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海岸へ
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The End_966 古市場 / Nikon F3

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母の背中
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The End_965 古市場 / Nikon F3

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THE END
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すこしおやすみすることになります。

The End_964 古市場 / Nikon F3

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届かない手紙
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「ライフ・オブ・パイ」

映画館でみたのは先に書く事にしてる。岩井俊二特集があったので先に書いてたから、この映画をみたのは結構前のこと。
すごく宣伝してて絶賛されてたのも知ってたけど。僕はきっとみないと思ってた。サブタイトルも気に入らなかったし。
「トラと漂流した227日間」これは気が進まない。でも久しぶりに会った後輩の佐藤くんに薦められたのみてみた。
基本薦められたものはみる人間です。そうゆうきっかけはわりと大切にする人みたいです。

1976年。家族がインドで動物園を経営するパイは、カナダへ移住するために動物を載せて船にのり太平洋上を航行していた。その途中、大きな嵐が船を襲い難破してしまう。パイが命からがら乗り込んだ小さなボートには、シマウマ、ハイエナ、オランウータン。そしてベンガルトラが乗っていた。パイの長い漂流の旅が始まる。

これネタバレしたらまずい映画なので気を付けて書きます。
予告編は何度かみてたけど、予想できない展開でした。「こんな映画だったんだ」というのが素直な感想。
結果的にみて損はなかったと思う。佐藤くんいう様に映像は本当に本当に綺麗だし。
大海原の絵も、ミーアキャットも、ザトウクジラとかもう、すべて雄大で圧巻です。それだけでもみる価値あり。

漂流前の30分でいろんな伏線が張られてる。パイという人物は3っの宗教を信仰する人間ということ。
その中の「クリシュナ神の口の中に広がる宇宙」とか、キリストの原罪の話が物語にどう絡んでくるか。
わりとドキドキしながらみていた。宗教の神話とか、結構好きなんです。宗教上の教えが現実となりパイを襲う。
海はもちろん、太陽や風なども。そして信仰心にのっとる気持ちと、抗う現実的なパイの精神状態。。

とにかく暗喩であふれている映画です。だからいろんな取り方ができるし、初見では分からない部分は多い。
いろいろ調べるとスレッドはいっぱい立っていて、いろんな意見が飛び交っていた。
本当にネタバレしちゃうと意味がない映画なので語れません。でも面白い話を見付けたので転載します。
トラの名前は「リチャード・パーカー」って言うんだけど。物語ではそのことにあまり触れていない。でも。

小説家、エドガー・アラン・ポーが1837年に発表した長編小説「ナンタケット島出身のアーサー・ゴードン・ピムの物語」の登場人物のひとりがリチャード・パーカーという名前だった。この小説は海を漂流中に食料が尽きた4人の男が、“いけにえ”となるひとりをクジで選ぶという恐怖物語。その結果、仲間に食べられるはめになった哀れな船員がリチャード・パーカー。 そしてポーの小説発表から47年後の1884年“ミニョネット号事件”と呼ばれる摩訶不思議な事件が実際に起こった。イギリスからオーストラリアに向けて航海中のミニョネット号が難破し、乗組員4人は救命ボートで脱出。漂流20日目、衰弱した最年少17歳の乗組員が殺害され、他の3人の食料となった。生き残った3人は後日、裁判にかけられたが、何と殺された少年の名前はリチャード・パーカーだった。

うー。これはどうなんだろう。関係あるのかな。ないのかな。
ぜひみてみてください!みた人はとは語り合いたいです。

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The End_963 渋谷 / Nikon F3

「THE END WEB STORE」 いろいろ売ってます

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自分が思う未来
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「岩井俊二 / 市川崑物語」

さあ、そして岩井俊二特集、最後の作品。これも未見の作品です。
しかも僕は市川崑という監督に疎い。というかほぼ知らない。
金田一耕助シリーズ。と聞いて初めて理解するくらいです。
結果として、この映画をみて、市川崑という人物にものすごく興味が湧いています。

映画監督、市川崑の幼少期から戦争を経て現在に至るまでの物語を、岩井俊二監督がまとめたドキュメンタリー映画。市川崑のアニメーター時代のエピソードや、奥さんでもあり脚本家としてのパートナーでもある和田夏十との思い出など、映画人市川崑ができるまでの過程が凝縮されている物語。岩井俊二、談「歳の差なんて関係ない、この世で一番話の合う人に出会ってしまった」

もう一度言うけど、僕は市川崑という人間について、ほぼ無知である。
そのおかげで、まっさらな気持ちで映画に望めたのが良かったんだと思う。
ナレーションはなくて、すべてテロップで表現されていた。巻き上げの音と共に。
ちょっとリリィシュシュのタイピングに似た感じも。

生い立ちから、太平洋戦争の徴兵を検査を二回もすり抜けた件。
ディズニーのファンタジアに感銘を受け、アニメーターを志したこと。
紆余曲折あり、実写の映画監督になり、それから映画人といわれるまでの半生。
映画における手法や、表現、音楽など全てが岩井俊二を通してまとめられている。

そしてなによりも、奥さんだった和田夏十の存在を語るシーンはもう外せない。
すごくサバサバした、強い女性というイメージ。だけど全然冷たくない。人間味、暖かさ。
昭和はやはり女性が強かった時代だったのかも。男はいつも女性に支えられているのだ。縁の下の力持ち的に。
乳がんと診断され、18年の長い闘病の末亡くなった。その件は荒木経惟の奥さんを彷彿させて、僕は泣いた。

岩井俊二ならではの解釈と演出が僕には合っていて、ぐんぐん身体の中に市川崑が入ってきた。
市川崑監督も、この映画が公開された2006年は健在だったけど2008年に逝去。満92歳。
僕はこれから市川崑監督作品、横溝正史原作のもの。いわゆる金田一耕助シリーズをみるつもりだ。
古谷一行じゃないよ。豊川悦司でもないよ。石坂浩二ね。

これで岩井俊二特集はおしまい!

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The End_962 芝公園 / Nikon F3

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しずかな毎日へ
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「岩井俊二 / PiCNiC」

目黒シネマの岩井俊二特集。三本立ての二作目。CHARAと浅野忠信主演作品。
ふたりの出会いのきっかけになったので、ファンの間でこの映画はよく伝説的に語られている。
もう一人主演の橋爪浩一という俳優さんは、その後全然みないと思ったら事故で他界していた。
1999年7月のことらしい。ノストラダムス。。

少女ココは両親に見捨てられ、精神病院へ入れられた。その施設は平温を取り戻すには難しい場所であり、ココはますます心を閉ざしていく。ある日ココは施設で知り合ったツムジとサトルという少年が、施設の塀を乗り越えて探検に出かけるのを発見し、ココも同行した。しかしある場所より向こうへは行かない二人をみて、ココはあっさり境界を飛び越え、向こう側へいってしまう。「塀の上なら、いいのよ」といって。

映画がどうこうの前に「浅野忠信」という人物。僕らの世代はこの人のことを崇拝している人が多かった。
いわゆるアイドルでも、ストリートでも、ヤンキーでも、ヒップホップでもない彼に皆が憧れてた。
それは男性も女性も、もちろん僕も。今でも好きな俳優のひとり。カリスマとはちょっと違う存在。憧れか。
そしてCHARA。このふたりが付き合い、結婚したことがもう僕らの世代ではとんでもないことなのだ。

とんでもないこと。。いや、違うな。なんか「なるべくしてなった感」がすごくあって羨ましかったんだ。
「CHARA / タイムマシーン」のPVをみてると今でも胸がグッとくる。
別れの歌って所が、現在は別れているという現状とラップして、また僕の感傷感を後押しする。
結果的に別れたから、全ては真実じゃなかったのか?そうじゃないよな。その時も今も真実なんだ。アディオス。

映画の話。これは鬱映画とくくっても良いんだと思う。物語性がなさすぎるという意見もわりとある。
だけどこの時代の邦画ってほとんどこんな感じだったよな。「邦画はつまらない」という世間的な流れがあった時代。
ハリウッド映画全盛だったから。オチがないから。テーマが明快じゃないから。スカッとしないから。そういわれた時代。
でも僕はその頃の邦画が大好きだった。アメリカ映画も好きだったけど、ハリウッド映画はあまりみない人だった。今も。

問題定義して、後は観てる側のとりように任せます。という所が批判の対象だったりすることが多いけど。
基本的に物語りってそうゆうものだと思う。教科書じゃないんだから。答えもないし。あっても面白くないでしょ?
この映画もまさにそれで、陰鬱な状況や深層心理。分裂症めいた痛々しい表現は多い。そしてオチも、あるけどない。
そんなテーマでも映像はスタイリッシュで、儚く、センチメンタル。そこら辺は岩井俊二です。すごく岩井俊二です。

暗喩で満ちあふれた物語なので、いろんな解釈ができると思う。僕の断片的な解釈。
「塀」「神」「世界」という単語。カラスの羽をまとったココは悪魔?たぶん黒い天使。
天使は何を救う?死ぬことも生きることも怖かったツムジ。そして「地球最後のキス」
岩井俊二特有の、逆光がまぶしい映画。初夏をおもわせる雰囲気の映画。いいタイミングでみてよかったです。

目黒シネマで、ごめんなさい!おとといまでで終了!

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The End_961 御成門 / Nikon F3

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住民票はドミトリー
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「岩井俊二 / FRIED DRAGON FISH」

目黒シネマの岩井俊二特集。第四弾。
長かったこの企画もこれにて終了です。
三本立ての一作目。浅野忠信出演作品。
すごく昔にみた記憶はあるけど、内容はほぼ覚えてなかった。

探偵事務所を経営する男は、営業マンから情報サービス「デルタワークス」の説明を受けていた。探偵は、オペレーターの「デルタレディ」に期待をして無料キャンペーンを試すことにした。ある生物学者のペットであるドラゴンフィッシュの捜索を依頼されていた探偵は、現れたオペレーター「プー・リンウォン」と一緒にデルタワークスを使い捜索を始めた。しかしどのルートを通っても「トビヤマ」という単語にトップシークレットのセキュリティがかかっており、情報が引き出せなかった。

面白かった。ハードボイルドだった。ハードボイルド=ペスパ神話には突っ込みがあったけど。
そういえば昔、それこそ中高生の頃「雑居ビルに住む」という大きな夢があったのを思い出した。
湾岸地帯。無機質で少しだけ廃墟感があるインテリア。応接セットで寝る。シンクも業務用。
大人になったらこうゆう所に住むんだ。という思いがあった。今、その気は、ない。

浅野忠信の役どころの説明がまったくなかった。雰囲気でつかめるけど。
少年とも青年ともいえない、間の微妙な年齢がよりミステリアスさを増してた。
ハードボイルド映画にありがちなラブストーリーだけど、芳本美代子のチープさがすごくいい。
恋に落ちるのは時間ではないのだ。しがらみや立場などまったく関係がないのだ!

演出や編集に時代を感じてしまい、少し鼻につく所があるんだけど
映像もいわゆる太陽に吠えろ的なものではなく、スタイリッシュ。岩井俊二。
ラストにCHARAの曲が流れた時は、もうなんだろ、ハッとする。
そしてこの後、浅野とCHARA出演の「PiCNiC」につながるのだ。

目黒シネマで、ごめんなさい、今日まで!

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The End_960 洗足 / Nikon F3

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ジュードー・ガール











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双子の姉妹
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「村上春樹 / 夢を見るために毎朝僕は目覚めるのです」

以前に断念した、村上龍の小説を再チャレンジしようと思って、本棚を探してたら目当ての本がなかった。
絶対あるはずだけどない。このテンションを逃したら次に村上龍を読む機会は、何年後になるかわからない。
ということで書店に買いにいった。アマゾンでもよかったんだけど、すぐに読みたかった。もうすぐに。
しかし書店にも目当ての本はなかった。しょうがないから村上龍じゃなくて村上春樹のインタビュー集を買ってきた。

これがまた面白かった。あとがきをいれると580P越えの決して短くない物なんだけど、すぐ読めちゃいます。
インタビュー集なので物語性もないし、読んでてなにがあるかっつったらなにもないんだけど、面白い。
そうゆう風に文章を「ただ読む」ことの気持ちよさって僕にはすごくあって、ストレス発散になってると思う。
文章を読み、それが脳みそを通り、何かを感じ、何かを捨て、何かが残る。なによりもその行為と時間が好きです。

今さら言うな。となりますが僕は村上春樹の大ファンです。だけどこの本で改めて村上春樹ってすごいと思った。
そう思わせる文章は読み始めてすぐにあった。インタビューは1997年で「アンダーグラウンド」刊行後すぐの時期。
後に出る「約束された場所で」という作品の為に、著者がオウム真理教の信者に対してインタビューしてる頃。
※「アンダーグラウンド」は地下鉄サリンの被害者にインタビューしたもの。それは依然未読のまま!

以下引用ー
若い人々には多くの場合「チェッキングシステム」のようなものがまだ具わってません。ある見解や行動が、客観的に見て正しいか正しくないかを査定するシステムが、彼らの中で定まっていないのです。そうゆう「査定基準」みたいなものを彼らに与えるのは、我々小説家のひとつの役目ではないかと考えています。(中略)僕は思うんだけど、物語を体験するというのは、他人の靴に足を入れることです。世界には無数の異なった形やサイズの靴があります。そしてその靴に足を入れることによって、あなたは別の誰かの目を通して世界を見ることになる。そのように善き物語を通して、真剣な物語を通して、あなたは世界の中にある何かを徐々に学んでいくことになります。しかしそのような教団にいる若者たちが実際に与えられたのは、決して「善き物語」ではありませんでした。教祖である麻原は若者にその物語を与え、彼らはその物語のパワーの中に閉じ込められてしまった。麻原はそうゆう強い力を持っていたようです。悪しき力を発揮する物語を与える力を。そういう面で、ことの是非はともかく、僕は彼らに同情しないわけにはいかなかったのです。残念に思わないわけにはいかない。僕らが人々に対して、特に若い人々に対して「善き物語」を十分に与えられなかったことについて。

ぼくはこの文章を読んでえらーく感動してしまった。

あれだけ強烈な個性を出す作家なのに、根幹の部分では小説における社会的義務を考えていること。
そして自分とは直接関係ない事件に対して責任を感じている。ということにえらく心が動いた。
だけどこれは著者だけではなく、社会に関わる大人全員の問題であり、責任の事をいってると僕は思う。
僕ら大人の言動、一つ一つが社会に影響を与えるということを自覚して生きなければいけない。と。

「良い価値観」を与えられる人にならないといけない。これは表現をしてる人に限った話ではない。
会社員も専業主婦も写真家も建築家も教師も高齢者も若輩者も放浪者もデザイナーも誰でもみんな。
でも、じゃあそうゆう物(事)を与えられる為にはどうすればいいのか。そんなことは僕にも分からない。
そうゆう姿勢で毎日を生きるだけでいいのかなとも思う。それは自分の為にもいい事なのかもしれない。

この本の終盤には、聞き手に古川日出男が登場する。これがまた面白かった。
2002年に「中国行きのスロウボートRMX」という村上春樹トリビュート作品を書いていた人。
僕はその時からのファンで「ベルカ吠えないのか?」「サマーバケーションEP」とかすごく好きだった。
この節だけインタビューではなく対談になってた。作家と作家の対談。しかもこの二人。感慨深い。

この本を読んで話題にあがってた作品。特に「アンダーグラウンド」と「スプートニクの恋人」はとても読みたくなった。
特にアンダーグラウンドは村上春樹作品の中で唯一未読の作品なので、自然とテンションは上がっています。
でも村上龍。読まないといけないな。。また億劫になってる自分がいる。とりあえずアマゾンで注文しておこう。
読むタイミングはまたくるであろう。そして僕の本棚は順番待ちの小説でいっぱいになっていくのだ。

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The End_959 阿佐ヶ谷 / Nikon F3

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夏がくる前に
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「岩井俊二 / 打ち上げ花火、下から見るか?横から見るか?」

岩井俊二特集、第三弾の二本目。テレビドラマで製作されたものの映画化。
もう何回もみてる気がする。けど、毎回僕のセンチメンタル感情を引き出す作品。
時代設定と、当時の僕の年齢がまったくもってシンクロすることと
やっぱり「岩井俊二作品」というものは僕の中で大きいものみたいです。

小学生のノリミチは夏休み中だが、登校日で学校に向かった。同級生の女の子、ナズナに密かに恋心を寄せていたノリミチだが、抱える感情をどうすればいいか分からず、モヤモヤした日々を送っていた。その日は町の花火大会。友達の間では、打ち上げ花火を横から見たら平べったいのか、丸いのかで論争になっていた。それを確かめにいくことになるが、ノリミチはナズナに花火大会に行こうと誘われてしまう。

映画公開時、リアルに小学6年生だった僕らには懐かしすぎるキーワードが多くでてくる。
スーパーファミコン、Jリーグ開幕、ミサンガ、CATのTシャツ笑。そして夏休み、花火大会、と初恋。
「青春」と言われる時期に入る少し前。でも女の子はやっぱりませてて、男よりも少し先を行くのだ。
物語は特に目立ったことは起きないんだけど、懐かしさやあの頃には戻れない淋しさとで、僕は少し泣いた。



夏休みの夜中に誰もいないプールに、初恋の女の子と一緒に忍び込む。
なんてエピソードは、現実の僕には起こらなかった。起きなかったはずなのに懐かしく思うのは僕だけか。
ナズナは自分より大人びていて、なんだかわからないけど、子どもな自分が恥ずかしいと思った。
現実の僕にはそんな人いなかったけれど、いたような気がするのは僕だけか!

時代は違っても誰の心の中にもある共通の思い出、原風景みたいなものなのかもしれない。
ただ記憶が美化されてるだけかもだけれど、年齢を重ねるほどこの作品の良さが身に染みてくる。
まだ時間が無限だった頃、夕方の時間帯が今よりも長かった。そもそも一日が永遠のように長かった。
そして季節や世界が今よりも自分に近かった。今はもう遠いよ。

あの頃は自分が34歳になるなんてこと想像なんてできなかった。
でもしっかり時間は過ぎていて、今ではあの頃のことを懐かしく思い出すことしかできなくなった。
もしあの時こうしてたら、もしあの時ちがう選択をしていたら、今とは違う人生だったのかもしれない。
後悔じゃなく、そんなことを想像してセンチメンタルになってしまう。もう戻れないということも後押しして。

しかしこの頃の奥菜恵、実年齢は14歳だったみたいだけど、妙な大人っぽさが出ててナイスキャスティングです。
同年代の女の子は成長が早くて(僕が3月生まれということもあり)みんななんだか大人っぽかった。
少女と女性の間の時期。ナイスキャスティングでした。男はいつまでたってもあの頃のまま、バカだったりするけど。
えーと、ごめんなさい。目黒シネマで、本日まで!

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The End_958 渋谷 / Nikon F3

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ポリティカル・ポリティカル
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「岩井俊二 / ヴァンパイア」

目黒シネマでやってる岩井俊二特集、第三弾。
前回のリリィ・シュシュと、スワロウテイルの二本立てに続いて行ってきました。
「ヴァンパイア」「打ち上げ花火、下から見るか?上から見るか?」「四月物語」の三本立て。
近所にこうゆう名画座があるのはすごく嬉しい。早稲田松竹が近くにあったら、僕もっと嬉しい。

高校の生物教師であるサイモンは、自殺サイトで知り合った女性と落ち合い、自殺の幇助をするといいつつ血液を抜き取る行為を繰り返していた。ちまたでは「ヴァンパイア」と騒がれだすが、当の本人は集めた血液を飲もうとすると吐いてしまったり、ある事件を目撃したときに極度に動揺してしまったりする。アルツハイマーを患う母との生活に、サイモンに好意を寄せる女性が出入りするが、静かにいつも通りの毎日を送っていた。とある自殺志願者と出会うまでは。

血が苦手な僕がよくみる気になったな。と自分でも思う。理由は岩井俊二作品ということだけ。
これはすごく不思議な映画。タイトルが「ヴァンパイア」だから、自然と吸血鬼という目線でみてしまうけど
冒頭から大いなる疑問が湧いてくる。血を飲もうとして吐き出してしまったり、ある男の行為に激しく憤ったり。
こいつは本当にヴァンパイアなのか?という大きな疑問を抱えながらみることになる。

いままで数多くあるヴァンパイア映画は、大きく二つに分かれると思う。
スーパーマン的な超人ヴァンパイアと、社会から隠れ、コソコソ血を求める絶滅危惧種ヴァンパイア。
今作は完全に後者で社会に溶け込み、超人的なパワーもなく空も飛べない。そもそも本当にヴァンパイアかどうか。
もちろん日を浴びても大丈夫だし、コウモリに変身することもなく、ニンニクも十字架も嫌がらない。

多分この物語の肝はそこじゃないのかもと思ったら、すごく緻密に作られた映画にみえてきた。
日本公開のコピー「惹かれあう孤独な魂たち、この世の果ての恋物語」というのもあって。
彼がヴァンパイアかどうかはみてる側が決めればいいことで、もしかしたらどっちでもいいこと。
ラストのシーンは過去の回想だと思うけど、そのシーンが物語ってると思います。最後の一言もしかり。

自殺や血液嗜好症という陰鬱なテーマがみえるけど、あくまでもラブストーリーだということ。
目に見える、表にでてくる愛情表現ではなく、お互いが心から惹かれあう微少な心の動き。
コピーの文句を借りれば「惹かれあう孤独な魂たち」というのがまさに。です。
僕が岩井俊二作品を好きな理由はこれで、押しつけがましくない静かなメッセージ。これにつきるのです。

デジタル作品で岩井俊二感がどこまででるんだろうと思ってみてた。
冒頭の印象はやっぱりデジタル感が否めなくて、シャープで綺麗すぎて、少しガッカリした。
だけどみてるうちにやっぱり岩井俊二だと思った。逆光や瞬きの感じとか、従来とは違うけど岩井俊二だった。
映画「神の子どもたちはみな踊る」をなんとなく思い出した。グレーとブルーとグリーンの感じ。

アデレイド・クレメンスという女優さんが良かった。
マライア・キャリーとミシェル・ウィリアムズを足して割ったような人
蒼井優も日本人留学生という役で出てるけど、やっぱり良かった。
目黒シネマで今週金曜日までやってます。

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The End_957 駒沢 / Nikon F3

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タイトルなし
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「ブラック・ホーク・ダウン」

戦争映画は苦手だ。でも名作といわれる物はみておきたい。でもやっぱり苦手だ。
この映画も名作とうたわれ、いろんな所でプッシュされている。事実を元にしたものというのもあるのかな。
「ブレードランナー」を借りにいって、もう一本が決まらなかった。戦争ものだけど、としょうがなく決めた。
だけどこの映画、監督が同じリドリー・スコットという偶然。そうゆうのたまにある。

1993年ソマリアの首都モガディシオに100名の米軍特殊部隊の兵士が降り立った。彼らの任務は「30分あまりで終わる任務」と思われていた。しかしアメリカ軍がこれだけの多くの死傷者を出したのは、ベトナム戦争後初。とまでいわれるまでの大きな戦闘になってしまう。戦況は時間を増すたびに悪くなり、ブラックホークと言われるヘリコプターもついに撃墜されてしまう。事実に基づいた物語であり、アメリカ軍が紛争介入を考え直すきっかけとなる事件の映画化。

やっぱり戦争映画はみててきつかった。今作は血&グロ表現は(戦争映画にしては)少なかったので助かったけど。
簡単に考えてたけど作戦通りいかなくて、やいのやいのして、大変なことになっちゃった!というのがシンプルな感想。
だけどそれだけじゃなくて「あたり前のことがあたり前にならないことの恐怖」という印象が僕は大きかった。
イレギュラーな事態に即座に対応できる人間って少ない。それが大人数であればあるほど、事態は好転しない。

米兵はソマリア民兵に仲間を撃たれ、怒りの中銃をぶっ放し、役名どころか顔も映らないソマリア兵を殺しまくる。
「仲間を殺されたんだから、どんどん殺してもいいのだ」というようにゲリラも市民も関係なく撃ちまくる。
でもそのソマリア兵にも仲間がいて、仲間は米兵になにくそ感で突っ込んでくる。
米兵の死はスローモーションで演出され、ソマリア兵の死は遠目で倒れるだけ。ハッキリいうと不快だった。

戦地から基地に戻り、また出陣する際。行くのが怖いと言い出す兵がいる。
上司に自分で決めろと言われ、悩み、結果また戦地に行く決断をする。劇的な音楽で美化されて。
すごく違和感があった。行きたくないのあたりまえじゃん。それでも勇気とともに戦地に行くのが愛国心?
僕にはどうしてもそう思えない。「アメリカはこんなにすごいんですよ」的なプロパガンダ感が強かった。

「戦争」ってことに着目すると、僕からはこうゆう批判しかでてこないけど、映画としてはリアリティがあり
ニュースでただ流れる「遠い国で起こった自分とは関係ない事件」で終わらなくなったので、みて良かったです。
ソマリアという国は今でも無政府状態で武力が物を言う国。ソマリア沖の海賊はいまでも増加してるらしい。
アメリカが介入しなくなったことは良い事だったのかどうか、僕には難しすぎてわからん。

映画とはちょっと話がそれるけど、、
ソマリアの人たちは戦争に参加してる人も一般市民も、人海戦術でアメリカ軍の作戦に対抗してくる。
これが最高に恐怖だった。そして作戦を失敗に導いた最大の要因がこれ。暴徒と化した大人数の人間ほど怖いことはない。
最終的には人が一番のウェポンだった。

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The End_956 阿佐ヶ谷 / Nikon F3

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