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白日夢、眠れない夜、喚起
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「インサイダー」

で、またマイケル・マン監督作品。だってアル・パチーノでてるしさ。
でも今までの作風と違い企業サスペンス。暴力的な表現はまったくなし。
だけどメンタル怖さはありありでした。あからさまな尾行。ポストへの投函物。差出人不明のメール。怖い。
そしてラッセル・クロウの演技がすごいよかった。なんかよくわからないけど「怖い」そうゆう人っている。

CBSの報道番組プロデューサーのバーグマンは、タバコ産業の内部告発文章を手に入れた。匿名で送られてきたその文章を手がかりに全米第三位のタバコメーカーB&W社を調べ始める。そして元研究開発部門副所長だったワイガンドと接触する事になるが、B&W社との守秘契約のためなにも情報を手に入れられなかった。しかし彼がマスコミと接触した事を知ったB&W社のせいか、その日からワイガンドの廻りで不可解な嫌がらせが起こり出す。。それはエスカレートしていき、家族まで精神的な圧力がかかる状況になっていく。

ワイガンドは「研究者」として、信念と安定した生活の間で揺れていた。
バーグマンは「ジャーナリスト」として、報道のあり方とビジネスとの間で揺れていた。
理想と現実、グレーゾーンではない所に答えがあると信じた男たちの話だった。すごい良い映画だった。
素直にすげえかっこいいなと思ったのだよ。いつもの銃をバンバン撃ち放す「男」とはまた違った「男」

現実、僕らが生きている世界でもこうゆう葛藤って少なからず、、いや大いにある。
そこで自分の意志を貫くのってすごく大変だ。そもそも不可能かもしれない。
大人になればなるほど荷物が多くなって放てない言葉も多くなる。もちろん責任も大きくなる。
でもさせっかく仕事してるんだし、白か黒かである必要はないけどもう少し戦う事って必要かもな。と、映画みて思った

自分の身が危険になっても信念を貫こうとする彼らに素直に感動したし。憧れた。
損得勘定抜きで戦う事、自分の言葉を放つ事、理想を求めること。すごくシンプルな感情。
僕も最初はそうゆうシンプルな感情で仕事してたはずなんだけど、なにか複雑にしてるのが社会。。
いや複雑にしてるのは自分自身だな。自分自身がどうするか、どこまで入り込むかだけか。

怒ったら負け、怒ってる人はしょうもないという空気ってあるけど、違うと思ったらもっと怒ればいいと思う。
どんどん怒って発言して、その状況をなんとかすればいいし、それで少しでも理想に近づくのならチャレンジしよう。
せっかく仕事してるんだし、せっかく表現してるんだし、せっかく生きてるんだから、もっとがんばろうぜ!ぼく!
という精神でこれからも頑張っていきたいです。今年もあとわずかですが暖かい目で見守ってあげてください。

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The End_809 西馬込 / Nikon D600

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遠雷、消せない過去、青い朝日、
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「ヒアアフター」

この人の作品は全部みようと思っている監督の一人、クリント・イーストウッド作品。
脚本の着眼点が好きなのと、彼の作品の大きなコンセプトだと思っている。「多くを語らない男像」に憧れもあって
素直にファンだと言える監督だと思います。それじゃなくても僕は少し喋りすぎだしさ。
しかしあと何本撮れるのかな。。それを考えるとすごく寂しい気持ちになる。

パリでジャーナリストとして活躍するマリーは、休暇で訪れた東南アジアで津波に遭遇し、臨死体験をする。帰国後、その体験時にみた光景が脳裏に焼き付いてしまい、仕事に集中できない日々を送る。一方サンフランシスコに住むジョージは、霊能力者として有名だった。死者と対話することに疲れ、過去を隠しながら工場で働いていた。新しい事を始めようと通い出した料理教室である女性と出会い、段々と親密になっていく。そしてロンドン、母親と双子の兄との三人で暮らすマーカスは、兄を突然の事故で失ってしまう。そして母とも別れ里親に預けられたマーカスはもう一度兄と話すため、霊能力者を捜し始める。

「村上春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」を読んでるときにみたので
どこかう村上春樹の小説に出てきそうな話。みたいに思っちゃった。影響されすぎかな。
「僕はいちど死んで戻ってきた。たしかにそうなのだ。」とか言われるとそんな気がしちゃう。
それよりも丹波哲郎か?大霊界か。大霊界とネバーエンディングストリーがカブるのは僕だけだろうか。

僕的な感想は、ちょっとイマイチでした。死に対する感覚が日本人と違うような気がした。
なんつうか日本人って死が遠いというか、非日常でしかないんだけど(そんなに日常に溢れてたら困るし)
でもこの映画みてると死がすごく日常的なんだなあと思った。慣れてる訳ではなく心から死を悼んでいるんだけど。
なんだこの違いは、と考えてら、、戦争を続けてるから?銃社会だから?くらいしかいまいちわからんかった。

霊能者のジョージは人に触ることでその人の廻りで死んだ人と会話ができる。
完全にサイコメトラーEIJI。クリント・イーストウッドもマガジンを読んでいたのか。
あのマンガ面白かった。その能力を持つことでEIJIも苦悩していた。ジョージも同じ。
知らない方が良い事ってあるよね。そうゆう風に思えるという事は僕も少し大人になったのかしら。

ラストの解釈がすごく難しかったです。ネタバレになるので言わないけど、かなり分からなかった。
色んな人の解釈を読んだら少しだけ納得。みる側に問いかけるあのパターンだけど少し不親切すぎたかもな。
全体的な感想は、なんかさクリント・イーストウッド作品っぽくないのだ!だからぼくの評価はイマイチです。
つまらなかった訳ではありません。

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The End_808 多摩川ゴルフ場 / Nikon D600

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人の心と人の心は、傷と傷によって深く結びついている
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「村上春樹 / 色彩を持たない多崎つくると、彼の巡礼の年」

遅ればせながら読み終わりました。ひとことで言うと、すごく良かったです。
今まで彼の小説を読むとメンタル面でなにかごっそり持っていかれ、いわゆる喪失感が残る事が多いんだけど
今作はそんな事なかったうえに、なんか応援ソングに取れてしまってさ、少し元気になったくらいです。
この腐った希望のかけらも何もない世界だけど、頑張って前向きに生きていこうと思った。といったら言い過ぎか。

東京の鉄道会社で駅の設計を仕事にしている多崎つくる36歳は、16年前の20歳の頃に「死ぬことしか考えない」という半年間があった。つくるは名古屋の公立高校に通っていて、そこで知り合った同級生5人ととても仲の良いグループになる。それは「乱れなく調和する共同体みたいなもの」と表現された関係だった。高校を卒業したのち、つくる以外の4人は名古屋に残るが、つくるは東京の大学へ進学した。それでも年二回の帰省時にはいつものように「乱れなく調和する共同体みたいなもの」の仲間に加わっていた。しかし大学二年の夏休み、いつも通り帰省した時に彼らの態度は急変していた。

村上春樹の小説ではたぶん珍しい事だと思うけど、自分の事を「おれ」と言ってた。
ツイッターとかフェイスブックとか、なんか俗っぽい単語が多かった気もした。
羊たちの沈黙やスターウォーズ。挙げ句の果てにはマリメッコやムーミンまで出てきたり。
今までの村上春樹の小説ではあまりなかった感覚が多かった。全然悪い意味じゃなくて新鮮だった。

村上作品では毎度の事だけど、批判もすごく集まってるみたい。批判が多いのはそれだけ注目されてる証拠だけど
毎回文句言ってる人達ってなんなんだろう。普通に嫌いなら読まなきゃいいのに文句をたらたら言ってる。
「世の中の大抵の人間は文句は言うが、それは本気じゃない。習慣的にぶつぶつこぼしているだけだ」
と作中に書いてあった。物語のうえでは全然違う意味で書いてあるんだけど、皮肉めいてたのかな。なんかいいな。

それではこの小説を読んで僕的な見解。。僕は頭が良い方ではないので難しい事は分からないけれど、普通に感想ね。
ネタバレにならないように書くつもりです。といいつ、ついきなりですが最後のページの文章には感動しました。
伏線とまで言えるのかはわからんけど、フィンランドの湖畔から繋がった物語の流れは素晴らしいと思った。
フィンランドに住む女性とのやりとりが素晴らしく、フィンランドの情景描写もなんか哀しくて、美しくてよかった。

この小説と震災との関係性を分析してる人もいたけど、僕はそんなに感じなかったな。
そうとればそうかもしれないし、そうじゃなければそうじゃないような感じだ。すばらしく普遍的だ。
でも「避けられない現実」とか「人間関係の再生(復興?)」とか言われると関係あるような気もする。
この小説を読んで応援ソングみたいと言ったけど、そうゆう意味での応援ソングだったのかも。わからん。

ネタバレになってるのかな。一応気になる人は読まないで下さい。読んでみた感想を一気に言うと、、

「世の中色んな事が急に起こるけどそれもしょうがない事かもしれないし、あんまり考えすぎない方が良いよ。でもね、人生にはハッキリしないと前に進めないこともあるし、解決しようとする勇気って必要なんだよ。そしてきっと過去に僕の身に起こった事は、偶然でもあり必然でもあった訳だ。あの時の素晴らしい過去は過ぎ去って二度と戻れないかもしれないけど、すべてが無くなった訳ではないんだよ。だからそんなに悲しまないで前を向いて歩いて行こうぜ」

と言われた感じでした。すばらしい小説だった。そして同時に、、、

僕らは生まれてから今まで、平等に時間というものを与えられている。そして終わりも決まっている。いつも言ってる事だけど、その制限された中で見たもの、読んだ本、感じたもの、作ったもの、発した言葉、全ての物事が自分の中で記憶となり積み重なる。その記憶は同じくらいの速度で忘れていってしまうけど、少なからずでも残っているものはあってさ、そうゆうもので自己が形成されていくんだと信じている。生きてるとしょうがない事や、どうしょうもない事はすごく多いけどその辺を意識しながら単純に自分がやる事を続ける。っていうシンプルな事だけにして、ゆっくり前に進めばなにかしらの答えは見えるよ。と改めて思ったにのだ。

これを機に村上春樹熱が上がり、1Q84再読かな?と思ったけど違うのを読んでいる。
まだBOOK4が出そうと思っていて手が伸びないのです。

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The End_807 西馬込 / Nikon D600

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フライング・ソーサー ’13


Crue-L Records 好きだった。



ハイスクール・ラバー。笑





僕はこの頃のUAがいちばん好きなんだ。



イカス。前にも載せたかな?



泣きそうになる

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