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パーマネント・シレンシオ
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「安部公房 / カンガルーノート」

お友達にお薦めされて読んでみました。初めての安部公房体験。
前に違う人に安部公房の「砂の女」を薦められた時、なんだか心動かなくて、結局読まなかったけど、
今回は他の読む予定の本を抜き去り、順番を繰り上げてまで読んだ。
タイトルが村上春樹の「カンガルー通信」っぽかったからか、はたまた少し風邪っぽかったのか!

脚のすねに突然かいわれ大根が生えてきた男は、病院で手当を受けるが、麻酔を打たれ意識をなくしてしまう。気が付けば彼は自走式のベッドに固定され、医者に「硫黄温泉行き」を宣告される。生命維持装置つきのベッドは彼を乗せたまま動き出す。坑道から運河、賽の河原から共同の病院へ。終わりなき旅への末に彼がたどり着いた場所とは。

これはたぶんロードムービー的小説なんだろう。それに「奇想天外」という要素を入れ込んだ物語。
これしか読んでないから、この人の書く作品が全部こんな感じなのかは分からんが、とにかく奇想天外だった!
星新一ほど優等生ではないけど、筒井康隆ほどブラックすぎない。なんともちょうど良い感じでした。
藤子・F・不二雄のブラックSFみたいな。突拍子もないのにどこか現実で、哲学や揶揄めいた表現もあって好きな感じ。

この作品が遺作になってるみたいだけど、意味があるのか無いのか、限りなく「死」を意識した物語になっている。
夢の中の出来事か、現実の事なのか、曖昧な部分をたゆたう主人公の心情が表現されていた。それは生死の境目。
僕もその時になったら分かるんだろうけど、もしかしたら「どっちもそんなに変わらない」と思うのかな。。
きっとこの小説はいちいちの意味が重要じゃなく、雰囲気で感じる小説なんだと思う。

かいわれ大根、硫黄泉療法、ピンク・フロイド、日本安楽死協会、賽の河原など、暗喩めいた表現がいっぱい。
かいわれ大根=腫瘍とか、硫黄泉=黄泉の国とかすぐ分かるものもあったけど、意味不明なものもいっぱいあった。
病床に伏せた著者の心情を殴り書きしたような、でも文章として成立しているのは才能だよな。中島らも的なあれか。。
個人的には神出鬼没の看護婦が好きなキャラクターでした。母との再会の所とかすごい好きだった。

ちょっと僕、安部公房にはまりそうな臭いがするなー。
しかし順番待ちの小説も映画もいっぱいあるし、精力的に片付けたい。けど最近本当に時間がないな。。
というわけで、とりあえず安部公房の他の作品を買っておいて、いつでも読めるようにしておこう。
これが僕の家の書籍がたえず増殖していくしくみです。本とDVDに埋もれて死にたい。

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The End_904 渋谷 / Nikon F3

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ああいう目をする男
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「ランズ・エンド 闇の孤島」

誰かがブログかなんかでオススメしてたのと、イギリス映画という事と、ランズエンドというタイトルでみた。
あのツタヤだけ限定!的な貸し出しってなんなんだろう。限定する意味はあるのだろうか。。

ジョーとクリシーの兄弟は、刑事だった父をあがめ同じ道を進むようになる。イギリス北西部で起こった少女殺害事件を捜査する事になった二人。父親に似て正義の為なら実力行使もいとわないという、強権的な思想の持ち主であるジョー。彼は容疑者として目を付けていた元小児性愛犯罪者を逮捕。しかし証拠不十分で釈放されてしまう。ジョーは疑惑をぬぐう事が出来ず、酒に酔った勢いでクリシーと父親と共に容疑者をある島に連れて行ってしまう。その島は父親が刑事時代に容疑者を無理矢理自白させる為に使っていた島だった。

007スカイフォールの監督だってゆうからみてみた。
闇の孤島って聞くとディカプリオのシャッターアイランドが出てくる。ブルーグレーの映像もなんか似てた。
しかし内容は全然違くて、シリアスな展開に加え物事がどんどん悪い方に転がって行くのが面白かった。
イギリスの北西部ってきくとドキドキするのは僕だけか?アイルランドのグレーで風が強い感じが好きなのは僕だけか?

この話。最初に起こった少女の殺人事件はほとんど関係なくて、あらすじで書いた事の後に起こることが肝です。
すでに殺人事件とか関係無くて、あくまでも個人の自責だったり、後悔だったり、罪悪感。どこまでも個人の話だ。
罪は自分がしてしまった行為にあるのではなく、自分の心の中にありそれは自責の念として現れる。だって、怖いな。
全体的にダウナーな映画。先に書いたブルーグレーでコントラスト高くアンダー気味の絵が拍車をかけてた。

認知症になってしまった父親の本心はいったいどうだったんだろうか。
たぶんその真実はどっちで良くて、被害妄想にかられ堕ちていく様がメインなんだろうけど、やっぱり気になる。
基本的に冒頭の設定を見て頂ければわかると思うけど、ハッピーエンドにはなりえない設定なので、あしからず。
たまにはこうゆう心の動きがわかりやすいサスペンスをみると面白い。わかりやすいっていい!

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The End_903 小山八幡神社 / Nikon f3

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ロング・ウェイ・ダウン
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「ブギーナイツ」

ポール・トーマス・アンダーソン作品。エロいです。エロいけどエロいだけじゃない。
フィリップ・シーモア・ホフマンがこないだ亡くなったので、彼が出てる映画をみなきゃと思って。
彼の気持ち悪い所がすごくファンで、亡くなってしまい心からショックを受けた。
もうあの気持ち悪い演技は見られないんだな。。

ロサンゼルスの郊外、皿洗いのバイトをしているエディは、ブルース・リーに憧れる17歳の平凡な高校生。しかし人とは違うのはとにかくでかいポコチンを持っているということ。ポルノ映画の巨匠、ジャックに見定められ、ポルノ業界のスーパー・ヒーローとして成り上がっていく。芸名はダーク・ディグラー笑。

70年代のディスコミュージックとカントリーミュージックで構成されてて、すごく好きな雰囲気の映画。
物語の中で80年代に入ると雰囲気も一掃して、急にダサくなる。肩パットとかシャツインとか。良い意味でダサくなる。
話が話だからエロい表現ははいっぱいあるけど、直接的な表現は言うほどないし、普通にみれます。
恋人と一緒にみるような映画では、、ないな。でもちゃんと物語としての芯も、哲学もあります。

ディグラーが飛ぶ鳥を落とす、イケイケな時期。やはり決まってあいつらはプールサイドでパーティーを始める。
グレート・ギャッツビーも、タランティーノ映画も、HIPHOPのPVも、あいつらはすぐにプールサイドでパーティーだ。
そしてお決まりのように酒とドラッグに溺れていく。あのアメリカ的な堕ち方はなんなんだろう。。
アメリカンドリームという神話が人間をそうさせるのか。。人間のサガと言えばそれまでなんだろうけど。

1980年代の幕開けを祝うニューイヤーパーティーでのセリフ。
「この分だとすぐに1990年。2000年だってすぐ目の前だね」みてるこっちはもう2014年です。
あの頃遠い未来だと思っていた時代に僕らは居るのだ。すごく不思議な事に感じる。未来ってこんなんだっけ?
この時代、映画はフィルムからビデオに移行する時代だったみたいで、表現者の葛藤がいっぱいあったみたい。

昔気質の映画監督は、便利で低コストのビデオ導入を頑なに拒むけど、お金を儲けたい資本主義の犬は群がってくる。
監督ジャックの言う「便利さの恐怖」という物がここにもある訳で、便利だからこそなくなる魅力はやはり存在する。
自分の手で考え試行錯誤し、何度もやり直した物には「自分の中から出てきた何か」が感じれるものになるはず。
やはりそうゆう物の魅力は昔も今も変わらないんだな。と思うと少し安心する気持ちになった。僕ももっと頑張らないと。

お目当てのフィリップ・シーモア・ホフマンですが、この作品ではディグラーに恋するゲイ役です。
もう最高に素晴らしく気持ち悪い。あんなに気持ち悪い俳優もなかなか居ないような気がする。もちろん良い意味で。

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The End_902 下北沢 / Nikon F3

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修論の内容
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「森博嗣 / 喜嶋先生の静かな世界」

押井守のスカイクロラをみたことはあるけど、あまり好きじゃなかった。
その原作者という事は知ってたし、なんかいっぱい本を出してるのも、理系の小説家という事も知っていた。
今まで気になっていたことはあるけど、手をださなかった。今回読もう!と思ったのはなんでだろ。
夜な夜な新しい作品探しをしている時にレビューを読んでて、薦められると弱い、僕だからです。

文字を読むことが苦手だったから小学生の時は勉強が大嫌いだった。しかし小学4年生の時に区の図書館で偶然手に取った本。意味の分からなかった本だけれど、書いてある内容は今自分が一番興味があるものだった。読む事や理解する事が人より遅くても、意味の通る解釈がいつか自分に訪れる。意味のわからない物を、わかる物に変えていくプロセスを楽しむとう事が勉強。小さい頃にはまだ分からずしていた事だったけれど、大学に入り喜嶋先生に出会った事により、その事に気付いた。著者の自伝的小説。

初めて読んだけど、淡々と語られる物語は好印象でした。
物語に起伏もあまりなく、もう淡々と語られる。静かに。
それでも退屈しなかったな。終始、特に事件もなにも起きないのにな。
文字が頭の中にすっと入ってきて、すっと抜けていく気持ちよい文章でした。

普段生活していると、いろいろな事が多すぎて見失いがちになるけれど、大切な事はいつも変わらなくて
それを見据えて生きているかどうかで、生き方は良い方向に大きく変わるんじゃないかと思っている。
物事をや問題を構成しているものは凄くシンプルで、複雑にしてるのも自分自身という場合も多い。
しかしその事も忘れてしまう程日常はめまぐるしい。この本を読んで落ち着き、また思い出せた。良かった。

「喜嶋先生」というキャラがとても愛らしく魅力的なキャラでした(男)
明確な事しか言わないし、無駄な事はあまりやらなそうなくせにどこか抜けてるキャラ。
終わり方もすごく切なくて良い終わり方。ちょうど今の時期に読んだからかな。。
マイウェイ熱唱も、すごく良かったです。これがシリーズ化すれば良いのに、って無理か。

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The End_901 新宿御苑 / Pentax 645

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地面を打つ音
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「BIOHAZARD Deadly Silence」

「BIOHAZARD REVELATIONS」をクリアして、バイオ熱があがり購入。
DS移植作品で、結構古いのでアマゾン中古で400円。
PS1時代の画像(少し良くなってるかもしれないけど)の粗さはDSの画面の大きさだと
全く気にならない。そりゃ粗いと言えば粗いけど粗いからこその臨場感ってすごくある。怖かったもん。

1998年夏、ラクーンシティ郊外に位置するアークレイ山地で住民が食い殺されるという猟奇事件が多発。事態を重く見たラクーン市警は特殊作戦部隊S.T.A.R.S.のブラヴォーチームを現地へ派遣。しかしそのブラヴォーチームが消息不明になる。翌日S.T.A.R.S.アルファアチームがブ捜索の為現地へ出動。探索開始直後に犬の怪物の群れに襲われ、メンバーは近くの洋館へ逃げ込む。ジル・バレンタインはバリー・バートンと、クリス・レッドフィールドは途中で合流したブラヴォー・チームの生き残り、レベッカ・チェンバースと協力し、洋館からの脱出を目指す。

「REVELATIONS」の時も書いたけど、「恐怖感」「孤独感」「密閉感」は秀逸すぎる。怖い、とにかく怖いのだ。
そしてと共通するのは密室からの脱出。このシリーズは古い洋館。できることならすぐに逃げ出したかった。
ネタバレ関係なく、最後はやはり脱出する事になるんだけど、無事脱出に成功した時の虚脱感ったらなかった。
僕のプレイが下手くそだからだけど、弾も回復薬もまったく足りてなくて、極限状態だったのも関係するな。

バイオハザードシリーズの記念すべき第一作にあたるこのゲームですが、発売当初はPlayStation。
当時のグラフィックは今と比べて、リアルとはほど遠い代物なんだけど、その曖昧さが恐怖感を煽る。
曖昧な滲んだ映像だからこそ何かが隠れてそうで怖いのだ。ドット絵が想像力をかき立てた昔のFFみたいなもの。
そして3DSの小さい画面でやると解像度の悪さもわりと改善されて、ストレスはまったくありませんでした。

恐怖心のストレスはもちろん異常な程ありました。1996年発売のこのゲーム。だから僕は16歳、高校1年生だ。
こんなゲームが18年も前にあった。しかもリアルタイムでプレイしたというのはなかなかすごい事なんじゃないか。
今改めてやってみても、恐怖心とかクリビツ感とか物語性とか、全てにおいてバランスが取れてる。
これは素直に名作と言えるゲームだと思います。ここまで満足するゲームって今なくなったな。。

しかし、弾の数や回復の回数が制限されてるというのはまだあれだけど、
セーブの回数まで制限されてるゲームというのは他にあるのかな。。
それがまたゲームにスリルさを加える良い演出になってるんだけど。
そして僕のバイオ熱はまだまだ続くのである。。

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The End_900 新井薬師前 / Pentax645

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ハイラル草原の夢
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ダニー・ボイル監督作品。こないだ「トランス」を映画館でみて、ダニボ熱があがり物色してきた。
しかし、ゾンビ物なのかな?28日後、28週後、とかいう作品はホラー感ありありでパス。
「127時間」はオチがあからさまに想像できるのでパス。それで残りはこれ、という感じです。
「ファンタジックで心温まる作品」というキャプションがダニボっぽくないけど、まあいいのです。

イギリスがユーロ市場圏加入する直前の話。母親を失ったカニンガム兄弟は、父の提案で新しい町に引っ越してきた。弟のダミアンは信心深く聖人になることを夢みているが、ある日ダンボールで作った隠れ家に大量のポンド紙幣が入ったバックが降ってくる。歓喜に沸く二人だったが、現実主義の兄アンソニーは欲しい物を片っ端から買いまくる。しかし弟はその信心深さから貧しい人を助けようとチャリティーなどに寄付をするようになる。。しかしそのお金は組織的な列車強盗のものであり、バックを探している男が兄弟の廻りを探りだすのだった。

うん、まあ普通に面白かった。子どもが出てきて大人とやんややんやしだすとホームアローン臭がするな。
ダニー・ボイルといえばドラッグ&バイオレンス的なのがあるけど(トレインスポッティングだけ?)全くの対極です。
ダミアンは、妄想で聖者の姿をみる事ができるが、その辺がドラッグ感はあるかな。超ナチュラルだけど。
その割には宗教感があるわけでもなく、聖者の存在意義も少しよく分からなかった。

しかし夢中になって物語に入り込むような事はなかった。
良くも悪くもいたって普通。みてもみなくても良いような映画。といったら怒られるか。。
ちょっと話が散漫すぎてしてる感じがあって、なんとなくだるい。平和な感じもちとだるい。
強盗がお金をとりもどしに来る時も恐怖感はゼロだ。僕がバイオハザードやりすぎてるからかな?

編集や、音楽。物語の進み方などは普通に疾走感もあり楽しめると思う。
その辺はやっぱり有名監督ならではなんだろうな。でも今作は心に響かなかった。
コントラストの高い絵もどことなく「カメラ好き女子のトイカメラ」的な雰囲気で好きじゃなかった。
だけどダニー・ボイル、他にもみてみよ。なにかいいのあればいいけど。探してみよ。

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The End_899 東村山 / Nikon F3

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尻切れトンボ飛行
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「村上春樹 / 辺境・近境」

最近の僕の読書の傾向として、2・3作品読んだ後に息抜きというか、気分転換で村上春樹を読んでいる。
今回もそんな感じで「永遠の仔」「新世界より」「邪魔」と長編が続いたので、お気軽なものが読みたくて。
彼の作品はオウム関連以外は全て読んでいる。。と前に書いたけど、割と抜けてて。これもその一つです。
ちょっと前に読んだ「遠い太鼓」と同じく旅ものエッセイだけど、遠い太鼓よりもっと辺鄙な所に行ってます。

イースト・ハンプトン、メキシコ、アメリカ大陸、讃岐うどん紀行、神戸と、遠方から近場までの旅をまとめてるんだけど
その中でも注目せざる得ないのは、やっぱりノモンハンに行った時の事を書いた文章です。村上春樹ファンなら、ね。
「ねじ巻き鳥クロニクル」の第二部でノモンハン戦争の事が出てくる。このブログでも何回も書いているけど。。
数ある村上春樹の小説の中でも1、2位を争う超衝撃的なシーンなので、強烈に鮮明に覚えている。

あの皮剥ぎジャックの話です。読んだ人は絶対に記憶していると思いますが。。内容は割愛!自分で読んでください。
ちなみにもう1つ同じように僕の脳裏に印象付いてるのは、海辺のカフカのジョニー・ウォーカーだ。
あれもすごかったよな。。もう意味が分からなかったし、読むのも辛かった。猫の。。、、割愛っ!!
その強烈で、痛々しい記憶が、両方の作品の再読を拒ませるのだ。そのうちまた読むんだろうけど。

話は戻るとその「ねじ巻き鳥」の件で、ある雑誌社から「実際にそこに行ってみませんか」と声がかかったそうだ。
中国といえども内モンゴルと言われる地域は、とにかくどこまでも続く草原と空。画像検索してみてください。
写真でみると本当に素晴らしい風景。でも多分2時間くらいで飽きるんだろうな。新幹線現象みたいなものだ。
美しい草原にみえても蚊やハエなどの虫がすごく多いらしい。ぱっと見の美しさの中にも汚い物はい隠れているのだ。

「ハイラル」という地名からゼルダの伝説を思い出す人も少なくないだろう。そこからノモンハンまで移動する。
そして手つかずで残される戦場にたどり着く。戦場と言えどもどこまでも続く草原で点々と戦車が放置されているだけ。
それを「鉄の墓場」と書いてた。世界でも戦争の雰囲気を残したまま放置された場所はここだけだろう。とも書いてた。
時がたってもその土地で起きた事は染みつき残るんだろうな。僕も機会があれば行ってみたい、多分そんな機会ないだろうけど。

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The End_898 川崎 / Nikon 600

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研究室でのできごと
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「奥田英朗 / 邪魔(下)」

前にかいたやつの下巻です。小出しですんません。
前にかいた通りだるいのは最初だけで、下巻になってもスピード感は落ちなかった。
筆力というやつだ。ぐぐいっと引っ張られる感じ。それは読んでてとても気持ち良い。
内容はともかく最近はこうゆう「読ませる小説」によく当たってて嬉しい。

あらすじは上巻のコピペです。東京郊外に住む34歳の主婦、恭子はサラリーマンの夫と子どもたちと、平凡だが幸せな生活を送っていた。しかしある日夫の勤務先で起こった放火事件から、彼女の安定した幸福は揺らぎ始める。「放火した犯人はもしかしたら夫ではないのか?」そう思い込みだす彼女はパート先のスーパーにまで不満を持ち出す。そしてある女性活動家に声をかけられる、、、。そしてもう一人、36歳刑事の九野は7年前に妻を事故で亡くし、それ以来不眠症になっていた。自分と同じく、夫にも娘にも先だたれ、ひとり孤独に生きる義母を、ある意味心の支えにし職務に没頭していた。しかし放火事件の調査をしていくうちに恭子の夫を疑いだす事になり。。

妻を亡くした九野刑事が中心に物語は進むので、便宜的に彼が主人公っぽい感じ。
だけど本当の、深い所では主婦の恭子が主人公かもしれん。上巻から続き、パニック具合はエスカレートしていく。
強迫性障害とはこうゆう事だな。。と客観的に、冷静に思ってしまった。こうゆう人は女性に多い。ヒステリック。
出来ることなら本人に会って「とにかく落ち着いて!」と声をかけたくなる。が、彼女はどんどん悪い方へ進んでいく。

しかしこの作者は女性の感情を描くのがうまいな、という印象でした。特に中年の女性。
疑惑→確信→絶望→開き直りというプロセスを客観的にみて、こうゆう人いるいる。と妙に納得してしまう。
スーパーのパート仲間内でのいざこざや陰口言い合うシーンなんて、嫌でも情景が浮かぶ。
しかし人というのは、疑心暗鬼になればなるほど脆く不安定に、そして嫌な人間になるんだな。

中盤まで物語の勢いは続くんだけど、終盤は少し失速気味だったかも。というラストか。。
物語の決着に適当さが感じられて少し残念でした。でもこのページ数を一気に読ませる事はすごい事で。。
何度も言うけどすごく気持ち良かったです。それだけに少しだけ残念な気持ちが残りました。
奥田作品の中で最高傑作という意見も多いこの作品ですが、僕的には「最悪」の方が好きだったかな。

「最悪」「邪魔」ときたから「無理」も読もうかな。。
こないだ本をまとめ買いしたので、読まなきゃいけない本が貯まりすぎてる傾向にある。
ちょっと本腰入れて消化しないと飽和するな。映画もみなきゃいけないし、運動もしないといけない。
そういえば仕事もしなきゃいけない。。大変だ。

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The End_897 川崎 / Nikon D600

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下世話な表現
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「BIOHAZARD REVELATIONS」

何度も何度もしつこく言ってますが、僕はグロ苦手だ。
ホラー映画なんて死んでもみたくないし、みた所でなにを得られるのかはなはだ疑問でしかない。
ましてやゾンビ物なんてみる意味が分からない。そもそもみる意味なんて無いはずだ。
人生において無駄な事なんて一つもないとは思っている。しかしあえて言うならばホラー&ゾンビだ。

そんな僕がなぜ「バイオシリーズ」に手を出したのか?僕にも信じられない部分はある。
いつごろだ?去年だと思うけど、アマゾンで新しい本を物色してて、このゲームがこぞって好評価だった事。
そして往年の名作「バイオ1」は中学生の時みんなで集まってキャーキャーいいながらやった懐かしき思い出があり。
今作はそのバイオ1が好きな人にオススメな傾向だった事。そして中古で割と安かった事。いろいろ後押しした。

地中海上で通信が途切れ行方不明になったBCAAの隊員、クリスとジェシカの捜索をするために、かつてのクリスの戦友ジル・バレンタインはパーカーと共に漂流中の豪華客船、クイーンゼノビア号に潜入する。船内はボロボロに荒れ果てており、謎の怪物が徘徊していた。ある一室でクリスらしき拘束された人間を発見するが、それはクリスを真似た人形だった。罠にはまったジルは催眠ガスを浴び意識を失ってしまう。。

バイオ1で主人公だった女性。ジル・バレンタインが一応このゲームの主人公。
前半は昔のバイオ同等の「恐怖感」「孤独感」「密閉感」がすごくあった。
正直一人でプレイするのは億劫だったよ。そのくらい怖かった。気持ち悪いじゃなく怖い。これ重要。
ないと進めないアイテムを探しに、来た道をまた戻る。その時の億劫感はすごかった。はまってる証拠だ。

物語は今までのシリーズの内容を知らなくても楽しめるので、とてもありがたかった。
それどころか、この作品だけ単体でやっても全然大丈夫だと思います。外伝めいた所もあるからかな。。
今回は地中海に浮かぶ客船からの脱出。いわゆる密室だ。バイオ1も洋館を初めとする一連の施設からの脱出。
その共通項って結構重要でさ。それが恐怖感を倍増する大きなファクターになっているみたい。

怖いのはある程度の慣れで大丈夫みたいで、グロも、まあ、慣れれば。でも痛いのはやっぱり駄目だ。
痛いのと、尖ったものとか、刃物とかそうゆうのはまったく慣れないので本当に駄目みたいです。
今作はすげえ怖いし、すげえグロいし、すげえ気持ち悪いけど、痛い表現はほとんどなかったんじゃないかな。
と言うわけで思ったよりもハラハラドキドキワクワクとプレイできました。なんだ結構大丈夫じゃん、僕。

密室からの脱出とか、謎解き、仕掛け、そしてメンタル的な恐怖はわりと好きみたい。
だけど、今のバイオはシューティング、ガンアクションがメインみたいだし。あまり興味がわかない。。しかし!
懐かしきバイオ1がDSで復刻していると聞き、前述した懐かしさもあり、400円という安さもあり、ただ今プレイ中です。
これがまた怖い!その感想はまた今度。

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The End_896 東村山 / Nikon F3

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ノモンハン行きの雲
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「クロニクル」

二本映画みれて1300円、一本650円。安い!というか他の映画館が高すぎるんだと思う。
映画1800円でポップコーンとコーラ買ったらいくらよ。どうしても期待薄の作品はツタヤでレンタルを待ってしまう。
もっと気軽に大衆娯楽的に映画館に行けるようになればいいな。集客数が増えて映画に触れる人が多くなればなるほど
長い目でみると経済的なんだろう。文化とはそうゆうものではないのか、目先の収益も大切だろうけど。ね。

二本立ての良いところは、入れ替え制ではないので、いようと思えば朝から晩までいれるのだ。
もちろんそんな時間はないんだけど、そのゆるさがいいのだ。ちょっとヒマだから映画でもみるべ。的なのがいい。
一本目のトランスがああゆう映画なので、もう一回みてってもいいかな、と少しよぎったけどやめた。ギリギリでやめた。
優遇があるのかは知らんが、老年の人が多いのもまた良い。婆ちゃんがサイキック映画みにくるってのがすごく良い!

高校生のアンドリューは酒飲みで暴力的な父親と寝たきりの母親の元に育ち、学校ではいじめられひとりぼっちの生活を送っていた。唯一の話し相手である従兄弟のマットとパーティーに向かう。そこでもひとりぼっちだったアンドリューをみて、マットとその友達スティーブは彼を連れて、近くで見つけた洞窟の探検に向かう。そこで3人は不思議な物体に触れ、それをきっかけに超能力、サイコキネシスの力を手に入れる。最初は物を動かしたり女の子のスカートをめくる程度の事で楽しんでた彼らだが、段々エスカレートしていく。特にアンドリューはめきめきと力を付けていき同時に自分も失っていった。

もうすでにDVDになってたけど、これは素直にオススメできる映画です。深い意味はなく、普通に面白かったんだよ。
メッセージ性も哲学もないただのエンターテインメント映画だと思ってたけど、細かい精神描写もあるし楽しめます。
設定も深く説明はなくて、なんだかわかんないけどある日不思議な力をてにいれました。というざっくり感が良かった。
設定説明で疲れてしまう作品も割と多かったりするしな。お気楽に見れるのですごく楽ちんでした。

前半は子どもたちが手にしてしまった、サイコキネシスでイタズラしてる程度ですんでいた。
僕らがまだ小さい頃に夢みていた超能力そのものだ。その力を訓練してどんどん使いこなしていく彼ら3人。
その光景を見てるだけで微笑ましくもあった。無邪気にはしゃいでる彼ら、すごくキラキラしていた。
それがだんだん止められなくなって、制御できなくなってくる感じ。人間のサガというやつか。。

最後の方はもうぐっちょんぐっちょんで、なんだかよく分からなくなってきたけど、それがまた良かった。
AKIRA、というか鉄雄か。とかなりダブった。ダブりというかもうほぼ同じと言ってもいいでしょう。
廻りの人が自分を認めてくれない葛藤からくるエネルギー。それを止めようとする金田的人物。その関係そのまま。
しごく中二病的な映画だ。それは僕の中ではすごく共感する部分があって、割とというか結構好きなパターンでした。

90分くらいの短い映画だけど、あっという間に終わっちゃった。それはもうスッキリと!おすすめです。

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The End_895 東村山 / Nikon F3

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