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終わりゆく一日へ
年末にかけて思いがけず体調を崩してて、更新ができませんでした。
思えば秋口から仕事が忙しく気を張ってたのが、年の瀬になって気が緩んだのかもしれない。
今年の年末年始は例年のように仕事は入ってないので、わりとゆっくり過ごせそうです。
ということで来年の為に英気を養ってると思い、養生に努めようと思います。

毎年この時期に一年を振り返ってみると、やっぱり後悔したり、迷いやこれからの不安は増すばかりだったりするけど
この歳になると「ま、いっか」という便利な言葉でいろいろなものが整理できて、なかなか楽っちゃあ楽です。
前に書いたけど今年僕の中で大きな転機がありました。とても個人的な事なのですごく小さな事に聞こえると思う。
だけど僕の中では大きな事で、わりと感覚がくるっと変わった。きっと現実は映画のように劇的ではないのだ。

この仕事も12年くらい続けていると、いかんと思いながらも惰性になっている部分を感じる。
いちいち考えなくても分かる部分が多くなり、それで満足して新しい事にチャレンジしなくなってたりする。
自覚があるのでまだ良いほうかもしれないけれど、僕の立場上このぬるま湯はいかがなもんかと思うのです。
という事を書いた。これは毎日暴力的に流れる時間の中で、気にしなければ気にしないで生きていける事です。

だけど初心に戻ってもう一度「考える」という事を見直してみたのだ。「考える」という事の苦しみや面倒くささ。
そして一人ではなく二人(フジ暴と)で1つのモノを作る事。そりゃあもう面倒くさかったよ、ケンカにもなった。
しかしその先にある達成感や喜びはとても新鮮だった。そしてそうゆう感情を僕自身が素直にを欲していた事。
なにより心から好きだという事。それを再認識できた。それはとても素晴らしい事のように思えたのです。

やっぱり僕にはこれしかないんだなと思った。それはこれからもこの仕事を続ける上ですごく勇気に変わる事でした。
だからこれからも続ける努力をします。やっぱり突き詰めると「続ける事」以外に必要な事ってあまりないのかも。
仕事も、デザインも、写真も、ブログも、読書も、映画も、なんでも続けることに意味があるのです。
だから来年も「続けるという努力」をしようと思います。やめないという覚悟をゆるく静かに胸に抱えて頑張ります。

そしてなによりも。今年も相方のフジ暴にはすごくお世話になりました。
毎年言っているけど、二人だからできた事はきっと少なくないはず。特に今年は。ありがとう。
僕たち二人は来年の4月に創設、まる10年を迎えます。学校で知り合ってからもう15年たつのか。
もちろん長友くんも当時からの付き合いで、今一緒に仕事ができている。来年もいい仕事しましょう!

「今年一年間でブログに掲載した小説、映画」

「ボーン・アイデンティティー」「ボーン・スプレマシー」「ボーン・アルティメイタム」「キック・アス」「野沢尚 / リミット」「007 / トゥモロー・ネバー・ダイ」「007 / ワールド・イズ・ノット・イナフ」「007 / カジノロワイヤル」「グッド・ウィル・ハンティング」「ミレニアム2 火と戯れる女」「Drive」「歌野晶午 / 葉桜の季節に君を想うということ」「SOMEWHERE」「ナビィの恋」「ミレニアム 3 眠れる女と狂卓の騎士」「野沢尚 / 眠れる森」「サラの鍵」「BLUE VALENTINE」「垣根涼介 / 狛犬ジョンの軌跡」「12 MONKEYS」「ヤコブへの手紙」「Kingdom Hearts _ Dream Drop Distance」「SUPER 8」「わたしを離さないで」「17歳の肖像」「野沢尚 / ふたたびの愛」「ハートロッカー」「ソフィアの夜明け」「シルビアのいる街で」「ヴィム・ベンダース / ベルリン天使の詩」「闇の列車、光の旅」「息もできない」「ミヒャエル・エンデ / モモ」「マグノリア」「とびだせどうぶつの森」「デビッド・リンチ / インランド・エンパイア」「レ・ミゼラブル」「ヒューゴの不思議な発明」「アヒルと鴨のコインロッカー」「トウキョウソナタ」「ミッドナイト・エクスプレス」「サイダーハウス・ルール」「セルピコ」「マルホランド・ドライブ」「SWEET NOVEMBER」「DRAGON QUEST VII エデンの戦士たち」「インター・プリター」「親愛なるきみへ」「本多孝好 / 瑠璃」「ミシシッピー・バーニング」「窪美澄 / アニバーサリー」「フレンチ・コネクション」「NOWHERE BOY」「アラン・パーカー / ライフ・オブ・デビッド・ゲイル」「奥田英朗 / 最悪」「岩井俊二 / 四月物語」「アラン・パーカー / THE COMMITMENTS」「ミツバチのささやき」「野沢尚 / 反乱のボヤージュ」「ピクニック・アット・ハンギングロック」「フライド・グリーン・トマト」「辻村深月/ 凍りのくじら」「おおかみこどもの雨と雪」「ザ・メキシカン」「重松清 / 明日があるさ」「マネーボール」「重松清 / 僕たちのミシシッピ・リバー」「ジョー・ブラックによろしく」「君がいた夏」「ウディ・アレン / 影と霧」「村上春樹 / 使い道のない風景」「佐藤多佳子 / サマータイム」「恋の聖地」「東京日和」「セント・オブ・ア・ウーマン」「稲城功一・村上春樹 / 波の絵、波の話」「ゼルダの伝説 時のオカリナ3D」「窪之内英策 / ツルモク独身寮」「安西水丸・稲越功一 / 町の誘惑」「PING PONG」「雨宮諒 / 夏月の海に囁く呪文」「フィールド・オブ・ドリームス」「ミリオンダラー・ベイビー」「ドミノ」「真理幸子 / ふたり狂い」「ルイージマンション2」「松本大洋 / ピンポン」「桐島、部活やめるってよ」「ヒミズ」「君に読む物語」「嫌われ松子の一生」「コラテラル」「大友克洋 / ショート・ピース」「オクトーバー・スカイ」「ヴィム・ベンダース / 都会のアリス」「異人たちとの夏」「二十日鼠と人間」「ディア・ハンター」「ヒート」「ラスト・モヒカン」「12人の怒れる男」「スタンリー・キューブリック / ロリータ」「村上春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」「ヒアアフター」「インサイダー」「転校生-さよならあなた」「時をかける少女」「さびしんぼう」「井上三太 / TOKYO TRIBE 2」「ポール・セロー / ワールズ・エンド(世界の果て)」「ふがいない僕は空を見た」「FINAL FANTASY XIII」「ウォン・カーウァイ / ブエノスアイレス」「池井戸潤 / 下町ロケット」「オン・ザ・ロード」「ヤング・ゼネレーション」「ポンヌフの恋人」「村上春樹、河合隼雄に会いにいく」「青春デンデケデケデケ」「12人の優しい日本人」「アビエイター」「ビフォア・ザ・レイン」「BATON」「ボーダー」「エスター」「凶悪」「グッドフェローズ」「メメント」「BROW OUT」「バタフライエフェクト」「村上春樹 / 恋しくて」「がんばれベアーズ」「運命じゃない人」「ノー・マンズ・ランド」「宮崎駿 / 風立ちぬ」「宮脇檀 / 住まいとほどよくつきあう」「アポカリプト」「アフタースクール」「鍵泥棒のメソッド」「中島らも・いしいしんじ / その辺の問題」「アルゴ」「ザ・マスター」「窪美澄 / 雨のなまえ」「ラヂオの時間」「スーパーマリオRPG4」「ジュノ」「パブリック・エネミー」「ユージュアル・サスペクツ」「モンタナの風に吹かれて」「ペタルダンス」「ツレがうつになりまして。」「太陽を盗んだ男」「言の葉の庭」「村上春樹 / パン屋再襲撃」「虹色ほたる 永遠の夏休み」「劔岳 点の記」「天童荒太 / 永遠の仔(上)」「小説家を見つけたら」「スパイ・ゲーム」「君のためなら千回でも」「イーグル・アイ」「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」「オーケストラ!」「村上春樹 / 村上朝日堂 はいほー!」「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」「世界にひとつのプレイ・ブック」「天童荒太 / 永遠の仔(下)」「ホーリー・モーターズ」「ウォーク・イン・ザ・ライン」「村上春樹 / 遠い太鼓」「シェイム」

全部で171作品でした。去年が142作品だったのでちょっとだけ増えたみたい。
多いから良い、という訳ではないんだけど、それだけ多くの作品に触れられたという事なのでよしとします。
いちおう「年間100作品」ってのが僕の中にあって、それも越えられてるのでよしとします。
去年も言ってたけど、ライフワークだと思ってるのでゆっくりやります。どうせ終わりのないものだし。

今年は最後にペースダウンした傾向がありますが今年のブログはこれでおしまいです。
来年もこんなペースで続けると思いますので、うるさいなと思ったらブロックしてください。
今年以上に良い小説、映画に出会えますように。もちろん仕事も写真も、より意欲的な一年にしたいです。
それではみなさん、良いお年をお迎えください。

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The End_883 靖国神社 / Pentax 645

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湖の底に沈むもの
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「シェイム」

キャリー・マリガンが出てて監督がスティーブ・マックイーン。。
え?スティーブ・マックイーン?という訳でみてみた。

ニューヨークに暮らすハンサムで、仕事もスマートにこなす非の打ち所のないブランドン。しかし彼は仕事以外の全ての時間をセックスに注ぎ込むセックス依存症だった。行きずりの女性や娼婦と頻繁に関わりを持ち、自慰行為もしょっちゅう。まさに四六時中性欲と戦いながら日々を過ごしていたが、ある日彼のアパートに妹のシシーが訪ねてくる。シシーは歌手で恋愛依存症だった。男に口説かれたらすぐに心を寄せてしまうが、依存しすぎて男は離れていく、そして心を病む。ブランドンの確立したシングルライフに突如入ってきたそんな妹の存在。激しく衝突する2人の想いの先にはなにがあるのか。

こんな兄妹いねえだろ。というのが率直な感想。
いくら海外だからって全裸に限りなく近い格好でじゃれ合ったり抱きしめあったりしないでしょ?するの?
R18指定されてるのでエロいシーンはすごく多いです。ポルノかと言われたらそうゆう卑猥さはあんまりないかも。
いやらしさより虚しさの方が多いかもしれん。ブルーがかった絵がすごくきれいだと思いました。

ブランドンは一見、女をとっかえひっかえしてるモテ男。モテない僕からしてみればうらやましい限りだ。
しかし彼は本気の本気で悩んでいる。自分の病気を自覚して本当に苦しんでいるのだ。それがまた虚ろですごく良い。
会社のPCでエロ動画をダウンロードして、ウィルスをばらまき上司に怒られたりする。ださい、すごくださくて良い。
本心で想いを寄せる女性とは薬の力を借りても不能になる。意味が伴うと使い物にならなくなる。可哀想な男だった。

「私たちは悪い人間じゃない、悪い場所にいただだけ」とシシーは言う。
彼らがこうゆう人間になった経緯を表す言葉はこれだけだったと思う。過去、育った環境が原因なのかな。
ブランドンはふさぎ込み自己嫌悪に浸り虚ろになっていく。シシーは外向的でも男性に依存し傷つきながら生きている。
対照的なふたりでも人間関係をうまく構築できないという点では全く同じだった。

マイケル・ファスベンダーの後半のメンタル面やられてくる演技がすごかった。虚ろで下卑た目つきもすごかった。
そしてキャリー・マリガンの魅力。よくブスだ、デブだ。と言われていますが僕は大好きです。
何が良いかって。それはもうあのはにかんだモゾモゾした笑顔に尽きるのだ。
なんか同じクラスにいそうな、うまくいけば友達になれそうな雰囲気が大好きなのだ!

グレート・ギャッツビー。興味無いけど「みないと」という義務感にかられています。
理由はひとつにフィッツジラルドだから。そしてキャリー・マリガンが出てるから。それだけ!

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The End_882 逸見 / Nikon D600

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進捗状況を報告しなさい
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「村上春樹 / 遠い太鼓」

天童荒太の「永遠の仔」を読破した後しばらく(といっても1週間くらい)は本を読めなかった。
読めなかったというか読む気が起きなかった。なんかいろいろ考えてしまってダメだった。
しばらくして回復してきたから、なんか読むべと思ったけど、やっぱり重ためなものは避けたくて。で、これ。
全て読んでいると思ってた村上春樹は「オウム関連」とこの本だけは未読だった。旅行記だし気軽かなと思って。

1986年から1989年に渡り、ギリシャ・イタリアに移り住み執筆活動をしていた村上春樹の、旅行記というよりも滞在記。ギリシャの観光地として有名な島のシーズンオフの有様や、地元民との交流。そしていざハルキ島へ降り立つ村上春樹氏など、ユーモアにも溢れ気楽に読めるエッセイ。露出の少ない作家だけに、普段の生活が垣間見られる文章は新鮮。妻との口ゲンカのエピソードなど意外ともとれる著者の言動が新鮮だった。

この本はその時の僕ににとって、ものすごくちょうど良い本だった。
旅モノといえば沢木耕太郎や藤原新也が真っ先に出てくるけど、そうゆう重さはまったくない。
重いからダメとか軽いから良いとかではなく、今の僕に合っていたという話ね。もちろん藤原新也は大好きだ。
この軽さはなんだ?と思ったら、そういや旅じゃなくて滞在記だからだ。著者は「住み移り」という言葉を使ってたけど。

旅と旅行の違いとはなんなんだろう?いろいろ調べてみた。。

旅 ー 行程がある程度しか決まってないもの
    現実から逃避するもの
    迷いながら行くもの
    生活しながら、または生活のために移動すること

旅行 ー行程が決まっているもの
    現実と一緒に行くもの
    迷わないように連れて行ってもらうもの
    物見遊山、観光目的

なんか面白いな。通り過ぎるという事には変わらないんだけれど、いろいろある。
姿勢の問題なのかしら。でもできるのならば僕個人としてはやっぱり「旅」がしたい。
歳をとっていくと、やっぱりいろいろ億劫になってしまい、どうしても旅行になってしまうんだろうけど
まだ「旅」でいたいみたい。年齢に抗いたいという訳ではなく。姿勢の問題。

しかしこれから先に藤原新也的な「重めな旅モノ」って読む事あるんだろうか。。ここ何年も読んでないし。
ああゆう類のものは、ある程度若い頃に読むべきものなんだろうと思う。まだ自分の世界が開ききってない頃。
現在の僕の世界も、もちろんまだ開ききってないけど、今読んだとしても素直に受け止められるかは少し不安だ。
「若さ」という素晴らしさはそうゆう所にあるんでしょう。無知ゆえの純粋さ。少しでも残っているならば大切にしたい。

まったく本の内容にふれてないけど、相変わらずの安定した文章で、僕にとって良いリハビリになりました。
ストレッチして固くなった身体を丁寧にほぐすような感覚。気持ち良かった。
旅行とはまったく関係ないんだけど「ノルウェイの森」における本人の感想が載ってた。
これはすごく珍しくも感じたし、とても印象的だったので引用。

「すごく不思議なのだけれど、小説が十万部売れているときには、僕は多くの人に愛され、好まれ、支持されているように感じていた。でも「ノルウェイの森」を百何十万部も売ったことで、僕は自分がひどく孤独になったように感じた。そして自分が多くの人々に憎まれ嫌われているように感じた。どうしてだろう。表面的には何もかもがうまく行っているように見えたが、実際にはそれは僕にとっては精神的にいちばんきつい時期だった。いくつか嫌なこと、つまらないこともあったし、それでずいぶん気持ちも冷えこんでしまった。今になってふりかえってみればわかるのだけれど、結局のところ僕はそういう立場に立つことに向いていなかったのだろう。そういう性格でもないし、おそらくそういう器でもなかった。」

そして今の僕はまたしてもすごく長い小説に手を出してしまっている。
年またぎは必須、お正月にゆっくり読もう~。

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The End_881 六郷 / Nikon D600

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クライ・クライ・クライ
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「ウォーク・ザ・ライン」

大好きなジョニー・キャッシュの生涯をホアキン・フェニックスが演じた作品。
ジョニー・キャッシュは小さい頃に兄を事故で亡くしており、その時のトラウマを生涯抱えていた。
ホアキン・フェニックスといえばリバー・フェニックスの弟。嫌でも関係性を想像してしまう。
「The Master」から彼が気になってしょうがない「ホテルルワンダ」は重そうで避けてたけど出てるならみてみようかな。

空軍を除隊したジョニー・キャッシュは初恋の女性と結婚しメンフィスで訪問セールスの仕事をしていた。しかし自分に向かない仕事に対しふさぎ込みがちになるジョニーだった。ある日彼はサンレコードに飛び込み、強引に自分の
歌を聴いてもらうことに成功。空軍時代に作った曲を歌いスカウトマンの目に止まり、プロのミュージシャンとして活動を始めることになった。そんな彼の前に少年時代から憧れだったタレント、ジューン・カーター現れ、彼女への恋心を燃やし始める。

この映画でもホアキン・フェニックスは孤独な男を怪演していたと思う。
淋しいが故に大きくなるプライド。そのプライドが邪魔して空回り。まるで僕みたいだ。
しかしジョニー・キャッシュには最低最悪な時期に、見捨てないでいてくれた女性がいた。
それがなかったら彼は本当に落ちるところまで落ちていたと思う。幸せなやつめ。

劇中で彼はこうつぶやく「僕を忘れてくれ。そして誰もいない所へ」と。
男だったら若い頃に、こうゆう気持ちを皆が抱くんじゃないか。多かれ少なかれ。
僕には「僕を忘れてくれ」なんて事を言える人はいなかったけど、、誰もいない所へ行きたい願望はあった。
特に20代の最初の方にすごく強かった。その気持ちは今では無くなったかと言われるとまだ、ある。独身だからかな。

ジューン役のリーズ・ウィザースプーンという女優さんがあまり好みのじゃなかった事が残念でならない。
役としてはすごく良い役だったから、顔までタイプだったら僕はのめり込んでいた事でしょう。本当に残念。
元妻役のジニファー・グッドウィンという女優さんの方がタイプでした。超ヒステリック女だったけど。
ヒステリックな女性って、実際だと関わり合いたくないけど、映画の中で見てる分には悪くない。気の強い女性。

映画の中の歌ってるシーンは、ジョニーもジューンも口パクではなく自分で歌っているらしい。
ホアキンは声もジョニー・キャッシュに似てるし歌も上手。ジューンも歌手と言われても疑わないレベルです。
ホアキンの押さえるギターコードがCとGばかりだったのは、言わない。なにも言わない。
最後はほっこり。すごくほっこりと良い終わり方でした。若き日のエルヴィスとの絡みもファンとしては嬉しい。

以下引用ー
ジョニーが自分を売り込みにレコード会社に押しかけ、ゴスペルを歌った後にスカウトマンらしき人が放つ言葉。

トラックにはねられ死ぬ前に1曲だけ歌う時間がある。聞いた人間が絶対忘れない1曲。この世で君が感じたことを神に伝える曲。それを聞けば君という人間がすべて分かる歌を歌え。君の心から湧き出す曲、人はそういう曲に耳を貸す。そういう曲が本当に人を救うんだ。それは信仰とはなにも関係ない。自分を信じるかどうかだ。

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The End_880 六郷 / Nikon D600

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楽観的陰謀説
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「ホーリー・モーターズ」

レオス・カラックス13年ぶりの新作を見逃した!と思ったらまだやってたので滑り込みでみてきた。
しかも「ポンヌフの恋人」と二本立て。二本立てってお得感あるし、昼間から時間をもてあましてる感があって好きです。
この前の週にはアレックス三部作の「ボーイ・ミーツ・ガール」と「汚れた血」もやってたらしい。
僕はアレックス三部作をポンヌフだけしかみてないので残念でした。これを機にDVDでみてみようと思う。

ある早朝、大富豪の銀行家オスカーは家族に見送られて白いリムジンに乗り込む。オスカーはその日の「アポイントメント」を確認し、電話を済ませると車内で変装を始める。その後、パリで最も豪華な橋に到着したリムジンから降りてきたのは、みすぼらしい乞食の格好をしたオスカーだった。オスカーの仕事はなんなのか?彼の奇妙な一日を追った物語。

この映画はすごくデビッド・リンチ臭がした。
僕はデビッド・リンチ作品は「マルホランド・ドライブ」と「インランド・エンパイア」くらいしかみてないし
それほど詳しくもない。だから軽々しくそんな事を言うと熱狂的なリンチファンに怒られてしまうかもしれないけど
単純にそう思ってしまったんだからしょうがない。叙述的で哲学的な部分とか、カット割りもリンチっぽかった。

簡単に言ってしまうと、リンチほどではないかもしれないけど「すごく難解な映画」という事。
そしてこうゆう作品を好きと言っておけば便宜的に「映画通」っぽく映る種の映画だと思う。
僕はどっちだろ?まあ好きだったかも。嫌いではない。というくらいかな、、みて損はなかったです。
フランス映画にありがちな「解釈はあなたに任せる」的な雰囲気はとても好きです。退屈もしなかったし。

僕は「ボーイ・ミーツ・ガール」で鮮烈にデビューしたレオス・カラックスをリアルタイムでは知らない。
レオス・カラックスの「強烈な美意識」とか言われると少しかしこまってしまうけど、映像は本当に綺麗です。
綺麗というと少し語弊があるか、なんか映像みててドキドキする事が多い。カメラ持って散歩している時感じる感覚。
画面の中に入っていって、そこで写真を撮りたい気持ちになる。僕の腕では思ったようには撮れないんだろうけど。

そして「ポンヌフの恋人」の方。割と最近(今年だったかな?そうゆう記憶力は年々減退する)にみたけど
スクリーンでみるとまた新鮮でした。ポンヌフ橋の花火のシーンは有名ですが、スクリーンでみるとまた新鮮でした。
極端にアンダーで撮ってるシーンも、映画館だと色々見えてきて割と良かった。
していえば話は戻るけど、アレックス三部作を最初から順番通りにみてない気持ち悪さが残る。早めにみておこ。

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The End_879 古市場 / Nikon D600

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再開、再会、最下位
3日間のPCがない環境。携帯は使えたけどすごく新鮮でした(休暇ではなく遠方で仕事)
そのあと遠い親戚に訃報がありました。僕はほとんど知らない人だけど、どこか滅入るものがあった。
他にも辛い事があったという知人の話を聞いて、自分がその立場だったらどうするんだろう。と考えたり。
こんな僕にも師走の忙しさはしっかりと起きていたりで、文章を書く気が全くうまれませんでした。
そうゆう細かい事でいちいち足踏みをしてしまうのは、僕の悪い所でもあり良い所だと思っています。
今年もあと数える程になってしまいましたが、映画をみる事や、本は読む事は、当たり前に僕の生活の中にあり
黙っていても終わった作品は増えていくので、また書き記そうとおもいます。
今年は例年に比べては少しゆっくり出来るお正月を迎えそうなので、その時また休む事を見越してですが。

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The End_878 多摩川 / Nikon D600

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ライオンの脚について
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3日間ほどPCのない環境に身を投じますますので
少しおやすみいたします。


The End_788 多摩川 / Nikon D600

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瞳が輝いているようにみえた
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「天童荒太 / 永遠の仔(下)」

やっと読破しました。本当に長かった。でも読んで本当によかった。

あらすじは上巻のコピペです
1979年。久坂優希、長瀬笙一郎、有沢梁平の3人は四国にある双海病院の児童精神病棟で出会った。3人はその病院に来るまでのお互いの傷を告白しあい、強い絆で結ばれる事となる。しかし神に会えるという霊峰への登山で起きたある事件により3人はバラバラになってしまう。そして17年後、優希は老年科の看護師、笙一郎は弁護士、梁平は神奈川県警の刑事になっていた。そして優希の勤める病院で3人は偶然再会した。

上巻の時からそうだったけど、僕に縁深い地名がいっぱいでてきた。
横浜、品川そして川崎。川崎にいたっては鹿島田や平間、幸警察まで出てくる。
ちなみに僕の実家は幸区で、最寄りが鹿島田駅で、通っていた中学は平間中です。そのくらい近所の話。
鹿島田から川崎に出るのにバスは不便でしょ!とか地元の人にしか分からない感想までもってしまった。

えー、読んでみての感想は予想通り「重い」の一言につきます。「悼む人」ほどは痛々しくなかったけど。
その違いはなんだろう?「永遠の仔」は救いがなさそうに見えて小さい希望がちりばめられている。
「悼み人」はそうゆう種類の希望は見いだせなかったな。残される者と逝く者の想いの先、的な。宗教っぽかったのか?
今回のこの本は、読む人によっては救いのない暗く無駄に長い話なのかもしれません。でも僕は本当に読んで良かった。

とくにラストを飾る終章はこれ以上ない虚脱感で、もう読み終わる前から力が抜けてきた。
あの虚しい終わりの雰囲気はすごく好きです。長い時間かけて読んできてよかったなあ、と思わせる。
もともと長い小説は好きなんだけど、最近は時間がないことにかまけて長編に手を出してなかった。
これを機に他の長編も、とは思うけどこの本の影響は割と大きかったみたいで、読破後次の本に進めてすらいない。

川崎周辺でおこった殺人事件は、上巻では断片的に語られていたけど、下巻でずんずん明らかになってきた。
その殺人事件と彼ら三人。そして彼らの家族などとの関わりもいろいろ、本当にいろいろとでてくる。
そうなってくるとミステリー感も多くなり、それはそれで「犯人は誰?」的な感じで読み進められる。
全編通してメンタルめいた重い話が続いてたら、たぶん僕は吐いていた。なのでこれは読み手にとって非常に助かった。

しかしどこまでいっても、この作品はミステリー小説だけでは納まるものではない。
児童虐待が根幹になっているけど、老人介護の現状、病院の形態など、登場人物それぞれが抱える問題が集まり
ひとつの物語になっている。そして読み手の僕はその中の誰に属する人間なんだろう?と感情移入した。
この世に問題を抱えていない人間なんていないから、それは僕だけじゃなく皆が抱くものかもしれないなと思った。

そして物語は収束してゆき「人間の幸せとはなんなのか」という大きな疑問に向かう。
それはやっぱり答えがないものだし、人によって違うものなので、人間が抱える永遠のテーマでしかないと思う。
しかし人間はどこまでも弱く不安なので、答え的なものを求めてしまう。他人にも頼ってしまう。救いを求めて。
ラストに向かい迫る緊迫感にページを綴る手は止まらず一気に読了。救いはあったのかな?ゆっくり考えたい。

優希はいう。あなたたちの言葉は一生忘れない。わたしにとって、真に支えとなってくれるのは、あなたたちの、心の底から発せられた、あのときの、言葉です。もしかしたら、あらゆる人々が、ただあの言葉だけを求めて、生きているのかもしれません。

その言葉が何なのかは読んでみてください。
僕が感じたのは、そうゆう何気ない言葉でも一生支えになる「言葉の力」ってすごいという事。
それは逆にいうと、無責任な言葉は発せられないという事でもある。気にしすぎると喋れなくなってしまうけど。
僕はよく思ってもないことをベラベラと放ってしまう人間なので、気をつけないといけない。ごめんなさい。

もう一つ引用ー
どんな感情も、素直にだしていいんだって、ようやく思えるようになった。そして、もう一つ大切なことは、わたしも人を支えることができるんだって、自覚できたこと。自分を犠牲にしたり、身を粉にしてつくすような形じゃなく、ただ相手を認めるだけでよかったの。あの人が、一番望んでいたことも、結局わたしと同じだった。あの人が、あの人として生きていることを、わたしが、ただ認め、受け入れるだけで、支えになるとわかった。そんな単純なことで、わたしの人生は意味のあるものに変わっていったの。

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The End_876 羽根木 / Nikon F3

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内部にある記憶装置
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「世界にひとつのプレイ・ブック」

タイトルからしてみない系の映画だけど、すごくすごく勧められたのでせっかくだから。
ロバート・デニーロもでてるし。いやしかしデニーロは老人の役が板に付く感じになってた。
痩せたからかな。どんどんウッチャンに似てくるけど。

妻の浮気が原因で精神のバランスを崩し事件を起こしてしまったパット。彼は実家で両親と暮らしながら社会復帰を目指すが、精神面の不安定さは残り日常生活で起こすトラブルは少なくなかった。近所に住むティファニーは外見からは想像も付かない過激な言動と行動を繰り返し、周囲から孤立している女性だった。実は彼女も夫を事故で亡くしており、心に傷を持っていた。知り合った二人は男女間の友情の中で、お互いを罵りあいながらも尊重していき、ふたりの関係を作っていく。

わりと面白かった。少しコメディタッチ、だけど嫌いな感じではなかったです。
精神病院で薬を処方されるシーンっていろんな映画でみるけど、毎回「カッコーの巣の上で」が出てくる。
飲んでるふりして飲まないのはもうお決まりなんだろうか。。
大好きなジャック・ニコルソンはもう映画でないのかな。淋しいな。

ひねくれもの同士、素直になれないけど。。的な話。
ひねくれもの代表の僕としては「こんなにうまい話あるわけねえ」と言いたいですが
映画としては良いんじゃないかな。古典的といえば古典的な話だけど。
良い意味でも悪い意味でもアメリカ的な映画だったけど、みて損はないと思います。

デニーロが言う。
運命が手を差し出している。その手をつかまないと一生悔やむことになるぞ。今こそ壁を乗り越えるときだ。
若手の俳優さんが出てて(知らない俳優さんの意)熱演してるんだけど、一番はデニーロと思ってしまう。
老害の始まりはこうゆう所かもしれない。でも僕は映画も本も音楽も古い物が好きだからしょうがないのだ。

しかしパットの妻、ニッキーに関しては反感しか覚えない。
自分で浮気しておいて、接触禁止にして、あげくのはてにはしれっとした顔でパットの前に現れる。
多い少ないの具合はあれど女性ってそうゆう所ある。例の「時間が解決する的なアレ」だ。
あなた私の事まだ好きなんでしょ。ハン?的なあれだ。もう、まったく。

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The End_875 南千住 / Nikon F3

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マルタ爆撃
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「ものすごくうるさくて、ありえないほど近い」

わりと酷評されていたのは知っている。でもトム・ハンクス好きだし9・11の話だから興味もあってみてみた。

同時多発テロで大好きだった父親を亡くした少年オスカー。父親の突然の死を受け入れられなかった彼は、流れゆく日々を過ごして居たが、ある日父親のクローゼットで封筒に入った1本の鍵を見つける。封筒には「black」とだけ書かれていた。オスカーは父が残したメッセージだと信じ、鍵の謎を解くためにニューヨークの街へ飛び出していった。
 
この映画のどこがそんなに酷いのか、僕にはまったく分かりませんでした。
前半の宝探し感。後半の繊細な心の動きの描写。終わり方。そして子役のトーマス・ホーンの演技。
なんか全部よかった。みてよかった。トム・ハンクスもサンドラ・ブロックも良かった。
物語も映画というよりも小説を読んでる気がしてすごくよかった。NYCの撮り方も好きだった。

確かにギュンギュン派手な演出もないし、静かな映画なので見る人によっては退屈なのかもしれない。
父親がいない事の比喩で「太陽が爆発しても、8分間僕達はそのことを知らないで生き続ける」と表現する事とか、
鍵を見つけた時「僕と父さんの8分間は終わろうとしているけど、この8分間は引き延ばせるかもしれない」と言ったり。
どこか文学めいたセリフが多くてドキドキした。劇的なセリフって浮いてしまいがちだけど、その演技がまた自然なの!

そのトーマス・ホーンという子役はクイズ番組に出てるのをプロデューサーがみて興味を持ち
この映画のオーディションを勧めたそうだ。そして見事役をゲットしたっつーはなし。
男の子だけど、すごいシンデレラストーリーだな。そしてそれだけではなく演技力まで評価されるなんてすごい。
みてみたら分かると思うけど「深い感情表現」という言葉がぴったりな演技だと思いました。本当に深い、深いのです。

トム・ハンクスがWTCビルの中からかけた電話は留守番電話にメッセージとして残っていた。
慌ただしい状況の中、彼がひとこと言うのだ「きみのおかげでいい人生になった。」って。素晴らしい。
奥さん役のサンドラ・ブロックも良かった。ぶっちゃけこの人「スピード」くらいしかしらないけど。古すぎるか。
アスペルガー症候群の子どもを持つ母親を熱演してた。子どもにあんなセリフ言われたら僕だったら自殺するな。

同時多発テロからもう12年もたつのね。いろいろ思い出してしまう。

当時僕はまだ学生で、家で課題をやっていた。休憩しようとテレビ付けたらニュースステーションをやっていて
久米宏が燃えるWTCの映像の前で喋っていた。現実に起こっていると信じられずにぼんやりと画面を見てた記憶がある。
震災の時に感じたあの呆然とした気持ち。それから2機目の突撃、飛び降りる人、崩壊と食い入るようにTVをみていた。
その後アルカイダの犯行と判明し、イラク戦争へと続く。僕はこのまま世界大戦が勃発しないかと思っていた。

3000人ちかい死者をだしたあの事件も風化しちゃってたりするのかな。
跡地には槇文彦の設計したビルが建つんでしょ?日本人としては誇らしい事ですが。。
ちなみにあの事件、陰謀説があるらしいので興味がある人はみてみてください。
すこしまゆつばだけど、少しリアル。この頃の世界まる見えTV特捜部ってすげえ好きだった。

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The End_874 丸の内 / Nikon F3

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コール・ハー・ネーム
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「村上春樹 / 村上朝日堂 はいほー!」

永遠の仔。下巻を着々と読み進めていますがいかんせん内容も質量も重いので自宅にいるとき専用にしています。
普段持ち歩く荷物の中に本がないと落ち着かないので、簡単でお気楽な本を忍ばせて、平行して読んでました。
それが村上春樹のエッセイ。永遠の仔はやっぱりどこまでも重いので、極体にあるものの方が良いかなと思って。
エッセイだから長編にくらべ軽いけど、書いてあることは薄っぺらくない。軽く読めるのに読み応えがある。素晴らしい。

もうあえて言わなくても伝わっているだろうと思いますが、僕は村上春樹が大好きで、大ファンだ。
しかし最近思うんだけど、前と読み方が変わって来てる風に思う。前はどっぷりと長い時間村上春樹の世界に浸っていた。
そしてそうゆう時期はなにか損なった気持ちを抱え、人間らしく生きていけないような期間になっていた。
その時期が終わると「しばらくはもういい」という気持ちになり新刊とかが出ない限り彼の作品に触れることはなかった。

それが最近はちょいちょい彼の作品を読み、また読み返し、文章を楽しんでいる。
楽しんでいる?本当かよ?と自問自答してしまうけど、どこか軽い気持ちで楽しんで読んでいる。
それは短編やエッセイに限らず、それなりな長編でもそうみたい。「それなり」というのは
さすがに「ねじ巻鳥クロニクル」は軽い気持ちでは読めないので。。

このエッセイは1989年に刊行されたわりと古いエッセイ。
時代背景なんて現代とはまったく違うはずなのに、なにも不自然に感じずに読める。
彼のエッセイを読んでいると、だいたいそんな感想を持つけど、あらためて考えるとそれってすごい普遍的!
センスなんだろうな。大作家捕まえて言うことではないですが、本当にすごいと思う。

エッセイの中で「青春と呼ばれる心的状況の終わりについて」というのが割と冒頭にある。
仕事関係での食事で初めて会った女性。その人は昔好きだった女性に外見も雰囲気も笑い方まで同じだった。
その人にその旨を伝えた時に、口説き文句だと取られとても完結した笑い方で流された。
その時に彼の中の何かが失われてしまったという、その話がすごく好きでなんども読み返してしまった。

以下引用ー
僕が大事に守ってきたのは正確にいえば彼女ではなく、彼女の記憶だったのだ。彼女に付随した僕のある心的状況だったのだ。ある時期のある状況しか与えることのできない、ある種の心的状況。それがあっけなく消えてしまったのだ。彼女とのその短い会話によって、一瞬にして。そしてそれが消えてしまったのと同時に、おそらく青春とでもいう名で呼ばれるべき漠然とした心的状況も終わってしまった。僕はそれを認識することができた。僕はそれまでとは違う世界に立っていた。そしてこう思った。物事の終わりというのはどうしていつも、こうあっけなくささやかなんだろうと。

本当にこの人と同じ時代を生きれて嬉しく思う。
永遠の仔はもうすぐ読破できそう。しかし長い!

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The End_873 南千住 / Nikon F3

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日本の風習その5
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「オーケストラ!」

だれかがおすすめしてたのをなにかで覚えてて、ツタヤで目に入ったのでみてみた。
2009年のフランス映画。基本的にフランス映画は得意な方じゃないけど、これは気にならなかった。

コンサートホールの清掃員をしているアンドレイは、かつてロシアのボリショイ交響楽団で指揮を務め、天才指揮者とうたわれた男だった。しか共産主義時代のロシア、ユダヤ系の演奏家を排除せよとの命令に背き、名声の絶頂期に解雇された経緯があった。それから30年、清掃作業中に受信したFAXの内容を見てしまったアンドレイ。FAXは演奏を取りやめた楽団の代わりにパリで演奏してくれる楽団を募集しているという内容だった。それをみたアンドレイは昔の仲間を集め、ボリショイ交響楽団としてパリで演奏することを思いつく。

ウォーターボーイズ的な、スイングガールズ的な物語かと想像していた。僕がよく言ってるけど、、
やるべ!→できない→皆にバカにされる→奮闘→わりといける→問題勃発→乗り切る→大団円だと思ってた。
そして僕はそうゆうベタな物語が嫌いではなく、割と好きな方なので期待してみてた。
見てみたらそれっぽいところは多かった。コメディ感もわりとあった。でも根っこは違った。

共産主義時代の不自由な生活の中でも、自己表現しようとした熱くほとばしる気持ちとか
アンドレイが演奏する曲目をチャイコフスキーのバイオリン協奏曲にこだわった理由とか
アンヌ=マリー・ジャケという美女ソリストとして指名した理由とか
バラバラになった楽団員があるひとつの言葉で大集結した理由とは。なんかいろいろ素晴らしかった。

フィニッシュはウォーターボーイズ的な大団円に近いものだったけど、僕は好きなのでなかなか感動しました。
こうみえてクラシック音楽はそれなりに好きで、ベタだけどベートーベンやチャイコフスキーは大好きです。
ショスタコーヴィチ、一時期はまったな。。井上道義、全曲講演、日比谷。懐かしいな。
なのでより楽しくみれたけど、クラシック知識無くても全然楽しめます。結構なオススメ具合です。

アンドレイ役のアクセレイ・グシコフという人は、目付きが野口先生に似ていた。しかめっ面。
そしてソリスト役のメラニー・ロランという女優さんが素晴らしく美人だった!
タランティーノとブラピの「イングロリアス・バスターズ」に出てるらしい、でもあれグロ注意報出ててみてない。。
これを機に頑張ってみてみるか、とも思うけど、。無理かな。

いま一緒に仕事してるアメリカ人の友達、クレイグのおかげで僕は今お肉すら食べられない状態。
もともと牛肉は食べない(好きじゃない)人なのであれだけど、今は豚、鶏、両方だめ。ハムもウインナーもだめ。
時間経てば大丈夫になるかもしれないけど、しばらくは無理そう。。
野菜が一番という事を再認識しています。クレイグめ!クッキーおごってもらお。

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The End_872 読売ランド前 / Nikon F3

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クッキー大会
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「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」

こないだみた「THE MASTER」のピーター・トーマス・アンダーソン監督。略してPTA作品。
主演のダニエル・デル・ルイスがスキャットマン・ジョンに見えてしょうがなかった

20世紀初頭のアメリカ。一攫千金を夢みるダニエルは、いつも交渉の場にたった一人の家族である、息子のH.W.を連れていた。ある日石油を探していたダニエルのもとにある若者が訪れる。ポールという若者は西部に石油が眠っている場所があるという情報を流してきた。ダニエルは息子を連れその土地へ赴き、地主たちをい言いくるめ安い金額で土地を買い占める。そして油井を建造しみごと石油を掘り当て、莫大な財産を手に入れる。そして町にも繁栄をもたらしたが、、。

ダニエルの欲望にくらんだ人非人っぷりがフューチャーされてますが、それだけじゃないなと思った。
「ブラッド」の意味は単純に、欲の象徴である「石油」の比喩ってのと「血縁」という意味があるはず。
お金を手に入れる程に人を信用できなくなる。家族だけは別だったのに、それもある事件がきっかけで破綻する。
H.W.においては、、理不尽すぎてなにも言えなくなりました。

この映画は「大河ドラマ」だと言う人がいた。
前半みてて、どうゆう意味で言ってたのかイマイチ分からなかったけど、最後までみたら何となく分かった。
ダニエルという男の生き様なんだろうな。良くも悪くも。。ネタバレしちゃいそうで曖昧な言葉で申し訳ない。
この映画はPTA作品の中で一番!を豪語する人が多いのは納得です、横綱映画。少し長いけど、見応えありです。

物語の中で開拓前の土地で、カリスマとうたわれた聖霊派教会の牧師がいるんだけど、個人的には大好きでした。
土地を荒らし教会への寄付もしないダニエルと疎ましく思ってるんだけど、だんだんその気持ちにも変化が生じる。
近所の老人集めてなんか変な事やってるけど、僕としてはダニエルよりも彼の方が強欲に見えた。
聖霊派=悪魔払いや少しオカルトめいたものなのかな?嘘くさすぎてうけた。

全体的にキューブリックっぽいんだよな。話がどうこうじゃなく演出や絵が。
音楽の使い方や、場面の切り替わり。室内のアングルとかすげえキューブリックっぽい。
キリキリ鳴る不協和音はシャイニングっぽい緊迫感を出し、最後のクラシック音楽は時計仕掛けっぽい。
ラストの一言もまるっきり「アレックス」みたいだ。ファンの人、是非みてみてください。

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The End_871 渋谷 / Nikon F3

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鎖場、トリス、ネジ交換
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「イーグル・アイ」

僕らしくないよなあ。と思ったけど、予告みて面白そうだったので。

空軍に勤める双子の兄を告げられたジェリー。優秀な兄へのコンプレックスから放浪生活を続けていた彼は大きなショックを受ける。兄の葬儀後、帰宅した彼は部屋の異変に気付く。部屋いっぱいに軍事兵器が山のように届いていたのだ。そして通知不可能からの着信。その電話は女の声で「30秒後にFBIがその場所に突入してくる、逃げろ」と言う。呆然とするジェリーはきっちり30秒後に駆けつけたFBIによって逮捕されてしまう。その後も「謎の女」からの指示は続き、ジェリーは困惑しながらも指示に従い、逃亡に成功する。その頃同じく「謎の女」の指示で車を運転する女性、レイチェルがジェリーの元へ向かっていた。

割と面白かった、終わり方も好きだったし。もう一回みるかといったらみないけど。
シンプルな話だったので、それだけ頭使わずにシンプルにみれたのが良かったのかな。
だけど中だるみは少しあった。謎の女の正体が分かるまではハラハラできた。その後少しだるい。
しかし「謎の女」は本当に反吐がでる汚さ。イライラを通り越して呆れる思いでいっぱいになる。

コンピューターのありかたがどことなく「マイノリティ・リポート」に似ていると思ったら
スピルバーグが製作に関わっているからなのかな。。スピルバーグってなんにでも関わってるのね。。
どっちにしても国家的な陰謀に巻き込まれる一般人=古典感は否めないのかもしれない。星新一しかり。
それにネットワーク&アクション&ラブストーリーくっつけました的な映画です。アメリカお得意のあれです。

最近話題になっているアメリカの国家間での盗聴疑惑。そして秘密保護法。古い話だけどロンドンの監視カメラ問題。
普通に生活してても個人情報は垂れ流しになる一方で、見えない大きなものに監視されるのが当たり前になるんでしょう。
もうなってるか?なってるんだろうな。コンピューターに管理される人間、本末転倒だよな。
70・80年代の子ども達が夢描いた未来というのとは、なにか少し違うような気もするけど。。ま、いっか!

手塚治虫の「火の鳥」に似たような話があった。
都市ごとに人工知能が設置されて、政治はそのコンピューター任せになった未来の話。
人工知能同士の痴話ゲンカが発端で核戦争が起き、地球上から人類が滅亡する。そして地球は放射能の嵐が吹き荒れる。
火の鳥の血を飲んだ主人公(名前は忘れた)はその中でひとり生き続ける。そんな話があった。また読みなおそうかな。

みた人だけにわかる感想「音声認識の件だけは腑に落ちない」です。

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The End_870 代官山 / Nikon F3

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職務質問アワード2013
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「君のためなら千回でも」

1970年代のソ連侵攻前のアフガニスタン。裕福な家庭に育ったアミールと召使いの子ハッサンは、主従関係という立場を越えて兄弟のように仲良く固い絆で結ばれていた。この関係は一生続くかと思われたが、ある冬休みの事件により二人の関係に亀裂が生じる。それは彼らの生涯の関係を切り裂くような裏切り行為だった。その後アミールはソ連の侵攻に伴いアメリカへ亡命する事になる。そして時は流れ2000年にアミールは小説家としてデビューすることになる。

これは単純な物語で、子ども同士の絆を引き裂かれる理不尽な出来事、そして再会、歓喜的な話だと想像してた。
しかし全然違った。最初の30分はのんきに凧とかあげちゃって、朗らかに笑顔にあふれた暖かい映画だった。
でも中盤から後半まで本当に重くて辛くて悲しい物語になった。ラストはシンドラーのリストみてるのかと思うほど。
過去ではなく未来をみすえた穏やかな気持ち。丘の上、見上げる空、手をつなぎ、走る。ニャーオ。

この物語は友情の話だけじゃなく、家族、人種差別、アフガニスタンの情勢、アメリカとの関係。
そしてアフガニスタンにおけるタリバン政権のこと。いろんな問題が詰まった映画だった。
「イスラム教=悪」みたいなプロパガンダ感が強かったのが少し気になる。欧米よりな視点だった。
実際イスラム教=悪だと思ってる人もすごく多いけど、こうゆうものからのイメージって大きいと思う。

アミールの父親はこう説く。
「世の中に罪は1つ「盗み」だ。その他の罪は盗みの変形だ。男を殺すことは男の命を盗む事。男の妻から夫を盗み、子どもたちから父親を盗むことでもある。人をだますことはその人から真実を盗む事。盗みは何よりも卑劣な行為なのだ」
なんだってさ。イスラムの教えという訳ではないけど面白い考え方だな。。

ちょっといろいろ考えた。

過去に自分の身に起きた問題、受けた傷など、その時に解決しなかったいろいろなものは、たいがいが「時間によって解決する」という便利なことで整理づけられる。そして大人になればなるほど整理のしかたは上手くなっていき、さしあたり問題は問題にせずに生きていける。その方が利口で楽に生きれるんだと思うし、極論そうじゃないと生きるという事は随分つらいものになってしまうんだろうとも思う。だから整理して、忘れてという事は至って普通のことなんだと思います。いや本当に。、、だけど、その時刺さった「とげ」のようなものは心の奥深い所にちゃんと残っていて、存在し続けると思うのです。そのとげを抜いた方が良いのかどうかは自分次第であり、どちらが正解かなんて僕にはまったく分からない。だけどひとつだけ言えることは、もしもそのとげを忘れて生きて行くのであれば、ちゃんとさようならを言わないといけないという事。じゃないと何年か、何十年か先にそのとげに気付き、過ぎ去った時間に後悔する事になる。そしてそれはものすごく悲しい事のようにも思うのです。話はそれるかもしれないけど、僕は「そもそも時間が解決する事なんてひとつもない」と思っています。持論です。とげはどこまで行ってもずっと変わらず存在し続ける。起きてしまったことはずっと変わらなくて、時間が経って普通に戻るなんて事は皆無だと思っています。一度壊れた関係は完全に元通りになる事はありません。だからこそちゃんとさようならを言うように(心の中ででも)しています。問題にも、傷つけ傷ついた人にも、、ちゃんとさようならをして前を向いて生きて行かなければ行けないと思うのです。もう二度と戻らないことなので。

そんな事を思った映画でした。良作!


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The End_869 よみうりランド前 / Nikon F3

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