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1mmも動かない心
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「楽園からの旅人」

イタリアの巨匠エルマンノ・オルミ作品。といってもまったく存じ上げません。
イタリア映画監督といえばF・フェリーニとM・アントニオーニしか知らん。
早稲田松竹に青山真治特集「Helpless & 共喰い」をみにいった時、予告で少し興味あったのでみてみた。
結果としては、とても古風なイタリアを撮る人だなという印象。とても良い意味です。

取り壊し予定の教会に残っていた司祭。ある雨の夜、彼のもとにある男が家族を連れてやってきた。彼らは不法入国者で警察に追われる身だった。その後教会には同じような境遇の人たちが集まりだした。中には老若男女、イスラム教徒や妊娠中の女性など、ありとあらゆる人間が助けを求めていた。

これはすごくカトリック的な映画。そして考えれば考える程つらい映画。
ぱっとみ不法入国者の方が厳しい立場で、可哀想な、慈悲のない立場のようにうつる。
だけど、老いた司祭は教会を守れないことや、境界に助けを求める者を救えないことで苦悩する。
一番救われていないのはこの老いた司祭なのかもしれない。

この映画を見て、学校を卒業する時、恩師と呼べるであろう先生にもらった本を思い出した。
撤去が決まった教会は世界の縮図のようだった。その中で助けを求めている人々。
色々な人種、宗教感、男女、老人、子ども。そして新しく生まれる命と、死んで行く者。
劇的な動きのない物語だったけど、しっかり心に響いた。ぼくはやっぱりこうゆう映画が好きみたいだ。

しかしこの映画、みにいったのけっこう前の事。
少しばたついています。

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The End_922 駒場東大前 / Nikon F3

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ソビエト連邦製のオートバイ
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「Grand Theft Auto V」

動画みたり、フジ暴と話してたり、オープンワールド的な魅力もあって。
ジワジワと熱が上がり、今更ですがGTA初体験してみました。
昔から噂は聞いていたけど、なにか縁がなくプレイすることはなかった。
なんでだろ。特に理由はない。

えーと、ごめんなさい。僕はこのゲーム、まったく向いてませんでした。
まず根本的なことで、それ言ったら。。となるけど、暴力めいててダメでした。
人をバンバン撃ち殺すのが正直不快。しかも少しゲームを進めるうちに慣れてきてる自分がいた。
それは街中の移動でも同じで、車を盗み最初は静かに走ってるけど、段々運転が荒くなる。

エスカレートしてくと心の中で「どけ、クソ野郎」と自然に思ってる自分がいた。人格が粗くなる、怖い話だ。
さすがCERO-Z指定、子どもがやったら本当にまずいわ。それに加えてリアルすぎるCGとオープンワールド。
現実との境界は薄くなる→現実でも同じことを→犯罪臭。って流れが冗談じゃなく想像できた。危険なゲームだ。
だけどそれを否定してる訳ではなく、ちゃんと分別できる人がやるには素晴らしく完成度の高いゲームだと思う。

だけど僕はダメだった。なぜか。まず物語に牽引力がないこと。本編意外にミッションが多い。多すぎる。
そっちばっかりやってると本編の流れを忘れてしまう。向かう先が分からなくなり億劫になる。
そしてオープンワールドの自由度。僕にはある程度の制限があえる世界の方が向いているらしい。
この中で自由に遊んでください!といわれても困ってしまう。そして僕にはそこまでヒマな時間はないみたい。

そして一番はやはり先に書いた暴力性。好きな人は好きなんだろうけどな、僕はダメでした。
「こんなに無茶苦茶なことしました!」的な動画がいっぱいあるけど。だからなんだと冷静にみてしまう。
心が動かないのだ。それは暴力性だけではなく、飛行機ぶんどって大空を飛んだり、バイクで疾走したり。
リアルすぎて、現実よりも劇的な風景の中そうゆうことができる気持ちよさは分かる。実際やってみたし。

だけどそれって意味あるの?って思うのだ。それいったらゲーム自体に意味なんてない。といわれそうですが。
なんか虚しく思えてしまうのです。それはゲームじゃなくて現実で気持ちいい事探そうよ!と思うのだ。
いつもいうけど僕の中で重要なのは物語性で、小説読むのとゲームをするのは同じことだと思ってる。
ミッションに浮気して物語を進めなかった僕のせいかもしれないけど、この物語にはあまり引き込まれなかった。

結局数時間のプレイで売却に至る事になってしまったんだけど、5500円で買って4000円で売れた。
1500円で経験できたなら良かったかな。今でもその価格を維持してるという事はやっぱり良ゲーなんだろう。
しかしPS3でこのグラフィック。正直PS4になったらどんなことになってしまうのか。想像すると恐ろしい。
いずれは買うことになると思う。でもやっぱり僕の中ではグラフィックよりも、物語性。これは変わらない。

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The End_921 三河島 / NIkon F3

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ワタナベ・ノボルの人生
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「東京公園」

青山真治作品でみてなかったので、みてみた。
こ、こ、これは!久しぶりにみなきゃよかったと思える映画でした。

カメラマンを目指している大学生の光司は、東京中の公園を訪れて家族写真を撮っていた。ある日一人の男性に声をかけられ、ある依頼を受ける。それは「娘を連れて東京のあちこちの公園を散歩している妻を尾行し、写真を撮って欲しい」という奇妙なものだった。光司は迷いながらもその依頼を受ける。

なんだろう?という映画。まず話がまったく分からなかった。
光司の同居人の立ち位置も、光司の同居人の元彼女も、光司の義理の姉も、まったく分からん。
いや、分かるっちゃあ分かるんだけど、背景がない。なんでそうなるのか、なぜそうなったのかが見えない。
そして最後までそれは分からない。そして全員、したいことの意志がみえない。

そして出てくる人全員演技が、すさまじくわざとらしい。
わざとらしいうえに、セリフも歯がゆくてみてられない。
なんか消化不良な感じです。なんでこれ撮ったんだろう。
それでもせっかくみたのでいい所も見つけなければ。

光司のカメラはコンタックスの167MTということ。
公園とカメラとくると「BLOW-UP」を思い出さないでもないこと。
榮倉奈々という女の子のニコニコした屈託の無い笑顔がよかったこと。
途中、東京都のある島にいくんだけど、僕も島にいきたくなったこと。

それぐらい。

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The End_920 高田馬場 / NIkon F3

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ありがとう。でももう遅いの。
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「貴志祐介 / クリムゾンの迷宮」

正月を利用して読んでた「新世界より」がアンチホラーな僕の中で「アリ」判定が出ました。
そうなると文章力という意味で、すごく勢いのある作家なので他の作品にも手を出してみた。
そしたらこれも一瞬で終わっちゃった。寝るギリギリまで読んで、朝目が覚めてすぐ読みたくなる。
いい本かどうかは置いといて、こうゆう本に出会えると単純に気持ちいい。

藤木はこの世のものとは思えない光景のなか目を覚ました。そこは真紅の色(クリムゾン)の山に囲まれていた。傍らに置いてあった携帯ゲーム機には「火星の迷宮にようこそ」というメッセージが表示されていた。とりあえずうかつに動かない方がいいと判断した藤木は、その場所で野宿をすることにする。あたりが闇に包まれた頃、岩山の陰に隠れ、息を殺しながら藤木を見つめる人間がいた。

「新世界より」よりは現実的な話。比べると緊張感は少なかったかも。
しかしグロはこっちの方が大きかったな。すこし気持ち悪かった。
気持ち悪いのはまだまだ苦手みたいで少しキツかったけど、先に書いた「勢い」はやっぱりすごかった。
文庫で400P弱の本を読み切るのに3日かからなかったと思う。気持ち良かった。

迷宮に集められた数人の男女は、この場所から逃げ出すためにサバイバルゲームをすることになる。
それは超現実で、ファンタジーめいた設定も「喰屍鬼」と言われる存在も実は超現実。
「新世界より」で描かれていた超能力や「悪鬼」とはまったく異なるものだった。
全然知らない世界の事ではなく、現実に起こりえるという設定が、不穏な雰囲気を大きくしてたかもしれない。

サバイバルゲームにありがちな、腹の探り合いはすごくあって、なにが真実なのか全くわからなくなる。
男と女のロマンスもあり、息もつけない緊迫感もあり、ゲーム機を使ったコミカルな演出もあり飽きさせない。
その中でもゲームブックを使った演出はすごく好きだった。小さい頃よくやったな。ファミコン前。
ゲームブックの中で進める話が現実でも起こる。こんなの前にどこかで、、

そして、ガーガーと物語はすすみ、クライマックスまでノンストップで進んだ。
伏線の回収は新世界よりに続き、気持ち悪さは多少あります。ヒロインの藍のこととか。
しかし!ラストの切なさっていったらもう、心えぐられる感じがありました。これですべてOK。
「やがて記憶は風化するだろう、言葉にならない思いがあなたの胸を締め付ける」これですべてOK。

他の作品を読んでみたくて色々調べたけど。タイトルも装丁も明らかに「ホラー感」が出てて手が伸びない。
読んだら読んだで面白いのは分かってるんだけど。。ハードルが高いのだ。
しかし最近はこうゆうエンターテイメント小説を好んで読むようになったな。5年前の僕では考えられないかも。
読みおわって心に残る物のない小説を読んでも意味がない。といってた。今でもその気持ちはあるけど。ね。

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The End_919 神宮前 / Nikon F3

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エブリバディ・サッド
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「地球で最後の二人」

北九州サーガ三部作も終わり、僕の中で浅野忠信熱が上がりました。
10代の頃からファンなのでだいたいの作品はみてるべ。と思ったら、いろいろみてなかった。
その中のひとつ。浅野忠信はこの作品でベネチア映画祭で主演男優賞を取っている。
ペンエーグ・ラッタナルアーンというバンコク生まれの監督の作品。これが最高に最高だった。

タイの日本人交流センターで働くケンジ。彼は極度の神経症で、潔癖症。そして自殺未遂常習犯だった。まさに今、首を吊ろうとしていたケンジの部屋に兄のユキオが訪れる。ユキオは暴力団の組員で、日本で起こしたトラブルから逃げる為、バンコクに身を隠していた。ある日ケンジは仕事場で日本の女子高生が着るセーラー服姿の女性を見かける。彼女は熱心に一冊の本を読んでいた。その本は地球上で最後の一匹となった、ヤモリの悲しみを描いた物語で「さびしさの彼方を」という絵本だった。

監督のインタビューを読んで彼はこう言っていた。
「この映画を好きだと言う人は変わっている人だと思います。嫌いという人が普通だと思います。」だって。
ぼくは最高に好きな映画でした。笑。たぶん僕の好きな映画ベスト10に入ると思う。たぶん。
物語も、映像も、音楽も、全部。DVD買おうと思っているくらい好きだ。

まず主人公のケンジが最高に変人。同じ名前というのをこれほど誇りに思ったことはない。
自殺未遂常習者だから、どんどん自殺しようとする。でもいつも自殺できない。多分本気で自殺する気がない。
そして神経症的な潔癖症。物も洋服も食べ物もすべて、気持ちいい程の潔癖症。そして最高に人見知り。
僕に自殺願望はないけど物ではなく人に対して潔癖な人間だし、人付き合いも苦手。そうゆう意味で感情移入した。

この映画は孤独をとことん描いた物語で、その事に共感するけど、たぶんこれは誰の心にもある感情だと思う。
自殺を繰り返すのもきっと孤独だから。だけどほんとに死んだらもっと孤独なのは自分が一番分かってて。
しかもその孤独は「人と距離をおいている」自分が作ってるものだから、もうどうしようもないのも分かっている。
言葉にはしないけど、その事を自覚しているからこそ、この絵本の内容に興味を持ったんだと思う。

物語に出てくるケンジと同じく、天涯孤独のノーイという女性。ケンジは彼女に愛を求めたんだと思う。
この性格から生まれるどうしようもない孤独を、なんとかして欲しかったんだ。他力本願だけど。
僕はそのことにものすごく共感するのだ。だってどうしようもないんだもん。
あきらかに汚い風景を眺めて美しいとつぶやく。悲しい?という質問に対して、みんな悲しいでしょ。とつぶやく。

以下絵本の中の文章を引用ー
嫌いだと思っていた物を失って一人になるくらいなら一緒にいた方がいい。
独りぼっちよりも嫌いなヤモリに囲まれた方がましだ。

絵が最高に格好いいな。と思ってたら、撮影はクリストファー・ドイルだった。
ウォン・カーウァイの恋する惑星やブエノスアイレスの撮影した人。納得してしまった。
映像みてて、ワンカット事にドキドキした。構図のバランスも、トーンも、なんかもうドキドキする。
どのシーンを切っても絵になるというのはキューブリックの映画で言われてるけど、この人の撮ったのもすごく好き。

終わり方もすごく好きです。言葉にしないでも伝わる孤独感。人生の悲壮感。
ちょっとこれDVD本当に買おうかな。今度の事務所で映画上映大会は、この作品にしようかな。と思う。

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The End_918 羽根木 / Nikon F3

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たけのこ餃子の残念感
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「妖怪ウォッチ」

神々のトライフォースをクリアしてから、進めているゲームがない状態になった。
DSにカートリッジがなにも刺さってないという状況がどこか淋しくて小3年生の甥っ子に相談した。
したらこれをかしてくれた。前にも薦められたけど、グラフィックが子どもっぽかったので敬遠してた。
とりあえず、、のつもりでやってみた。ちょっとみせてみろ。。と。
そしたら見事におもしろくて、、すこし子どもだまし的な所はあるけど、普通に良ゲーでした。
ポケモン世代ではないので、敵を仲間にして育てて的なシステムにあまり魅力を感じなかったけど
いざやってみるとなかなか楽しい。食わず嫌いだったということか。
しかしストーリーをクリアした後に、隠れボスや隠れダンジョンを攻略するためにレアキャラを。。
という所までエネルギーは廻らなかった。たぶんそこがこのゲームの真骨頂なんだろうけど。
さすがに時間もないし(甥っ子は100時間以上やってる)そこまでの気力はなかった。
僕はモンハンも最初10分やって「向いてない」と思ってやめた経験がある。
あんな終わりのないものに何百時間も使っている気が知れない。なんの意味があるのか。
ゲームに否定的な人は、ゲーム自体に意味はない。とよくおっしゃってますが、僕の中のゲームの基準は
あくまでも「物語重視」で、話がないゲームはしたくないのだ。僕の中では小説を読むのと変わらない。
だから物語が終わるととたんに興味が薄れて、やる気がなくなるのだ。この妖怪ウォッチもそうだった。
でもわりとじゅうぶんのめり込めたし、物語はやっぱり子どもっぽかったけど、まあ。中継ぎには十分でした。
最終的に言えるのは「ジバニャン」が大好きになった僕は、十分過ぎるほどこのゲームにのめり込んだんでしょう。
34歳ですが。それでいいのだ!

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The End_917 新代田 / Nikon F3

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絵との会話
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「アンブレイカブル」

ブルース・ウィルスの映画なんて何年ぶりにみるんだろう。
今までも昔ダイ・ハードを3までみたのと、シックス・センスくらいしかみたことない。
シックス・センス繋がりでシャマラン監督のやつ。シックス・センスはもう一回みるかと言われたらみないけど
好きか嫌いかと言われたら、まあ好き、か。という感じだったので。

乗員乗客132人のうち、一人を除いて全て死亡するという列車の事故が起こった。そのたった一人の生存者はスタジアムの警備員をする妻子持ちの男、デイビッド。病院で目覚めた彼は、なぜ自分だけが助かったのかが分からず、日々を過ごしていた。ある日彼のもとに不信なメッセージカードが届いた。そこには「あなたは今までの人生で何日病気にかかりましたか?」と書いてあった。彼は妻や廻りの人間に確認するが、体調を崩した彼をみたものは居なく、彼自身も覚えがなかった。葛藤の末、彼はそのカードに書かれた住所を辿り、向かうことにする。

そのメッセージを送ったのは、サミュエル・L・ジャクソン演じるイライジャという男。
生まれつき「骨が極端に弱い」人間で、少しの衝撃ですぐに骨折してしまう。
彼はそのコンプレックスを埋める為に、アメコミにはまり、ヒーローを求めていた。
つまり最強の男を捜していた。自分の代わりになる憧れの人物。自分を守ってくれる人物を。

この映画、評価があんまりだったので、期待しないでみたのがよかったのか、わりと好きだった。
その「自分のコンプレックスを埋めるために」という感情の動きがツボ。
僕自身コンプレックスの塊のような人間だから共感してしまったのかしら。
自分がなんらかの意味があってここに存在する。という確証が欲しいのだ。でもそんなものはない。

だから人間はいつまでたっても孤独な存在なんだろう。
ってことをいいたかったのかどうかは、謎。だけど僕はそんなことを考えた。

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The End_916 代田橋 / Nikon F3

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餃子大会前哨戦
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「サッドバケイション」

青山真治の北九州サーガ三部作、完結編。
「Hepless」の健次と「EUREKA」の少女、梢が邂逅する。あの痛々しい従兄弟も出てくる。
それに加えて、新たにいろいろキャラがでてくるんだけど、そのキャスト陣が豪華です。
オダギリジョーや石田えり、若い時の(いまもか)高良健吾とか。運送会社の社長もなんかみたことある人。

密航者が詰め込まれた中国からの船が、北九州の港に到着する。健次は手引きをしていたが、船内で父親を亡くした少年をかくまい逃げた。健次はその後代行の仕事をしながら安男の妹と、中国人の少年と暮らし始める。少女時代にバスジャック事件に巻き込まれ、心に傷を負った少女梢は、18歳になり一人で職を探し出す。若戸大橋のたもとに、社会的に問題のある人間を集め、低賃金だが仕事を営む間宮運送という小さな会社に勤め始める。

冒頭は相変わらず不吉な雰囲気満載。日本はしっかりアジアだということを思わせる。
そういやこうゆう「危険なにおいのするアジア感」を描く映画ってこの時代に多かったけど、
最近みないわな。汚くて、なんかしめっぽくて、ゴチャゴチャしてて、血が赤すぎるくらい赤くて。
暗くて、とても不吉で。でもなんかドキドキして魅力的な映像だったりする。

この映画に出てくる女性は全員強い。そして聖母のように描かれている。
そんな女性の元に集まってくる男性。虚勢を張るけどなにかにすがりたい、すがらないと不安な男たち。
その事を知ってか知らずか、女はいろんな意味で利用して、利用されてるようでやっぱりしてて。
そこには見えない利害が成り立っていて、言葉がなくても自然にその決まりができている。男と女のサガ。

男は変なプライドが邪魔をして素直になれないけど、生きることが本当は怖いのだ。
オダギリジョーなんか完全にそれ。すごくすごく僕っぽくて共感しまくってしまった。
宮﨑あおい演じる梢だけどこか中立な立場。傍観者か?と思ったら急にいい子いい子とかしだす。聖母。
極めつけは石田えり演じる健次のお母さん。これは見た目も完全に聖母。フジ暴にみさせないといけない。

今回の話だけの感想をいえば、結局は女に生かされている男。女の手中で吠える男の悲しさ、虚しさ。
幼い頃に捨てられた母親に「あんた、みみっちい男になったわね」と言われても離れられない子ども。
この母親の自分勝手具合には唖然とさせられるけど、それでも離れられない子(男)を描きたかったんかな。
「血筋」とかなのかな。男たちは争い、罵倒しあい、失い続けている。そして女は引きつぐ存在。

三部作全てみてみて物語に通じるメッセージは見て取れなかったかも。なんかあるんかな。
僕的には第二作の「EUREKA」を別枠の作品にして「健次の話三部作」に集中した方が好みだったかも。
高校時代の健次からいきなりオッサンになるより、その間の話の方が気になるし。
「EUREKA」の長さは端折れそうだから、梢の存在もなんとかなるだろうしな。

要所要所にでてくる大雨のシーン。僕は気付いたけど、雨の後に物語が動くな、、くらいにしか思わなかった。
いろいろ調べてみると、水=女性。という暗喩があるみたい。水に包まれる男性。日本三大カルストの平尾台を眺めて
「この大地は珊瑚礁でできていてハワイから流れてきた。日本なんてその周りにできた島で人間も方々から集まってきた」
という。これは水に囲まれた日本。水に包まれた男。という暗喩という話がある。おもしろいな。

「EUREKA」に出てくる阿蘇山。秋吉台。そして今回の平尾台。
九州&山口近辺にはきになる観光地が多い。行ってみたいな、この際、下関も行きたい。

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The End_915 多摩川大橋 / Nikon F3

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でも撮らなかったでしょ
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「樋口有介 / ぼくと、ぼくらの夏」

前になんか夏っぽいの読みたいな。と思ってなんとなく買ってたやつだけど
本棚暖め隊どころか、存在すら忘れてた。樋口有介という人も知らない。
これ以外の作品を見ても知ってる作品はひとつもなかった。
なにを思って買ったんだろ?本当に思い出せない。けどそうゆうのってすごく期待感が増したりする。

高校二年の夏休み、同級生の女の子が飛び降り自殺をした。刑事の父親と二人で暮らすぼくは、同じ同級生の麻子と一緒に事件の事を調べ始める。警察は自殺と断定し、遺族も事件の事にはどこか触れてほしくない様子だった。ある暑すぎる夏に起こったひとつの不可解な事件は、僕と麻子を翻弄しつつも真実へと誘っているかのようだった。

文庫で、しかも新装版だったので、88年に発表された小説だなんて想像もしてなかった。
作中には携帯も出てこないし、暴走族が集まるバーとか、ちょいちょい出てくる洋服の事とか。
言われてみたらなんか古くさかった。。言われるまで気付かないってのは、先進的な小説なのかもしれない。
当時にしてみれば。ということだけど。

しかし全体の感想を一言でいうと、久しぶりにつまんない小説にあたっちゃった。です。
そもそもセリフがいちいちわざとらしくて、鼻につく感じ。
村上春樹に苦手意識を持っている人が良く言うあれかもしれない。
いまさら言うなとなりますが、僕は生粋の村上春樹ファンです、でもこれはダメだった。

一応ジャンルはミステリーなんだけど、なんだかよく分からないまま話は進み
いつ面白くなるんだろうなー。と読み進めてたらそのまま終わっちゃった。
ミステリーだからどんでん返し的なものがあるんだろうな!あるんだろうな!
と思ってたら静かに終わって行った。伏線回収もまったく気持ち良くない。

そして覚えてないからあまり強くは言えないけど、この本を買ったきっかけ。
「夏」という単語をタイトルにしているのならば、少なくてもなにかしらの「切なさ」とかがあったら良かった。
たぶん僕の事だから、そうゆうの求めてこの本を買っている感じはあると思う。
もうこの本のことは忘れよう。忘れた方がいい。次!次!

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The End_914 多摩川 / Nikon F3

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虚無という名のもとに
一年前の今日は村上春樹の小説に出てくる男性のような一日。というテーマで過ごした一日だった。笑。今年はうってかわり仕事に追われる一日になりました。今日が締め切り日なのは最初から分かってたので、特になんとも思わなかった。そうじゃなくても荒れ模様の一日だったし、ゆっくり仕事してたほうが無難である。でも映画の一本くらいはみたかったかも。別に今日じゃなくてもいいんだけどさ、一応ね。

仕事は無事に終わり、疲れたので湯船に入ってきた。いつもは湯船で本を読んでるんだけど、今日は少し考え事してた。この一年を振り返ってみて一番大きく変わったのは、なんにしてもお酒を飲まなくなったことだ。30歳の時に煙草をやめたことよりも、劇的に体調も生活も変わった。前が飲み過ぎていただけかもしれないけど。そしてアホみたいに落とした体重が1年経っても1kgもリバウンドしていないこと。体脂肪率もひと桁台をキープしていること。これは酒もあるけど運動が大きいか。あとは自転車。思ってたよりも自転車は僕の生活にスムーズに溶け込んできて、今ではなくてはならない物になっている。

こう考えると、この一年って結構な転換期だったのかもしれない。新しいことをいっぱい始めてる。良いことだ。そして僕のもう一つ良い所。新しいことを初めても、もともとやってたことも続けているということ。写真も、ランニングも、筋トレも、読書も映画もゲームもなんでも!こないだ書いた震災のことではなくても「続ける」ということに固執している自分はいると思う。意地っ張りなだけかもだけど。でもそれってただ単純に、好きなことはやるけど嫌いなものはやってない。ということだけかもしれんなあ。この歳になってこの自由な感じはどうなんだ?大人としてだいじょうぶか?と少し不安になることもありますが、この性格ばっかりはどうしようもないみたいで、あんまり深く考えないようにしています。とりあえずの所、まだ独り身だし、特に重い責任ももないし、気楽にいこうかな。

とくに何があるわけではないんだけど、一応節目みたいな感じなので。このブログは相変わらずこんな感じで多分まだまだ続きます。もう初めてから5年半経ってるっつーのもすごい話だけど。それと次の1年もまた、新しく始めること引き続き継続していくこと。そして仕事の方ももっと面白いことやりたいので、もっと頑張りたいと思います。またその時にいいますが、コーへーさんと僕のユニット。トリノグラフは次の4月で丸10年を迎えるみたいなのです!めでたい!学校で机を並べて一緒に勉強していた日々が懐かしいです。しかし、特になにか企ててるかっつったらなにも考えていないので、質素に10周年イヤーは過ぎていく予感でいっぱいですが、一応、一応ね!

そんなこんなで、明日も早くから工事現場に行かないとなので、今日をおしまいにしちゃおうと思います。本読んで寝るのだ。本当に仕事だけで終わっちゃったな。。まいっか!とりあえずFBやメール、手紙まで貰っちゃって、いろんな人にお祝いのメッセージを頂いてしまいました。ありがとうございました。嬉しかったです。こんな僕ですが気に掛けてくれてる人がいるだけで幸せ者だと思います。いろいろ人間的に問題がある僕ですが、これからもどうぞよろしくです。

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The End_913 羽根木 / 写ルンです

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10年前の手紙
今年もまたこの日を迎えましたが、特にあらためて考えることもなく、言うことも特にない。
ただ、起きたことを忘れないようにするのと、亡くなった人のことを悼む、だけ。
それに加えてこれは初めて言うんだけど、毎月本当に少額の寄付をしている。震災当時からずっと。
それを続けること以外に、僕にできることなんて何一つないと思っている。

当時、流行やステイタスのように、寄付だチャリティだと息巻いてたみなさん。
今でもその活動を続けていますか?機会や量は減っていたとしても続けていますか?
続けていたら、すげえかっこいいね。これからも続けてほしいと思う。
その時だけでやめちゃってたら、すげえダサいね。やらない方がよかったと思う。

たぶんそれだけなんだと思う。極端な意見かもしれないけれど、僕は本心でそう思っているのだ。
僕はいっぱいの人を集める事も出来ないし、売る物もない。それができる人は素晴らしいと思う。
でもやめたらそれは意味を持たないし、やらない方が良かったのだ。これは震災のことだけじゃない。
自分ができることをやる。だけではなく、それを続けられることでようやく意味が生まれる。

僕はこれからも、微力ながら同じことを続けていくと思います。
その先にはきっとなにもないけど、それでいいのだ。
そして今日は特に、当時のことを思い出す時間を作ろうと思います。
ぞろぞろと環七を歩いて帰宅したあの夜のことも。

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The End_912 羽根木 / 写ルンです

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グッド・バイバイ
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「ユリイカ」

ほいで青山真治、北九州サーガ三部作に戻る。第二作目。浅野忠信は出てない。
役所広司と宮﨑あおい、と彼女の実のお兄ちゃんがでてる、とても静かな静かな映画でした。
ユリイカ=ギリシャ語で「発見」という意味。2001年公開作品、217分、3時間半越えの長い映画。
途中。何回か休憩を挟んでみた。こうゆうのはやっぱりDVDでみるのがいいな。

福岡県の地方都市でバスジャック事件が起こる。多数の死者を出した事件だったが、バスの運転手と幼い兄妹だけ生き残った。しかし彼らの心には深い傷が残ることになる。事件後、運転手の沢井は消息を絶ち、兄妹の父親は事故で死に、母親は子どもを置いて家を出て行ってしまう。事件から2年後、町に戻ってきた沢井は、家庭が崩壊し二人きりで暮らしていた兄妹の家に移り住むことになる。そのころ町では連続殺人事件が発生する。

冒頭から不吉な事が起こる雰囲気でいっぱいだった。起こるべくして起こる事件。
理不尽で絶対的な暴力を目の当たりにした兄妹と運転手。典型的なPTSD。
全編セピア色の風景は、白日夢のように儚くて現実的ではない。けど物語は超現実的。そのギャップ。
最後までみて「ユリイカ=発見」の意味は分かるんでしょう。

傷ついた人間でも、そうじゃない人でも、人生には仕切り直す場所が必要なんだろうと思った。
長い人生だものいろいろある。しかし大事なのはその事を受け止め、対峙し、葛藤し、昇華すること。
それには人それぞれの場所が必要みたい。そしてわざわざそこに足を運ぶという行動が必要みたい。
写真撮るのに似てるな。表現といわれるもの全てか。。

しかしこの映画。長すぎるよ。。長い映画は嫌いな方ではないけど、少し薄っぺらさは感じてしまった。
長さが必要な物語があることも知っている。静寂が必要な物語があるのもしってる。
だけどこの映画はどちらにも当てはまらず、同じ内容とメッセージ性のものを2時間でやることはできたでしょ。
役所広司は素晴らしく良かったけどね。もう説明が必要ないくらい良かったよ。

ロードムービーっぽく撮ってるのと、モノクロならぬセピアというトーンでの光の表現にドキドキした。
北九州サーガの1作目。浅野忠信演じる健次の同級生、秋彦が兄妹の従兄弟として登場する。それはもう歯がゆい。。

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The End_911 代田橋 / Nikon F3

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プリ・ドーン
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「共喰い」

んで共喰い。北九州サーガから一度外れてしまいますが、これも青山真治作品。
青山真治特集という素晴らしい試みをする松田松竹のラインナップはすごくいい。もっと近くにあればいいのに。
原作は田中慎弥、芥川賞受賞作。会見でなんか機嫌悪かった人だよな。あれなんだったんだろうか。
原作読んでないけど、映画の結末はオリジナルなんだそうだ。

下関に住む17歳の少年、遠馬。父親と継母の3人で暮らしているが、実の母親ジンコも近所で魚屋を営んでいる。ジンコは戦争で右手首より先を失っており、義手を付けて生活している。父親には暴力的な性癖があり、結婚時にジンコはその事に気付かずにいた。しかし遠馬を出産後、子どもを残して家を出て一人で生活し始める。遠馬は父親の事を軽蔑しながらも、同じ血が自分にも流れている事に強く劣等感を感じていた。

R15指定の映画で性描写は多いです。あまりすすめにくいかもだけど、僕は自信持っておすすめします。
とても良い話とは言えないし、気分を害される人はいるでしょう。いや多いでしょう。でもおすすめします。
人間の汚い部分と、綺麗な部分が両方描かれている。そして暴力と性。極端な話ではなく誰にでもありえる話。
僕の事じゃないけど、もしかしたら僕だったかもしれない。とても普遍的な話だと思います。

昭和63年、平成になる直前の設定。場所は下関。田中慎弥が下関出身というのもあってか。
下関というだけで、僕は自分の父親を思い出さないわけにはいかない。僕の父親も下関生まれ。いわゆる西の人。
そして僕は西の方の男性が、すごく、ものすごく苦手だ。ステレオタイプな意見という事も分かっている。しかし苦手だ。
言葉遣い悪いくせに、口は上手く、頭も良い。だけど都合が悪くなると怒って終わり。。

僕の父親にそれが全てあてはまる訳ではないけど、その気はある。
そしてその血はしっかりと僕にも流れているんだろう。いやだなあ。。歳とったら出てくるのかな。もう出てるのかな。
この物語ほどその事を忌み嫌ってる訳ではないけど、どこか共通点めいた物を感じてしまい感情移入した。
気持ちわかるぞ、少年!と思ってみていた。

「母さん、なんで僕を生んだのですか?あの男の血をひく僕を」というセリフが印象的でした。
形は違えど、僕もこの頃「なんの為に生まれたんだ」とか考えても分からない事で葛藤していた。
今もか。今もかもな。。ジンコは「この世にあの男の子どもは二人もいらない」とかわりと酷い事をさらっというけど
遠馬を一番愛していたのはやっぱりジンコだった。いつでも男はだらしなく女は強いのだ。それは子どもの世代でも同じ。

後半、ヘドが出るほどに嫌悪感を抱くシーンがあります。殺したくなるほどの嫌悪感。
木下美咲という女の子がすごい熱演。でした。そしてやっぱり光石研の存在感。なんかもうすごい。
昔の青山真治映画ほどゴリゴリしてないけど、静かな、ほの暗い絵はすごく好きでした。
暗いシーンでもノイズとか全然でないもんな。それが良いんだか悪いんだかは色々あると思いますが。

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The End_910 多摩川 / Nikon F3

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新しく生まれ変わったみたいな毎朝を向かえましょう
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「Helpless」

96年公開。当時の浅野忠信はどこか神格化されていて、彼を好きだと言っておけばなんかオシャレ。的な雰囲気だった。
そして彼の出てる映画=良い映画って言っておけば、なんか映画通っぽかった。
僕はもちろん浅野ファンだったけど、今思い返すとそんな短絡的な気持ちで、良い!と言っていた気がする。
この映画をみなおしてみると高校生ボーイにはとうてい理解できるものではないと思った。それはそれでいいんだけどね。

仮出所してきたヤクザの安男。組の仲間が安男を迎えに来て、組長の死と組の解散を安男に伝えた。安男はその事を信じず、自分をだます為の嘘と思い込みその仲間を殺してしまう。安男は高校生の健次に妹のユリを預け、後でレストランで落ち合う事を告げ組長を探しに行っていしまう。健次はユリを連れてそのレストランに向かう事になるが。

好きな監督のひとりの青山真治。彼の映画と言えば、心の深淵、無慈悲、そして虚無。だと思っている。
その青山真治監督の映画デビュー作。そして浅野忠信も初主演作品。
「北九州サーガ」という三部作の一作目で、全員ベタベタな北九州弁でしゃべる。これがまた柄が悪い。
これを機に青山作品にはほとんど出演する事になる光石研が、すごくいい役者さんで、好きです。

96年の映画。当時僕は16歳だけど、この映画をみたのはたぶん高校生。90年代。
ファッション、バイク、ポラロイドカメラ、全てが当時の雰囲気をだしていて、懐かしい&痛々しい。
軍パン、ハーフパンツ、襟ぐり小さいのにサイズでっかいTシャツ。懐かしい&痛々しい。
その時代でいう70年代、80年代という呼び方で「90年代」とジャンル分けされることが想像できなかった。

なんか高校生当時の自分を思い出してしまった。一日が永遠のようで虚無に苛まれて、日々を無気力に過ごしていた日々。
そして夏。夏の暑さが今と違った。たぶん変わったのは僕だ。
ひとつだけ言えるのは、あの頃の自分が元になって今の自分が構成されているはず。
そう思うと郷愁感にも似た気持ちが僕を締め付ける。そしてあの頃には戻れないことを再認識するんだ。

今までみてきた映画が多ければ多いほど、これからこうゆう気持ちになることが多くなるという事だ。
想像すると、すごくワクワクする。そして映画って本当にいいなと思うんだ。
この映画は青山真治特集として、松田松竹の二本立てでみた。今年もすでにいっぱいお世話になっております。
もうひとつは「共喰い」田中慎弥のやつ。これがまた素晴らしかったので、それはまた。

ちなみに。
僕は普通免許しかないから原付しか乗れないけど、なんか中型の免許を取ろうかと思っちゃったよ。いまさらだよね。

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The End_909 学芸大学 / Nikon F3

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夢のまた夢の夢














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「My Favorite Things」

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The End_908 葛西臨海水族園 / Nikon F3

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