
「アレハンドロ・G・イニャリトゥ / 21グラム」
ショーン・ペン主演で探してたら「BiUTIFUL」のイニャリトゥ監督だったので観てみた。
前情報からは時間軸がバラバラなので1回で理解するのは大変、とあったので食い入るように観てたけど
全然そんなこと無かった。頭の中で色んなシーンが繋がっていく爽快感すらあった。編集がうまいんだろう。
しかしショーン・ペンは「死」ってゆうものを匂わせる演技させたらもうあれね。すごい俳優さんだ。
人が死ぬ直前と後では体重が21g減るらしい。その「魂の質量」を計ろうとしてた医者が実際居たらしい。
余命1か月と宣告された数学教師と、二人の子どもを育てながら幸せな生活を送る女性。
前科者だが出所後更正し、神の信仰を生きがいに社会に貢献しようと努力する男性。
この出会うはずのない3人の運命がひとつの事故により、思いもしない結末へと向かう。
イニャリトゥは相変わらず重いテーマを突きつけてくる。寝れなくなっちゃうよ。
魂というのもに重さがあるかないかは置いといて、その「なくなったもの」にはなにが詰まっているんだろう。
劇中に「何があろうとも人生は続いていくのです」と言う言葉が何回か出てきた。
あと「BiUTIFUL」と同じく「鏡」の表現と「ムクドリ」の表現。なんなんだろうあれ。メタフィジカルだ。
観たあと考えた。生きることはやっぱり辛いことで、生きるより死ぬ方が楽だと思うこともあるかもしれない。
でも、それでも生きていくということは、人生の中にはいいことも悪いことも全て含まれていて、
幸せな瞬間ばかり続くのが人生ではない。もしかしたら生きることでの苦さや痛みが、より人生を魅力的にするのかも。
そんな厳しい人生(原罪)から開放される瞬間、それが21グラム。ため息か?
それでも21グラムは1セント硬貨5枚の重さで、チョコバーの重さ。そんなものだよ。ということかしら。
すごく印象深い映画になった「BiUTIFUL」に続いて。イニャリトゥいいな。ムクドリ、、きになるなぁ。
自分の息子さんをなにかで亡くしてるみたいなんだけど、処女作のアモーレス・ペロスの時のインタビュー。
「人は失ったもので形成される。人生は失うことの連続だ。失うことでなりたかった自分になるのではなく、本当の自分になれるのだ。」
だって、すごくポジティブだけど悲観的だなぁ。。。好き。

The End_444 沼辺 / Nikon F3
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