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真夜中のテレビジョン
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「ペルソナ3P」

「ペルソナ4G」がどこをみても絶大な評価を得てで、しかも発売して随分立つのに中古価格で5000円を切らない。
しかしそこは女神転生のアトラス。大いに癖があるのは知っている。
好きな人はどっぷり好きだけど、苦手な人はまったくダメなゲームを作る会社というイメージ。
僕は女神転生は未体験者なので、5000円出してまったく受け付けなかったらやだな。。というハードルがあった。

そんな時「ペルソナ3P」のダウンロード版がセールですごく安くなってたから、とりあえず試しに。。的に購入。
ペルソナ3Pはペルソナ4Gと同じようなシステムで、負けず劣らず高評価されているゲームなので期待は高かったです。
結果、、どっぷりはまりました。それはもうどっぷりと。。こんなに中毒性の高いゲームは珍しい。
それ以上に物語もすごく哲学的で、深く、誰にでも訪れるものをテーマにしてるからか、どっぷりと入り込みました。

一日と一日の間にあるといわれる「影時間」通常の人間には記憶に残らない狭間の時間だが、この時間に適応できる人間が存在する。彼らは月光館学園で「特別課外活動部」を結成し、影時間に現れ人間を襲い人の心を喰って、人間を無気力状態にする「シャドウ」を討伐しようしていた。シャドウに喰われる事件が頻繁に起こりだした4月。月光館学園に転校してきた一人の生徒がいた。そして彼もまた影時間に適応できる素質を持っていた。

「特別課外活動部」のメンバー、というか影時間に適応できる素質を持った人間は「ペルソナ」を持っている。
ペルソナとは自分を映す鏡であり、もう一人の自分。召喚するときに銃で自分の頭を撃つその仕草が刺激的。
ペルソナを呼び出す度に自分の中の何かがが、少しずつなくなっていくような感じがひしひしと伝わる。
「少しずつ死んでいる」感じになるのだ。村上春樹っぽくてあれがあれだけど。

大きな意味でのメッセージは「時間」が有限ということと、誰にでも訪れる「死」の意識ということ。
そうゆう超普遍的なものが根幹になっている。内容的には結構な鬱ゲーだと思います。
僕が好きなんだから、ま、あたりまえか。あたりまえだな。

しかし影時間を利用してタルタロスという自動生成ダンジョンを攻略していくんだけどこれがまた長い。
ネタバレにならないと思うので言っちゃうと、最終的には260階以上まである。
しかもランダムダンジョンだし、隠しアイテムやミッションもあるので、何回も登る。それはもう何回も。
その単純作業がまた依存度をアップさせていく。しかも惰性感はまったくなくて緊張感は大いにある。

という訳でペルソナに信用感ができたので、自信を持ってペルソナ4Gを買うことにした。もう買った。
6月に「ペルソナQ」冬に「ペルソナ5」が出るので、2014年はペルソナイヤーになること必至!な感じです。

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The End_933 洗足 / Nikon F3

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親愛なる五月へ
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「西澤保彦 / 黄金色の祈り」

最近そんなのばかりですが、この人の小説も初めて読んだ。本棚暖め隊の一作品。

中学時代「僕」は吹奏楽部に入部した。ある日上級生のアルトサックスが盗まれる事件が起こる。しかしそれはこれから起こる大きな事件に繋がった小さな事件でしかなかった。他人をうらやみ、成功することばかりを考えている「僕」の半生を描いたミステリー小説。

一応ミステリー小説とジャンル分けされているけど、自伝的になニオイありの青春小説。
時代も場所も違えど、芦原すなおの青春デンデケデケデケ的な雰囲気もありで楽しめる。
あれとはまた違う10代男子のダメさっぷり。しょーもさなっぷりが出てて懐かしい。
振り返ると穴が会ったら入りたいという、赤面必至の記憶は男子には必要なことなのだ。きっと。

物語は中学校の旧校舎、しかも天井裏で変死体が見つかった事件から始まる。
死体は死後半年〜1年は経過していて、白骨化していた。そして遺体の傍にはアルトサックスが置かれていた。
この始まり方からいくとバリバリのミステリーなのかと思ったけど、結構ゆるい感じで話は進んでいく。
ちょいちょい事件の伏線めいた物が出てくるけど、基本的には主人公のダメな感じがつらつらと描かれる。

主人公は典型的にダメな男子。ダメというのは語弊があるかもしれないけど。ダメ。
いわゆる「一つの事をずっとできない人」だ。ちょっとやってダメなら次へ。それもダメならまた次へ。
諦める時にはそれなりの理由を作り自分を正当化する。そして新しい野望を掲げるけど根拠はなにもない。
ダメだなあ。と思いながら、自分もそうゆう所あるよな、とも思う。多分誰でも多かれ少なかれあると思う。

今僕がこの歳になってみて思うんだけど、それはそれで全然悪いことじゃないんだろうな。
いろいろやってみることはいいことだし、諦めが肝心なことも大いにある。しょうもない言い訳もでる。
そうゆう赤面エピソードはほろ苦い思い出になるし、よっぽどのアホじゃない限りそのままじゃダメなことに気付く。
自分の世界に線を引くことになる。それまでは赤面エピソードでもあるにこしたことは無いような気がする。

ミステリーという面で引っ掛けられた感じはしなかった。犯人?的なものも半分くらい読んでイメージできた。
それだけ聞くとあまりおすすめできる小説ではないかもしれないけれど、青春小説という意味ではおすすめできるかも。
きらびやかな汗ほとばしる青春ではなく、陰鬱で、コンプレックスと自意識の塊の時期を懐かしく思える人にはおすすめ。
この歳になって読んだのがまた良かったのかもしれない。いい印象が残った小説になりました。

自分は特別。自分はなんでもできる。何にでもなれる。と信じていた時期。誰にでもあるんだと思う。
だけど自分にはなんの才能もないということに気付く時がくる。自分はなにも特別じゃなく、ただの一般人だと。
自分が無力だということを認めることが大人になるということなのかもしれない。そう考えると少し淋しい気もする。
ちなみに小生はまだ「何にでもなれる」と思っています。それがこじらせ系と思われる要因かもしれない。

でもそれでいいのです。

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The End_932 駒場 / Nikon F3

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スプートニク号の行方
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The End_931 川崎 / Nikon F3

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きみが元気でいることを
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「華麗なるギャッツビー」

ツタヤの会員を更新したら、1本無料で借りられるっつークーポン貰った。
なので「おもしろくないんだろうけど、いつかみないといけないような気がする映画」をみようと思った。
それでみたのがこの映画、F・S・フィッツジェラルドの名作「グレート・ギャッツビー」のリメイク映画。
ディカプリオに加えキャリー・マリガン、トビー・マグワイアなど有名な俳優陣と音楽、膨大な制作費も話題となった。

1920年代のアメリカ。アメリカンドリームを求め中西部からニューヨークへやって来た作家志望のニックは、運河を隔てた向こう側に、従姉妹のデイジーと夫で女好きのブキャナンが住んでいた為引っ越し先をそこに決めた。しかしその隣には宮殿のような豪邸があり、夜な夜な豪華絢爛なパーティーを開かれていた。それは謎の多い大富豪ジェイ・ギャッツビーの邸宅だった。彼と仲良くなったニックは、ギャッツビーの口から生い立ちを聞くことになるが、どこか出来すぎた話に違和感を感じていた。

えーと。ごめんなさい。僕はどんな映画も最後までみるタイプの人間なんだけど、この映画は無理でした。
なんかもうコメントしづらい感じで申し訳ないんだけど、はっきり言うと最高に最低な映画でした。
全ての表現が僕の中で「否定」に変わってしまい、見てるのが苦痛だった。なので1時間ほどででやめさせて頂いた。
なにがそんなに嫌だったのかの話になるので、好きな人は嫌悪感を抱くと思うので読まないでください。

まず狙ってるんだろうけど、あのやり過ぎなCG表現、劇的すぎるカメラアングル。
あからさまな演技と演出、そして何よりも音楽が嫌だ。JAY-Zとかもう本当に勘弁して欲しい。
原作が物語っていた普遍的な部分の表現が、画質や派手な表現というものでごまかされている感じがした。
見てくればっかり豪華で内容スカスカじゃないか。と言ったら言い過ぎなんだろうか。

懐古主義と言われたたらそれまでなんだけど、オリジナルの映画の方が100倍良いです。
オリジナルのギャッツビー役は、ロバート・レッドフォード。僕が大ファンなので色眼鏡もあります。
だけど、オリジナルには原作にあった、切なさやギャッツビーの孤独感がすごく出てた。
その映画でさえ原作ファンには批判されてたらしいけど、このリメイクはもっと酷いと思う。

不思議なのは昔の映画の方がCGやセットの技術などは格段に低いはずだけど
CGギラギラなリメイクの豪華さよりも、昔の映画の方が豪華に見えてしまう。
そして物語も、ギャッツビーの孤独さや、人生の虚しさが僕の心に響くのだ。
このリメイク、僕はDVDでみたけどシアターでは3D上映だったみたい。知らんわ!

キャリー・マリガンだけは良かった。ぼくやっぱりあの人のはにかんだ笑顔が好きみたい。

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The End_930 羽根木 / Nikon F3

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明日僕がどんな夢をみるのか
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「テイク・ディス・ワルツ」

僕はミシェル・ウィリアムズが大好きだ。ランド・オブ・プレンティ、ブルー・バレンタインとか。
自然な感じや、笑顔がチャーミングなのもあるけれど、少しブサイクで、太り気味なところとか大好きだ。
基本的に絶世の美女という女性よりも(そうゆう人ももちろん好きだけど)すこしブスな方が安心する。
キャリー・マリガンも同じかもしれない。ピチピチしてた若い頃よりも、今の少しダレた感じの方がいい。

結婚して5年のマーゴ。料理研究家で優しい夫、ルーとの間に子どもはいないけれど仲良く充実した生活を送っていた。ある日フリーライターのマーゴは取材で訪れた場所で、ダニエルという男性と出会う。最初は声を掛けあう程度だったが、帰りの飛行機で席が隣になり、タクシーまで一緒になったあげく、自宅の斜め向かいに引っ越してきた隣人だった。マーゴは彼に恋心を抱きながらも、夫との日常の幸せの大切さを自覚しており葛藤する。

ライトなミニシアター系ラブストーリーかと思ってたら、結構深い内容の映画だった。
簡単にまとめてしまうと妻の浮気話なんだけど、ダニエルの人妻ハンターっぷりもすごい。
マンガみたいな偶然から始まったものだけど、夫がいるという状況で大半は終わってしまうはずだ。
しかしダニエルはイケメンなうえに、ストーカーまがいなギリギリの攻撃を浴びせマーゴをメロメロにしてしまう。

これは人妻じゃなくても落ちるわ!という所がいっぱいあって勉強?になりました。

しかし夫の気持ちは痛いほど伝わった。男性(僕も)ってこうゆう時にこうゆう感じになるなる。と共感ばかりだった。
監督は女性で元女優さん「死ぬまでにしたい10のこと」の人だそうだ。女性視点の男性像なんだろうな。
幸せってどこか倦怠感があるものなのかもしれない。それが当たり前なんだろう。ということか。いい映画でした。
僕としては、男ってこんなに馬鹿なんだな。と思うのと同時に、女って本当に馬鹿だな。とも思う映画でした。不思議。

僕としてはマーゴよりも夫のルーの方に感情移入してすごく好きになってしまった。
優しさの中の厳しさ。素晴らしい。決断も男らしいし、言葉もキッパリと一刀両断。気持ち良かった。憧れる。
劇中で「マーゴがシャワーを浴びてる時の長い期間の冗談」は、センチメンタル男子の僕の心を強烈に打った。
関係無いけどルーの姉の「人生なんてどこか物足りなくてあたりまえなのよ!」ってセリフもすごく気持ち良かった。



カナダが舞台の映画で、物語の中でトロントの遊園地に行くシーンがある。
曇った日の寂れた遊園地が、ニューヨークのコニーアイランドを彷彿させた。
多分すげえチープな内装なんだけど、グルグルまわるアトラクションに乗る絵はすごく幻想的でした。
寂れたレトロな遊園地ってすごくかっこいい。日本だとどうなんだろうか。

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The End_929 南千住 / Nikon F3
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ドット戦争
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「道尾秀介 / 向日葵の咲かない夏」

初めて読んだ作家さん「カラスの親指」というのが映画化されたたのは知ってた。
何で買ったかわからんけど、本棚あたためてた小説シリーズ。

夏休みを迎える終業式の日。担任の先生に頼まれて小学生のミチオは欠席したクラスメイト、Sの家を訪ねた。呼び鈴を押しても誰も出てこない家の中に入ると、居間でS君は首を吊って死んでいた。びっくりしたミチオは大人よびにいくが、戻ってきたときにはその死体は忽然と消えていた。不可解な事件として捜査が始まったが、一週間後ミチオの前にS君が現れた。それはミチオの知っているS君とは全然違っていた。

わりと面白かったけど、少し物語が突拍子なさすぎてあんまり感情移入できなかったかも。
小学生のミチオがやたら大人びた小学生なんだけど、それ以上にミチオの妹のミカがすごい。
設定は3歳とかの子どもなんだけど、喋るセリフがすごく大人。僕の甥っ子と同い歳の子どもがこんな事言うかな?
という疑問が募るばかりでしたが、それも伏線だという事がわかり納得。

いわゆるどんでん返し系とは違うけど、ネタバレした時に戻って読み返しちゃう系でした。
、、でもちょっと無理があるな。というか感想を一言で言ってしまうと。。
「こんなんなんでもありじゃん!」です。ぜひ読んでみて感想お聞かせ下さい。
しかしラストの引っかけは物語すべてを巻き込む壮絶なものでした。僕は引っかからなかったけどね!

あとは、、物語に関係あるようで関係なさそうな異常者たちが多数でてくるけど
あれもひっかけ問題だったのかな。。だとしたら少しずるいかも。。
どんでん返しや、びっくり今までの話全部逆!?的なものが好きな人にはおすすめな小説家もしれません。
僕は。。たまにでいいかな!

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The End_928 丸子橋 / Nikon F3

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ひっぱられる夜に
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「アンチャーテッド - エル・ドラドの秘宝」

PS3でわりと評価されてたゲームだったのでプレイ。
ベストにもなってて安いし、インディジョーンズ的な宝探し系っぽかったのも後押しして。

トレジャーハンターのネイトはTV番組「アンチャーテッド」の司会を務めるエレナと一緒に、太平洋の海底からドレイク卿の棺を引き上げていた。しかし棺の中には手帳一冊だけ。その手帳には黄金の像「エルドラド」のありかの手がかりが書いてあるはずだった。ネイトはエレナを置いてけぼりにし、相棒のサリーとともにジャングルに向かう。うっそうとしげる原生林の中を歩いていると、突如現れたドイツのUボートを発見する。そこで新たな手がかりを見つけるが、二人は海賊にみつかり相棒のサリーは殺されてしまう。

今作は2007年の作品だから割と古いゲームに入るかもしれない。
しかし映像美には目を見張る物があった。すごく遠くの景色まで鮮明に表現されていた。
そしてジャングルの植物や水はもう本当にリアル。PS3でこれだから、PS4でどうなっちゃうんだろう。
ちゃんと「冒険にでて、危険な所に来てしまった!」感はすごくあった。これはすごいこと。

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物語的には凡庸な印象にとられてしまうかもしれないけれど、シンプルですごく良かったです。
昔の洋画をみてたら一度は見たことがあるようなシーンの連続で、ベタ好きな僕としては楽しかった。
ジープでの逃走劇。ヒロインとのアメリカンジョーク的なやりとり。宝を探しに絶海の孤島を訪れるというロマン。
なんか本当に僕にはちょうど良かったです。主人公のネイトも好感を持てるキャラでよかったし。

謎解きは、ゼルダをやったすぐ後だったので、いかんせん簡単すぎた。
簡単というか流れ作業。少し迷って時間が経つとすぐヒントも出るし。謎解きと言えるのかどうか。
物語も完全に一本道なので、試行錯誤して進んでいくのが好きな人には少し単調かもしれない。
謎解き→銃撃戦→謎解き。の繰り返しだし、レベル上げもなければ武器の強化もほとんどなしなので。

僕は一本道シナリオが、意外と無心になれて好きなので大丈夫でした。
血が苦手な僕だけど、銃撃戦はわりと面白くて、ライフルで狙撃する快感が少し分かってしまった。
「死にゲー」的に、トラップに引っかかって死んでもすぐに復活やり直し。というのがスリルがなくて少しダメだった。
あとは終盤。急に難易度があがる上に、敵の種類が変わりバイオハザード状態にになるのも少し興ざめした。

だけど総評としてはバランスの取れた良ゲーでした。僕は大好きでした。
なによりもロマンがあるのがいい!男の子はみんな好きなんじゃないでしょうか。
すでに「アンチャーッテッド2 - 黄金刀と消えた船団」も買ってしまってるのがはまった証拠。
時間見つけてやらないといけない。

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The End_927 祐天寺 / Nikon F3

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藤田ニコという女
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The End_926 羽根木 / Nikon F3

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そしてひとりぼっち
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「アーティスト」

物語の設定は1927年。考えてみたら今から90年くらい前の話になるのか。
映画はもちろんモノクロームで、音声すら入っていない時代のこと。
その頃から考えると、現代ってしっかりと未来してるんだな、と思った。僕らが夢みていた21世紀は、
もっと未来未来してて、こんなんじゃない。的な話はあるけど、90年で現在までの進歩ってすごい事かも。

無声映画全盛のハリウッド。大スターであるジョージ・ヴァレンタインは愛犬とともに舞台挨拶で脚光をあびていた。大混乱の会場で、ひとりの女性ファンがジョージを突き飛ばしてしまう。アクシデントにも紳士的な対応をみせたジョージに、彼女は勢いでキスしてしまう。彼女の名前はペピー・ミラーといい、女優を目指す新人だった。彼女は映画会社のオーディションでエキストラ役を掴み、撮影現場にいくとその映画はジョージの主演作だった。

2012年のゴールデングローブ賞受賞のこの映画。話題になったのでもちろん知ってましたがみてなかった。
今回手に取る機会がありみてみると、手に取るように物語の進み具合が予想できてしまうけど、良い映画だった!
ちなみに僕は泣きました。ベタな話だけど、心を打つものはあった。
ベタだからこそシンプルに心を打ったのかもしれない。おすすめしやすい作品です。

PTAの「ブギーナイツ」では、フィルム映画からビデオ映画への転換期。その時にも思ったけど。
技術や時代の節目には、埋もれていってしまう人や物の想いが沢山あって、それがあってこその進展なんだ。
僕はどうしても新しいものよりも、埋もれていった物に魅力を感じてしまう。懐古主義といえばそれまでなんだけど。
新しいものや技術の素晴らしさも分かるし、ドキドキすることは多いんだけど、いかんせん早すぎてさ。。

これは便利さと魅力、反比例の法則(持論)の話になるんだけど。
この映画の場合、音がないからこそみる側の想像、見解の違いが出る映画だ。
分からないからこそ考えるという、人間の根本にあるものを刺激される。
なんでも明確に分かりすぎるというのは一概に良いとは言えないのだよ。諸君。

映画のことなんにも触れてないけど、先に書いたとおりシンプルでロマンチックな良い話でした。
本当におすすめしやすい映画!ジャック・ラッセル・テリアのアギーくんもだいぶいいです。
主役のジャン・デュジャルダンという俳優さんの笑い方が、TREDICIのりょうくんにそっくり。
困ったように笑う彼。ぜひみてみてください。

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The End_925 浅草 / Nikon F3

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かわいいカバン
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「ゼルダの伝説 夢を見る島」
「ゼルダの伝説 不思議の木の実 大地の章」
「ゼルダの伝説 不思議の木の実 時空の章」

ヴァーチャルコンソールでゼルダセールしてた時にダウンロードしといた。
なんとゲームボーイカラーで発表された作品。これがなんとも完成度が高い。
わりと懐古主義な所がある僕ですが、ゼルダに関しては古い物も新しい物も好きみたい。
wiiのシリーズはハード持ってないので未プレイですが、ゼルダは任天堂が誇る作品だと思います。

しかしこの「夢を見る島」は1993年発売。まだネットが無い時代にこの難易度のゲームはすごいことだ。
当時の小学生の頭脳で、攻略本もなしに完全にクリアできるとでも思ったのかな。
そして「不思議の木の実」は難易度に拍車がかかり、今やっても無理でした。その辺りはネットの恩恵を受けた。
レビューをいろいろ読んでると、みんな苦戦。。というか投げ出してる人も多かった。

しかしゼルダの伝説シリーズにおける「ダンジョンクリアして、だんだんハートも武器も増えていく」
という大前提のシステムは、いつも同じとも言えるけれどやっぱりワクワクして、クリアした時の爽快感も大きい。
特に不思議の木の実は「大地の章」「時空の章」と分かれているけど、単体でもちゃんと物語が完結している。
しかし二本ともやると、二つの物語がくっついて、本当のラスボス。。的なあれでした。これがまた素晴らしい。

二個買わないと本当のエンディングみせてあげないよ〜的な臭いがしないのだ。
本当に個々の物語それぞれで完成度が高いのでそう思うんだろうな。
昨今の有料DLCや、課金ゲーとは違い、ちゃんとゲームというか物語に誠実さが出てて好感度はすごく高かった。
そもそもこんな古いゲームでもちゃんと遊べて、達成感もあるのやはり良ゲー。懐古主義といわれても自信持って言えます。

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The End_924 浅草 / Nikon F3

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階段を登る
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「ポー川のひかり」

相変わらずの二本立てだったので、もう一本。エルマンノ・オルミ祭り。
この所二本立ての映画が普通になってる。今、一本入れ替え制の映画をみに行って満足するのだろうか。
映画館って本当に高い。1本1800円、ポップコーンとコーラ買って2500円。
もっと気楽に大衆娯楽として映画館が位置づけたら嬉しい。ちなみに早稲田松竹は2本で1300円です。

イタリア、ボローニャの大学、夏期休暇中の人気のない学内で、大量の古文章が釘で床に打ち付けられているのが見つかる。容疑者とされたのはその大学で哲学を教える教授だった。彼は事件の前日、学年末の授業を終えてから姿を消していた。大学がその事件で慌てふためいている時、当の本人はあてもなく車を走らせていた。途中で車を捨てると、洋服や財布、車の鍵までもポー川に投げ捨て、川沿いを歩き出した。

こっちの映画の方が分かりやすかった。共通して古風なイタリアを撮るという印象は変わらずですが。
だけど「楽園からの旅人」は教会から出ることはなく、舞台としての世界は狭かった。閉塞感ありあり。
こちらは題名からも分かる通り「ポー川」の廻りで物語は展開するので、外です!開放的です!
そうなるとジメジメしたイタリアがすごく明るいものになって(古風は変わらない)天気まで後押しして気持ち良かった。

とは言え物語はまたしてもなかなか深いものがあって、いろいろ考えさせられました。
まず地位を捨ててまで、古文書をぐちゃぐちゃにしてまで、飛び出した教授の心境。
「知識は無駄で、実学と自然のなかに本当の真理がある」という言葉が物語ってるけど、それだけかな。。
そしてポー川のほとりに暮らす人々。美化されてるけどいわゆるホームレス。彼らの本当の意味での救済とは。

要所要所に哲学めいた問いかけが、さらっと出てくる。その度にポー川を見つめ考え込んでしまう教授。
やはり答えめいた答えはありません。もちろん。哲学なので。それ深く考え出すとキリがなくなる、という大人。
川のほとりに暮らす人たちはとても穏やかで楽しそうだし、笑顔に溢れてとても豊かにみえた。
その生活がいつまでも続けばいいけれど、そうもいかなそう。そしてそうもいかなくなる。これ人生のことを言ってるな。

ポー川の自然美には目を見張るものがあり、ドキドキした。大自然ではないけど、地味で普遍的な美しさ。好きだった。
海も好きだけど川もやはり捨てがたい。多摩川の近くで生まれた僕としては原風景としてずっと脳裏に残るのでしょう。
やっぱり人間は水と切り離した生活はできないんだな。今は近くに池しかないけど、そのうち川の近くに引っ越したい。
しかし多摩川はまだしも、荒川や隅田川という、東京における川の考え方はどうなんだ?住みたいとはとうてい思えない。

目黒川を船でクルーズして桜をみるサービスがあるらしい。あんなコンクリートで囲まれた谷底から桜見て、心が動くの?
そもそも目黒川の桜、上から見ても疑問しかわかない。この映画をみて河川敷のありかたについて少し考えて頂きたい。

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The End_923 淡島 / Nikon F3

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