恋をするのは自然だと思った。
僕はたぶんセオドアと同じくらい孤独な人間で、自己顕示欲が強いくせに重圧に弱い人間だ。
だからか気持ちが分かる気がした。ただ「大丈夫」と声をかけてほしいだけなのかもしれないけれど。
僕はこの映画、とても好きでした。ラブストーリーってあまりみないけど、これは変化球でありです。
スパイク・ジョーンズって名前しかしらなくて、他の作品はみたことないです。スパイク・リーとかぶる。。
離婚協議中の女性がべらぼうにカワイイと思ってみてた。ルーニー・マーラという女優さん。
調べたらなんと、フィンチャー版「ドラゴンタトゥーの女」のリスベット役の女の子か。。驚愕。

The End_1024 鋸山 / PLAUBEL makina 670
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